「クーリングオフ不可」って知ってた!?実は意外と多いネットショッピングの落とし穴
2021/06/19
1年以上続くコロナ禍で、インターネットでの買い物が急速に生活に溶け込みつつあります。でも、ネットでの買い物は、お店での買い物とは異なる危険をはらんでいます。
改めて、ネットショッピングで気をつけるべき点を確認しておきましょう。節約アドバイザーの丸山晴美さんに注意点と対策についてお聞きしました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2021年5月時点の取材情報を基にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「ネットショッピングの注意点」!
ネットで買った物は気に入らなくても「クーリングオフ」できない!?
ネットで買った服が届いて、着てみたらサイズが合わなかった、というときは「クーリングオフすればいい」と思っていませんか?実はこれは大間違い。基本的にインターネットでの買い物は、クーリングオフの対象外なんです。
クーリングオフは、突然の電話や訪問で強引に何かを売りつけられ、その場の空気や相手の強引さに負けて契約してしまった場合の救済策。「買う意思がなかったのに買わされてしまった」場合に適用されるものです。
しかし、ネットでの買い物は、購入者が自らそのサイトに行き、クリックして購入しています。「買う意思がない」「買わされた」には当てはまらないので、クーリングオフの対象にはならないのです。
「何でもクーリングオフできる」「消費生活センターに相談すれば解決できる」というわけではないことを覚えておきましょう。
ただし、破損やショップ側の梱包ミスなど、返品が可能なケースもあります。また、ショップがサービスの一環として、自主的に返品や解約制度を設けている場合は返品や解約が可能です。
買い物をする際は、そのショップがどのような返品・解約条件を設けているかを、あらかじめチェックすると安心です。
商品やショップを「買う前に検索してみる」ことが大切
買いたい商品や利用したいショップがある場合は、買う前に「検索」してみることも大切です。その商品が本当にイメージしているようなよいものなのか、ショップの対応はちゃんとしているかなどを調べ、利用した人の声がある場合はそれもチェックしましょう。
ただし、ショップ内に書かれている利用者のコメントは、よいことしか書かれていない場合が多く、残念ながら信憑性に欠けるのが実情です。必ずGoogleやYahoo!の検索窓で、商品名やショップ名を入力して調べてください。
ショップと関係なさそうなサイトに書かれているレビューでも、広告や宣伝を目的とした操作が行われているケースは少なくありません。よいレビューだけでなく、必ず悪いレビューも見て、そのうえで買う・買わないを判断することが大切です。
検索窓に文字を入力すると、自動的にいくつかのキーワードが窓の下に表示されます。たとえば、「フライパン」と入力すると「フライパン おすすめ」「フライパン 捨て方」「フライパン パスタ」などと出るように。
このようにソフトウエアが勝手に予測・提示する機能を、「検索予測」や「予測変換」などと言います。検索予測の上位に表示される言葉ほど、多くの人が検索している言葉と言えます。
購入を考えている商品名やショップ名を検索窓に入力した際に、「○○ 評判」「○○ 使えない」などが出てきたときは、その言葉を入力した人が多いということです。気になる検索予測が出てきたら、必ずそれもチェックしてみましょう。
買いたい商品やショップに問題がない場合でも、ほかのショップのほうが安い価格で買えるケースもありますから、「まず検索する」ことを習慣にしたいですね。
迷ったときは「時間をおく」と後悔する買い物をしないで済む
ネットでの買い物は、買うかどうか迷うこともよくありますよね。そういう場合は、冷静になる時間を持つ習慣をつけましょう。
私は気になる商品を見つけたら、とりあえずカートに入れます。ただし、そのときは決済せずに、一度スマートフォンやパソコンを閉じます。すると、翌日にはその商品のことをすっかり忘れていることがよくあるんです。そういう場合は「本当に必要なものではない」と判断して購入をやめます。
翌日以降も覚えていて、「あれを買わなきゃ」「やっぱり必要」と思ったら、その時点で決済します。このひと手間を入れるだけで、後悔する買い物をしてしまう確率を、大きく減らすことができます。
ネットでの買い物はお店と違い、その場で店員さんに確認することができません。ネットショップの場合、質問をしても回答がすぐに来ない場合もあります。それだけに、利用者の注意深さが求められます。
「Webサイトの説明をしっかり読むスキル」「検索して下調べするスキル」、そして「冷静に検討するスキル」など、ネットショッピングに必要なスキルを身につけることが、自分や家計を守ることにつながります。
取材・文/かきの木のりみ