【衝撃】10カ月で1,000円以上増!2021年冬はさらに値上がり&大規模停電の危険も!?
2021/11/03
2021年冬は、かつてないほどの電力不足が懸念されています。電気料金は年始から値上がりが続いており、状況によっては計画停電や大規模停電となる可能性もあるとか。なぜこんなことになってしまっているのか、節約アドバイザーの丸山晴美さんが現状を解説します。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2021年10月時点の取材情報を基にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「2021冬は電力危機!?」!
1月は平均6,317円だった電気料金が、11月には7,371円に!
2021年に入ってから、電気料金の値上がりが続いていますよね。東京電力エナジーパートナーのホームページに掲載されている「お知らせ」を見ると、「従量電灯B・30A(アンペア)」の契約をしている家庭が、1カ月に260kWh(キロワットアワー)の電力を使用した場合、2021年1月の平均モデルでは6,317円(※1)だった電気料金が、2021年10月には7,371円(※2)と、1,054円も値上がりしています。
電気使用量が1カ月260kWhというのは、比較的少ない方です。4人家族の場合は400kWhくらいの使用量になるので、値上がりの幅はさらに大きくなっているでしょう。
「再生可能エネルギー発電促進賦課金」も大幅アップ
電力会社から送られてくる「使用量のお知らせ」を見ると、電気代の他に「再エネ発電促進賦課金」というものも請求されています。これは、風力発電・地熱発電・水力発電などの再生可能エネルギー発電を普及させることを目的に、電力会社が再生可能エネルギーを買い取る際の費用を消費者が負担するものです。
単価は全国一律で、毎年国によって設定され、「単価×家庭の電気使用量」が毎月の電気代の請求額に含まれます。
2020年5月~2021年4月分までの再生可能エネルギー発電促進賦課金は2.98円/kWh(※3)でしたが、2021年5月〜2022年4月分は3.36円/kWh(※4)と、これも値上がりしています。
月に400kWh使っている家庭の場合、昨年は月1,192円だったのが、今年は月1,344円になっている計算です。年額で2,000円近く高くなっています。基本の電気料金と合わせると、大幅な値上がりです。
火力発電の大幅不足と燃料高騰は、これからも続く!?
なぜこんなことになっているかというと、1つは火力発電所の休廃止があります。脱炭素に向けた再生可能エネルギーの導入の拡大や、石炭火力の段階的廃止方針に伴うものと言われていて、資源エネルギー庁「2022年度に向けた供給力確保策について」によると、2020年に稼働していた発電所で、今年は休廃止したものがたくさんあるのです(※5)。
原子力発電所も東日本大震災以来、多くがストップしています。再稼働も遅れていて、火力発電の電力が大幅に不足しているのです。
加えて、原材料である石油、液化天然ガス、石炭などの価格も高騰。各国が輸入量を増やして国際競争が激化しているところにコロナ禍が加わり、世界的な燃料不足と言われています。
実は、2021年の春くらいから、経済産業省を中心に「今年の冬は電力不足が特に深刻になるだろう」と言われていました。夏もひっ迫するとの予測だったのですが、北海道など電力に余裕のあるところから融通し合い、なんとか乗り越えられたのが実情です。
しかし、暖房は冷房より電力がかかりますし、冬は日が落ちるのが早く、照明なども長時間使用します。どうしても電気をより多く使う環境になるので、この冬は大規模停電や一部の電気料金が急騰する可能性もあると言われています。
つまり、今年の冬は単なる「節約のための節電」以上の意識が必要だということ。電気代を安くするのはもちろんですが、大規模停電などのトラブルを招かないために、皆でしっかり節電する意識が必要です。