1,000万円貯めた人に共通する4つのこととは?多くの家計を診断してきたお金の専門家が分析
2021/10/23
10年以上前から多くの家庭の家計診断&アドバイスをしている節約アドバイザーの丸山晴美さん。そのなかで、1,000万円以上貯めた人には、いくつかの共通点があることに気づいたと言います。
今回は丸山さんの知見に、『サンキュ!』2021年3月号特装版の特別付録「貯めている100人の家計」の分析もプラス。「貯めている人の共通点」を教えてもらいます。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2021年10月時点の取材情報を元にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「貯めてる人の共通点」!
貯めてる人が生活のなかに持っている「仕組み」とは?
『サンキュ!』2021年3月号特装版の特別付録「貯めている100人の家計」には、年収100万円台~700万円台以上の家庭100軒のリアルな家計簿が掲載されていました。その内容と私がこれまで家計診断をしてきた家庭の傾向とを分析したところ、1,000万円以上貯めている人の共通点が見えてきました。
貯めている人の共通点1:収入や生活費が減った後で貯め上手になった
共通点1つ目は、収入や生活費が減った経験を持っているということ。奥さんが育児休暇を取得して年収が減ったり、コロナ禍で夫の収入が減ったり、または子どもの教育費などの支出が増えて生活費が減ったなど、何らかの理由で収入や生活費が減った経験がある人が、1,000万円を貯めている人には多くいます。
貯めている人は収入や生活費が減ったとき、思い切った家計の見直しを行っているのが特徴です。それによってムダな買い物を多くしていたことに気づいたり、もっと工夫できることが見えてきたりして、お金の使い方が大幅に改善。節約も上手になり、以前より貯蓄に回すお金が増えたケースが多いのです。
不自由を感じないと、なかなか「思い切った家計の見直し」はできないもの。貯めている人たちは収入や生活費が減ったという「ピンチ」を「チャンス」に変えた人とも言えそうです。
貯めている人の共通点2:家計簿でお金と向き合っている
2つ目の共通点は「家計簿をつけている」ということ。ムリせず続けられるようなざっくりした家計簿が多数ですが、それによって家計を「見える化」している点がポイントです。
家計簿をつけて終わりではなく、今月は何にお金を使ったのか、ムダな使い方をしていないか、もっと節約できるのではないかなどを整理し、しっかり改善しています。
ちなみに「貯めている100人の家計」に登場していた方には、紙の家計簿を用いている人が多い傾向がありました。大切なのは「きちんとお金と向き合う」こと。1,000万円貯めている人はそれができている人が多いと感じます。
貯めている人の共通点3:衝動買い、ついで買いをしない――結果、買い物が減る
家計を見直し家計簿をつけ、自分の買いすぎやムダ買いに気づくと、買い方そのものが変わります。買う前に「本当に必要か」「何を買うか」をよりしっかり考えるようになるので、「衝動買い」や「ついで買い」が減ります。その結果、買い物をあまりしない、買い物が少なくなっていくのです。
必要だと判断して買う場合でも、1つで2つの使い方ができる物や、それ以上の効果が期待できる物を上手に選ぶかたが多いです。例えば、クーラーボックスを買うなら、サイドテーブルにも使える1つ2役のクーラーボックスを選ぶなど。
こうすれば2つ買うよりも少ないお金ですみますし、家の中にものが増えるのも防ぐことができます。
貯めている人の共通点4:「当たり前」をきちんとやっている
最後の共通点は、先取り貯蓄や自炊、掃除といった、貯めるために必要とされている「当たり前のこと」をきちんとやっているという点です。
とくに先取り貯蓄は、貯めている人でこれをやっていない人を見たことがありません。しかし実際は、やった方がいいのはわかっているけどできてない、という人が多いのです。
まずは、老後資金、住宅購入費、教育費など貯蓄の目的をしっかり立て、いつまでにいくら貯める必要があるのかを考え、それに向けて先取り貯蓄をしていくことが大切です。
自炊や掃除は、これをまめに行うことで、食材の在庫や家の中のものの量を把握できるようになります。使わずに捨ててしまっていないか、なくてもよいものを買っていないかなどもわかります。
するとムダ買いが減りますし、自分たちに必要最低限の量やものもわかってきます。必要最低限のもので上手に暮らせば、自然と部屋は片づき、そして貯蓄が増えていくのです。
つまり、お金を貯める作業とは、必要最低限の暮らしでも幸せに暮らせる「仕組み」を自分で作ること。貯めてる人は、収入や生活費の減少をきっかけにその「仕組み」をつくり、それによって以前よりも、ある意味豊かな生活ができていると考えることができる人たちと言えるでしょう。
取材・文/かきの木のりみ