【お金の専門家が解説】夏以上の減額に!?コロナ禍が続くなか冬ボーナスはどうなる
2020/11/04
ボーナスをもらっている会社員にとって、その存在はかなり大きいもの。ボーナスを含めた額を「年収」と考え、やりくりしている家庭は少なくありません。しかし、2020年の夏ボーナスは、コロナ禍により減額した会社が多く見られました。
コロナ禍が続いている今、冬ボーナスは、そして会社員の収入は、どうなるのでしょう?節約アドバイザーの丸山晴美さん解説してもらいました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2020年10月時点の取材情報を元にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「どうなる!?冬ボーナス」!
JTB、JR西日本、ANA……大企業が続々と冬ボーナスゼロ・減額を発表
2020年7月、旅行会社JTBが早々に冬のボーナスをゼロとする決定をしたことが報じられました。9月には、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドも、冬ボーナスを7割カットすることを発表。さらに10月には、JR西日本がボーナスを2.69カ月分から1.5カ月分へと減額、全日本空輸(ANA)が冬ボーナスゼロに加え、基本給の引き下げも労働組合に提案したことがわかりました。
こうした冬ボーナスゼロや減額の動きは、中小企業ではより深刻で、これからも増えることが予想されます。
4月以降が査定対象の冬ボーナスは、夏ボーナスより厳しい状況に
夏のボーナスも減額などがニュースとなりましたが、じつはコロナ禍の影響は限定的でした。というのも、一般的に夏ボーナスの査定対象期間は前年の10月1日~3月31日。新型コロナウイルスの影響が出る前の期間が大半のため、大幅な減額は少なかったのです。
また、今年は春に10万円の特別定額給付金が支給されました。4人家族の場合は40万円がもらえたため、ボーナスが減額されたご家庭もある程度カバーすることができました。
しかし、冬ボーナスの査定対象期間は4月1~9月30日で、コロナ禍の影響をダイレクトに受けます。そして本記事執筆時点では、特別定額給付金のような支援金が出る予定もありません。
業種によっては給与がカットされたり、諸手当がなくなったり、早期退職の募集が行われている企業も出てきています。
来年夏までのプランを考えることが、コロナ禍を乗り切るポイントに
生活を守りつつ、この状況を乗り切るには、来年夏までのプランをしっかりと考えておくことが大切です。
まずは「減った収入分を補う対策」を考えること。副業を始めたり、パートをかけ持ちしたりするなど、自分にできる方法を探しましょう。
また、家族全員で減収分を補うことも、今の時期を乗り越えるには重要です。本来であれば子どもは学業優先が望ましいですが、家計の状況がひっ迫しているのであれば、(高校生以上で学校が許可する場合に限って)アルバイトをしてもらって家に入れてもらう、あるいは自身のお小遣いとしてまかなってもらう……ということも考える必要があるでしょう。
それと同時に、お金の使い方を見直し、「お金のかからない生活」へとシフトしましょう。お子さんと進学先も含めて今後のことを相談し、教育費をどう捻出するかを考えておくことも大切です。
ボーナスはこの冬が「底」という見方もありますが、来年にかけても厳しい状況が続くと考えたほうがよいでしょう。先が見えにくいときだからこそ、前向きに対策を考え、実行に移して乗り切りましょう。
取材・文/かきの木のりみ