ボーナス

貯まらない家庭はボーナスの使い方に共通点があった!?専門家が指摘するボーナスのNG利用例

2021/06/12

もうすぐ夏のボーナス時期。そもそもボーナスは、どういう風に使うのがよいのでしょう?大きな出費をカバーするのはよい使い方なのか、貯蓄に何割くらいあてるのがよいのか、迷うところですよね。

そこで、節約アドバイザーの丸山晴美さんに、効果的なボーナスの使い方を聞きしました。コロナ禍で先が見通せない今だからこそ、ボーナスを最大限に活用しましょう。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2021年5月時点の取材情報を元にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「ボーナスの効果的な使い方」!

ボーナスを「帰省」や「生活費の赤字補填」に使うのはダメ家計!?

さまざまな家庭の家計診断をする中で、気づいたことがあります。それは、「家計の悩みを抱えている家庭は、ボーナスの使い方が似ている」ということ。とくに多く見かけたのが、「帰省費用」にあてるパターンです。

実家が遠距離で、家族全員で帰省すると20〜30万円かかるため、その費用をボーナスでまかなっているという家庭が多くありました。そしてまた、「毎月の生活費の赤字分をボーナスで補填してプラマイゼロに戻している」という家庭も多く、帰省費用と赤字補填の両方をやっていて、それでボーナスがなくなるというパターンも珍しくありません。

このような使い方は、家計が赤字になるわけではないので、一見問題ないように思えます。しかしじつは、貯蓄を増やすチャンスをみすみす逃している、とてももったいない使い方なのです。

例えば1年で100万円を貯めるには、毎月8万3000円くらい積み立てる必要があります。毎月この金額を捻出するのは、なかなか大変ですよね。

でも、夏のボーナスから20万円、冬のボーナスから20万円の計40万円を貯蓄すれば、月の積み立てが5万円ほどでも年100万円貯まります。ボーナスは貯蓄額を一気に倍増できる、とても重要な機会なのです。

ボーナスは「使えない貯蓄」に7割、「使うための貯蓄」に3割が基本

そもそもボーナスは、会社の業績によって金額や支給の有無が左右されやすいもの。それを当てにして生活するのは、賢い家計とは言えません。

ボーナスは始めからないものとして、できるだけ貯蓄に回すのがベストです。
コロナ禍の今は、旅行や帰省を取りやめる家庭も多いでしょう。この機会を利用してボーナスをしっかりと貯蓄しておき、今後の家計のやりくりとボーナスの使い方も見直しましょう。

貯蓄は「使えない貯蓄」と「使うための貯蓄」の2つに分けるのが基本です。

「使えない貯蓄」は住宅購入費や教育資金など、使う目的がはっきりしていて、その用途以外には使えない貯蓄。「使うための貯蓄」は帰省費用や車検費用、賃貸住宅の更新料など、毎月の収入ではまかないきれない20万円前後の出費に備える貯蓄です。冷蔵庫やエアコンなどの大型家電が急に壊れたときなど、毎月の収入ではまかないにくい出費に備えるために、「使うための貯蓄」の口座に50万円程度のストックがあると安心です。

ボーナスは「使えない貯蓄」に7割、「使うための貯蓄」に3割を基本とし、各家庭の状況に合わせて割合を調整してください。

たとえば、住宅ローンに「ボーナス払い」を組み込んでいる場合は、ボーナスからローン分を差し引いて、残った金額を7割・3割で貯蓄するとよいでしょう。

以前からボーナス全額を貯蓄しているという人は、そのまま継続し、貯め方のバリエーションを増やすのもおすすめです。ボーナスの一部で「iDeCo(イデコ)」や「つみたてNISA(ニーサ)」といった投資運用を始めるなど、貯蓄と投資を組み合わせてバランスよく運用しましょう。

ボーナスは家計をリセットし、土台をしっかり固めるチャンス

クレジットカードの分割払い・リボ払いの支払い残高が残っている人は、ボーナスで一度全額を精算し、家計をリセットしましょう。クレジットカードの引き落としがされると、その月の生活費が足りなくなって、クレジットカード払いでしのぐという自転車操業状態の人も、同様にボーナスで精算してリセットを。

今後は分割払い・リボ払いは避けるのが基本です。家計が整うまではできるだけ現金管理とし、クレジットカードを利用する場合でも、生活費からカード払い分の現金を取り分けてから買い物をするようにしましょう。
そして毎月の収支を計算し直し、どうやったら月の収入の中で生活できるかを考えることが大切です。

コロナ禍により、ボーナスを減額したり支給しない企業が増えています。今期はボーナスが支払われても、次はどうなるかわかりません。ボーナスがあるうちに家計の土台をしっかり固めておくのが、将来のリスクを回避することにつながります。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママのお金に困らない本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。
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取材・文/かきの木のりみ

 
 

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