コロナ禍でお年玉も「キャッシュレス」に!? お金の専門家が解説「子どもとキャッシュレスのよい関係」とは?

2020/12/30

子どものお正月の楽しみというと、やはり「お年玉」。実はお年玉を「キャッシュレス」で渡す家庭が、少しずつ増えているのをご存じでしょうか?お年玉をキャッシュレスにする意味とは?節約アドバイザーで、一児の母でもある丸山晴美さんに解説してもらいました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2020年12月時点の取材情報を元にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「子どもとキャッシュレス」!

7%の人がお年玉を「キャッシュレス」であげている!?

2020年の1月1日、マネースクールなどを運営するファイナンシャルアカデミーが、全国の子どもがいる20〜50代の男女300人を対象に「キャッシュレスとお年玉に関する意識調査」を行いました。

それによると、約7割が「子ども(親戚含む)にお年玉をあげている」と回答し、そのうちの7%が「キャッシュレスであげている」と回答しました(※)。2018年12月に行われた同調査では4%だったので、年々増えていることがわかりますし、21年のお正月はコロナ禍で帰省を控える家庭も多いですから、この「キャッシュレスお年玉」はさらに増えることが予想できます。

お年玉に使ったキャッシュレス手段としては、「◯◯Payなどスマホ決済」がもっとも多く、次いで「Suicaなど交通系ICカード」、「Quoカードどギフトカード」、「プリペイドカード」と続きます。

キャッシュレスでのお年玉を「よいと思う」人が全体の4割!

同調査の「お年玉のキャッシュレス化についてどのように思いますか?」という質問に対しては、約4割が「よいと思う」と回答しています。お年玉を現金であげた人のなかにも、キャッシュレス化に肯定的な考えの人が少なくないことがうかがえます。

Q.お年玉のキャッシュレス化についてどのように思いますか?

理由をたずねたところ、肯定派は「時代にあっている」「キャッシュレスに慣れさせるため」「テクノロジーを早くから体験させたい」「あとから支出が見える状況になるから」などの意見があがりました。社会全体がキャッシュレス化する流れを受け、キャッシュレスでのお年玉にも興味や必要性を感じているようです。

一方で、反対派の意見は「お金のありがたみ、価値がわからない」「お金の感覚がないと簡単に使ってしまう」「危険・セキュリティが不安」「お金という実感がわかない」といった不安の声が圧倒的多数となりました。

子どものころからキャッシュレスに慣れさせる意味とは?

私も親の立場としては、「子どもにキャッシュレスを持たせるのは不安」という気持ちはよくわかります。しかし、お金の専門家として考えると、「むしろ今からキャッシュレスに慣れさせていくことが大事」だと思います。

なぜなら、今の子どもたちはデジタルネイティブで、小学校1年生からスマホを持っている子も増えてきています。スマホ決済を使う年齢も、どんどん低くなっていくでしょう。

小さいうちから「お金とはどういうものか」を教え、「キャッシュレスも現金と同じお金」という意識を持たせることはとても大事です。

そして何より、世の中が今後ますますキャッシュレス中心になっていくことは、ほぼ間違いありません。

ニュースなどでたまに、子どもが親のクレジットカードでネットゲームをして、驚くような高額の請求をされたという話を耳にします。これは、子どもがゲームに熱中してしまうのもありますが、キャッシュレスだと目に見えないため、「お金」を使っている感覚が薄くなるのもあるでしょう。

子どもにキャッシュレスの使い方を身につけさせることは、お金の教育になると同時に、こうしたトラブルを防ぐことにもつながります。

与えるときはチャージした金額しか使えないキャッシュレスを選んで

毎月のお小遣いをいきなりキャッシュレスにするのは、さすがにちょっと不安ですが、お年玉ならよい機会になるかもしれません。
どのキャッシュレスサービスにするかは、子どもの年齢や性格に合わせて使い分ける必要がありますが、いずれにしても親しかチャージができず、「チャージした分の金額しか使えない」キャッシュレスが安心でしょう。

そして、金銭感覚を身につけさせる1つの手段として、お小遣い帳をつけさせるのはとても有効です。家計簿のような複雑なものである必要はなく、「何に使ったか」を書くだけで十分。その習慣が身につくことで、むだづかいに気づきやすくなり、やりくりも上手くなっていきます。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママのお金に困らない本」(徳間書店)「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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