【コロナ禍の家計事情】最も増えた出費は?データで見るコロナ禍の家計の変化
2020/10/17
ジャパンネット銀行が行ったインターネット調査によると、新型コロナウイルスが登場して以降、家計の支出内容が大きく変化した家庭が多数。その調査結果と、節約アドバイザーの丸山晴美さんによるアドバイスをご紹介します。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2020年9月時点の取材情報を元にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「コロナ禍の家計の変化」!
「生活のターニングポイント」は3月下旬
株式会社ジャパンネット銀行では、日本で初めて新型コロナウイルス感染者が確認された2020年1月下旬から6月下旬までの150日間の振り返りとして、「コロナ禍前後の日常生活と価値観の変化」のアンケートを実施。20~60代の男女各500名、計1,000名を対象にインターネット調査を行いました。
同調査によれば、新型コロナウイルスに対する関心割合が高まったのは「3月下旬」で26%。この頃に起きたできごととしては「東京五輪の延期」や「志村けんさんの逝去」などがあり、多くの人にとって新型コロナウイルスへの危機感が急速に高まった時期と言えるのでしょう。
同調査ではこの時期を「日々の生活のターニングポイント」とし、それ以前を「コロナ禍前」以降を「コロナ禍後」としています。
増えた出費トップ2は「光熱費」と「食費」
「コロナ禍前後で増えた出費と減った出費」については、最も増えた出費が「光熱費」で38%。次いで「食費」20%、「日用品代」と「通信費」各10%と続きます。
逆に、最も減ったのは「交際費」で、コロナ禍前に比べてマイナス76%。「娯楽費」もマイナス70%、「交通費」マイナス68%と、いずれも外出に関係する出費が大きく減っています。
家で過ごす時間が増えたことが、家計にも大きく影響していることがわかります。
また、「自由に使えるお金」が減ったと回答している人も35%いました。新型コロナウイルスの影響で収入が減ったり仕事そのものがなくなった人が増えている状況の中、今後に対する不安から出費を控える方が多いのかもしれません。
ネットでの買い物に使ったお金も平均2,897円アップ
ネットでの買い物の消費金額も、コロナ禍後は平均1万9,396円と、コロナ禍前より平均2,897円増加しているという結果に。さらに、81%もの人が「ネットショッピングサービスの拡充を受け入れられる」と答えていおり、今後ますますネットショッピングの活用が増えることが予想されます。
今後は増えた出費を抑えつつ、計画的なお金の管理を
交際費やレジャー費など、コロナ禍後に減った出費もあるため、生活費全体でみると以前より黒字になった世帯もあるでしょう。その一方で、コロナ禍により収入が減り、さらに出費が増えた世帯は、光熱費や食費などの節約だけではなく、固定費の見直しもする必要があるでしょう。これから寒くなると、暖房費がかさみますので、早めに準備しておきましょう。
約半年も自粛に近い生活が続いているので、「旅行に行きたい」「ショッピングを楽しみたい」「おいしいものを食べに行きたい」という思いが高まっていて、外に出る傾向も増えています。予算を決めて近場で混雑を避けたレジャーにするなど、コロナ禍ならではの楽しみ方を見つけましょう。そしてまた、ネットでの買い物などでストレス解消的に散財してしまわないよう、気をつけたいところです。
新型コロナウイルスの影響は、来年も続いていくことは確実です。年末に向けてしっかり節約し、計画的にお金を管理していくことが大切ですね。
取材・文/かきの木のりみ