知らないうちに被害者に!?消費者を惑わす「ダークパターン」の手口と対策を知っておこう
2021/06/23
「ダークパターン」という言葉を聞いたことはありますか?Webサイトで利用者が気づかないうちに、企業やショップ側に有利となる行動をとらせようとする「仕掛け」のことです。
インターネットは今や私たちの生活に欠かせないもの。だからこそ、ダークパターンを知って引っかからないようにしたいですよね。節約アドバイザーの丸山晴美さんにダークパターンについて教えてもらいました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2021年5月時点の取材情報を元にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「ダークパターンとは?」!
日本の主要サイト6割がダークパターンをやっている!?
ダークパターンはいま、世界的に問題視されており、欧米では消費者を惑わす危険なサイト設計として、規制が強化されつつあります。日本ではまだルールが整備されていないこともあって規制が遅れており、日本経済新聞社の調査によると、国内主要サイトの約6割でダークパターンが確認されています(※1)
ダークパターンの代表的な手法は「あおり」「誘導」「障害」の3つ。買い物などでネットを安全に、上手に活用するためにも、それぞれについて知っておきましょう。
ダークパターン1:利用者を焦らせて購入を急がせる「あおり」
ダークパターン1つ目の「あおり」は、「在庫残りわずか!」「現在100人がこのページを閲覧しています」などと表示して利用者を焦らせ、「早く買わなきゃ」と思わせる手法です。タイムセールなどで「○分以内までは商品をカートに確保します」と時間を区切るのも「あおり」の一種。
利用者に考える時間を与えないことで、必要ではない物まで買わせようとするものです。
これに引っかからないためには、あらかじめ買いたい物、必要な物を決めて買い物をすること。特にセールを利用する際は、「今回は○と○だけ買う」と決めて、手早く買い物を済ませるのが正解。あれこれ閲覧して衝動買いをしないよう気を付けましょう。
ダークパターン2:利用者が知らないうちにWebサイトやメルマガに「誘導」
2つ目の「誘導」は、利用者を強引にWebサイトやメルマガ に誘導する仕掛けです。最もよくあるのが、利用者の知らないうちに「メルマガを購読する」設定がされて、どんどんメルマガが送られてくるパターン。解除しようとしてもやり方がわからないなどで、解除できないケースも少なくありません。
健康関連商品などでよく見かける「今なら初回限定○円。定期購入の必要なし」なども「誘導」の1つ。「定期購入の必要なし」としていても、実際は「初回限定○円」を利用するには定期購入を契約する必要があるケースが多く見られます。
商品ページをよく見ると、そういう条件が記載されているのですが、文字がとても小さかったりして気づかない場合がほとんど。特にスマホの場合は画面も小さいため、よけいに文字が目に止まらなかったり読めなかったりします。
「定期購入縛り」があるような商品を買う時は、スマホではなく画面が大きいタブレットやパソコンを使い、注意書きや契約内容をよく確認するようにしましょう。
ダークパターン3:退会や解約がなかなかできない「障害」
3つめの「障害」は、会員登録や購入、契約などは簡単にできるけれど、退会や解約はなかなかできないというパターン。「解約は電話にて受け付けています」と明記されていても、いざかけてみると、いつまでたっても電話がつながらず解約ができない、というケースも少なくありません。
会員登録や購入、契約などをする際は、必ず前もって退会・解約の方法をチェックすることが大切。退会方法が書かれていても安心せず、実際に退会ページへ飛んだり電話をかけてみたりするなどして、確認することが重要です。
また、ネットで検索窓に「○○(ショップ名など) 退会」と入力して、検索窓の下に「○○(ショップ名など) 退会 難しい」「○○(ショップ名など) 退会 できない」などのキーワードが表示されるときは、注意すべきショップや会社である可能性があります。検索をかけて関連するホームページを閲覧したり、加入しようとするサービスの約款などを読むなど、より慎重に確認をしましょう。
今もたまに見られる「二重価格」にも注意を!
上記3つの他に、少し前までは「二重価格表示」という問題もありました。これは、通信販売やWebサイトには「80%オフ」などと書かれているけれど、表記されている定価自体が見せかけの価格でで、本当の定価は80%オフの価格とほぼ同じというもの。
つまり、実際は割引きしていないのに、いかにも大幅値引きされたお得商品のように見せかける手法です。
当然、景品表示法違反に該当しますので、あってはならないものです。
20年近く前に社会的に大きな問題となり、現在はスーパーなどでは禁止されてなくなりました。でも、インターネットではいまだに二重価格であろう表記を時々見かけます。これも消費者を惑わすダークパターンの1つと言えるので、注意しましょう。