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上がり続ける電気料金を抑えるには!? この冬にやるべき6つの節電&節約アクション

2021/11/10

2021年は電気料金が上がり続けており、今後もさらに上がる可能性があると言われています。さらにこの冬は、電力不足から大規模停電などが起こる可能性もあるとか。例年以上に「節電」を徹底する必要がある今年の冬。それを乗り切る節電&節約テクを、節約アドバイザーの丸山晴美さんに聞きしました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2021年10月時点の取材情報を元にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「2021年徹底節電対策」!

節電&節約アクション1:「新電力」に切り替えて電気料金そのものを安くする

2021年の冬が例年と違うのは、電気料金が上がり続けているという点です。ですので、今のうちに「新電力」へ切り替えるのも一つの手。

新電力とは新規参入の小売り電気事業者のことで、いわゆる「電気会社の乗り換え」をするということです。現在利用している電気会社よりも安いところに乗り換え、割引になったり、ポイントが貯まったりすることで、電気料金を抑えることができます。

現在、多くの新電力会社が出てきており、プランもさまざま。選ぶ際には以下の点に注意しましょう。

2年先、5年先までシミュレーションする

ネットで「電気料金 シミュレーション」と検索すると、たくさんのシミュレーションサイトが出てきます。昨年の使用電力量を入力すると、どの新電力会社で、料金がどのくらい安くなるかが一覧表示されますので、その結果をいくつかのサイトで比較して選ぶと安心です。

会社によっては、1年目は大幅な割引があって安くなるけれど、2年目3年目は割引がなくなって逆に割高なるケースも。1年目の電気料金だけでなく、2年目、3年目、5年目などの料金もシミュレーションできるサイトを選びましょう。

自分に合った特典を選ぶ

電気料金が安くなると言っても、その方法はさまざまです。価格が値引きされる場合もあれば、ポイントで還元されるところも。また、車のガソリン代が割引になる、特定のゲーム機のサブスクリプションサービス料金がタダ、特定のクレジットカードで支払うと安くなるなど、新電力会社やプランによっていろいろです。

自分にとって一番便利でお得なのはどれか、よく考えて選びましょう。ガスと電気セットで乗り換えると割引になるプランもあるので、両方まとめて新電力に切り替えるのも一案です。

解約しばりなどがないかチェック

電気料金は安いものの、手続きに手数料がかかったり、「○年以内の解約は違約金がかかります」というしばりがあったりする場合もあります。「料金が安い」という理由だけで判断せず、利用条件をよく確認することも大切です。

シミュレーション結果にもある程度は利用条件や約款が表示されるので、必ずチェックしましょう。

「価格変動制」料金プランはよく考えて

2020年の冬は、一部の新電力の電気料金が急騰して話題となりました。「通常は1万円程度なのに8万円請求された」など、驚くほど高額になったケースも。

このような事態に陥ったのは、一部の「市場連動型」料金プランを契約していた人たちです。市場連動型とは、日本卸電力取引所(JEPX)の価格に連動して電気料金の単価が決まるシステムで、状況によっては大幅に安くなる場合もあります。

しかし、この時はJEPXの価格が高騰したため、突然の高額請求となったのです。

経済産業省が新電力会社に柔軟な対応を求めたため、一部の会社では上限金額を設定するなどの救済策が行われました。しかし、今後も同様の救済があるかどうかはわかりません。「市場連動性」は良くも悪くも相場の影響を強く受けるので、エネルギー価格が高騰している局面では不利と言えるでしょう。

乗り換える際は、価格変動制プランかどうかも確認し、メリット・デメリットをよく調べたうえで選びましょう。

新電力はトラブルに弱い、は間違い!

新電力への乗り換えをためらう人のなかには、「電気料金が安くなる分、停電などが多くなるのでは?」など、トラブルを心配する人が少なくありません。でも、そのようなことはまずないので安心を。

新電力会社の大半は、東京電力や関西電力といった、これまで各エリアを管轄してきた大手の電力会社から電力を買って売電しています。どの会社と契約しても、電気を送る電線や設備は同じですし、特定の新電力会社だけ電気の品質が変わったり、停電が起こったりすることはありません。

節電&節約アクション2:在宅勤務の人はデジタル家電より環境家電をチェック

新電力への乗り換え以外にも、この冬にやっておきたい節電テクはいろいろありあります。ここからはそれらについて説明します。

この冬は在宅勤務という方も多く、いっそう家の電力料金が心配ですよね。でも、ノートパソコンなどのデジタル機器は、実はそれほど多くの電力は使いません。それよりも、暖房器具や照明などの環境家電を整えることが大切。

15年以上前の古いエアコン使っている場合は、エネルギー効率の良い最新モデルに買い替えた方が消費電力が少なくなり、長い目で見るとお得です。蛍光灯も LED に替えることで、大幅な節電につながります。

節電&節約アクション3:カーテンは電気料金に影響大!

外の冷気は窓から室内に入り、せっかく温めた部屋の空気も、窓から外へ逃げてしまいます。窓に厚手のカーテンをつけるのは、節電の基本です。

「遮光(しゃこう)カーテン」は、普通の生地に比べて厚めの生地が多く、光を遮ると同時に熱を遮断する効果も高いのでおすすめ。遮光の度合い別に1~3級のレベルがあり、2級以上のものを選ぶと良いでしょう。

カーテンの丈が足りないのも、暖気が逃げる原因に。丈が十分にあるカーテンに替えるか、すき間をクッションや丸めたバスタオルで塞ぐなどして対策しましょう。

節電&節約アクション4:暖める範囲を最小限にしてウォームシェア

ウォームシェアとは、家族それぞれが自分の部屋で暖房を使うのではなく、1つの部屋に集まるなどして消費電力を抑えること。地球温暖化防止につなげる取り組みとして、環境省が推進しているアクションです。

この冬はできるだけリビングなどで家族いっしょに過ごし、照明やテレビなど、使用する家電製品を少なくしましょう。部屋のドアはしっかり閉め、間仕切りを使って空気の流れを区切るのも良いでしょう。

節電&節約アクション5:湿度を上げて体感温度をアップ

加湿しながら暖房をかけると、体感温度が高くなるため、低い設定温度でも快適に過ごせます。加湿器を使わなくても、洗濯物を室内干しにする、入浴後に浴室のドアを開けて部屋に湿気がまわるようにするなどで部屋を加湿することができます。
リビングで鍋ものを囲むなど、湯気の出る料理も湿度を上げるのに効果的です。

ただし、過剰な湿気は結露の原因になります。冬場のおすすめ湿度は40~60%ですので、湿度は適宜調整しましょう。

節電&節約アクション6:保温機能は必要最低限に絞る

いつでも便座が温かい保温式の温水洗浄便座は、電気代が増える要因に。便座と温水の設定温度は低温にしましょう。保温式の便座はふたをしないと便座から放熱し、電気代が増える原因になります。使い終わったら必ずふたを閉めることも大切です。

炊飯器や電気ポット、ウォーターサーバーなどの保温機能も、どうしても必要な場合以外は使わないように。長時間使わないときは節電モードにしたり、電源をオフにしておきましょう。

以上のことを家族全員で習慣化することで、電気料金の大きな節約につながります。かつてない電力不足が危ぶまれている2021年の冬を、皆で協力してしっかり乗り切りたいですね。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママのお金に困らない本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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