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ボーナスのせいで家計破綻!?急増すると言われている「ボーナス破産」って何?

2020/06/11

新型コロナの影響で、今年はボーナスが減額になったり、ゼロになる企業が増えると言われています。それにより急増すると言われているのが「ボーナス破産」です。どういう家庭が、どういうきっかけでボーナス破産になりやすいのか、節約アドバイザーの丸山晴美さんにお聞きしました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2020年5月時点の情報を元にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「ボーナス破産とは?」!

もっとも危ないのは年末。破産しないよう今から備えて!

新型コロナの影響で、業績が伸びている企業もあれば、そうでない企業もあります。業績が大幅に悪化すれば、当然夏のボーナスが、長期化すれば冬のボーナスが減額される可能性があります。最悪の場合、ボーナスゼロという状況も視野に入れなければなりません。

日本総研が2020年4月10日に発表した「2020年夏季賞与の見通し」によると、民間企業の1人あたりのボーナス支給額は、昨夏に比べて6.4%減となる見込み(※1)。これは、リーマン・ショック後に次ぐ大幅なマイナスです。さらに、業績悪化の影響が本格的に反映されるのは、夏よりも年末賞与との予想もあります。

あらかじめ労働契約や就業規則などで「ボーナスが支払われる」と決まっていれば大丈夫ですが、企業の業績によってボーナスの支給額が左右される場合は危険。とくに「ボーナス依存度が高い家計」ほど破産の可能性が高くなるので注意が必要です。

「ボーナス依存度が高い家計」は2タイプ

ボーナス依存度が高い家計には2つのタイプがあります。
1つは「ボーナス払いで住宅ローンやクレジット払いを利用している」家計、もう1つは「毎月の生活費が給料ではたりず、その補填にボーナスを充てている」家計です。どちらもボーナスが貯蓄に回らずに、何かしらの支払いや消費に回っているのが特徴です。

なぜこれらの家計が危険かと言うと、家計の体力が「ボーナス頼り」だからです。ボーナスが支払われない場合はもちろん、ボーナスの支給額が減っただけでも、ローンが支払えなくなったり、生活費が赤字に転じたりします。すると、当面を乗り切るためにと貯蓄を食いつぶしてしまい、すぐに借金せざるを得ない状況に。最悪の場合には自己破産に陥る可能性があります。

また、お給料の基本給はそれほど高くなく、残業代などの諸手当やボーナスが生活費の柱になっているかたも要注意です。
いずれの場合も、早急に家計の見直しをしましょう。

目標は「月の収入の中でやりくりと貯蓄ができる」家計

住宅ローンをボーナス払いで支払っている場合は、ボーナスから引き落とされる金額を、今から別途貯蓄をしておきましょう。今からでは間に合わないのであれば、すぐに借り入れをしている金融機関に相談をすることをおすすめします。

クレジットカードで買い物をする際は、金利手数料がかからないとはいえ、いくらもらえるかもわからないボーナスをあてにしたボーナス一括払いを選択しないことも必須です。
そのうえで、住居費や保険料、教育費、公共料金といった、毎月かかる固定費で節約できるものがないかを見直し、次に外食、レジャー、し好品などの出費を見直しましょう。

また、現在は新型コロナの影響を受けて、国や自治体による公的支援も多く出てきています。国民健康保険は、主に生計を維持している人の収入が急に下がった場合に、保険料の支払いを待ってもらったり、減額や免除を受けることができる制度があります。
家計を見直すとともに、こうした公的な支援も利用しながら、むずかしい今の時期を乗り越えましょう。

新型コロナの影響は数カ月で終わるものではなく、長期戦になるのはもう確実です。「まだ貯金があるから……」と貯金を切りくずすのはもっとも危険。それではこの夏は乗り切れても、冬には家計が崩壊してボーナス破産してしまう可能性が高くなります。

貯金を切りくずす前に家計の見直しに着手し、公的支援も利用して、できることから手を打っていきましょう。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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