厳しい生活費に落ち込む日本人女性

子ども3人で毎月貯蓄ゼロ!こんな家でも家計は整う!プロが見直しポイントを徹底解説

2022/01/09

ファイナンシャル・プランナーのガチの家計診断結果をお見せします!子ども3人で毎月貯蓄ゼロ。これから先どうすればいい?今後10年間でかかる教育費を洗い出し&4つの見直しポイントで貯まる家計に!

<教えてくれた人>
ファイナンシャル・プランナー 畠中雅子さん
「Kさんのご家庭は、まさに子ども費がふくらむ時期ですね。ここからが正念場ですが、なんとか5%の貯蓄を捻出したいところ。ムダな出費を一緒に見直しましょう!

・相談者 Kさん(広島県 41歳)
夫(48歳)、長女(14歳・中2)、二女(11歳・小6)、長男(10歳・小4)の仲良し5人家族。住まいは4LDKの持ち家一戸建て。今は専業主婦。

◎Money Data◎
月収(手取り) 31万円
ボーナス(年間・手取り) 104万円
年収(手取り)476万円
月貯蓄額 0円
総貯蓄額 不明

子ども3人で毎月貯蓄ゼロ。こんなわが家でも、家計は整いますか?

「貯蓄がなくて、子どもの塾代に四苦八苦。このままではマズイとわかってはいるんですが……」。

貯蓄ができないことに悩むKさん。収入が少ないわけではないのに、毎月の貯蓄は0円、ボーナスも生活費の補てんで消えてしまうそう。「二女が勉強好きで私立中学への進学を希望。塾代はなんとか払ってきましたが、夏期講習代の15万円をすぐ出せなくてヒヤリ。わが家は一馬力なので、やりくりを頑張らなくちゃいけないのに、ついクレジットカードに頼ってばかり。来年は長女も高校受験を控え、3人目もいるのでもう不安しかなくて……」。

畠中さんがアドバイス Kさん宅はここが問題です!

Kさん宅の家計状況を畠中先生がガチ診断したところ、かなり問題が多いことが判明!「このままでは、遅かれ早かれ教育費で家計がショート。すでに危険な領域に入っているので、早急に見直しが必要す!」。

1 月収から「貯蓄」が1%も確保できていない

最大の問題は、毎月の貯蓄がゼロなこと。「Kさん宅は児童手当で学資保険を払ってますが、長女分の児童手当は中学を卒業すると終わります。その後、保険料を払えないと解約に。3人目の進学も控えるなか、心配ですね」。

学資保険は児童手当からなんとか。

2 食費、日用品費……何にいくら(何%)使っているか、わからないままお金が消えている

固定費以外の出費はすべてあやふや。子どもにねだられると断れずに買ってしまう点も、先生は問題視。「予算を守る意識がないと、いつまでも使いすぎに気づけません。今、子どもにいい顔をするよりも、将来の教育費をきちんと払えることのほうが大切ですよ」。

そんなにぜいたくはしていないのに~。

毎日、カードで買い物しちゃう~。

3 小学生の二女の塾代が高く子ども費を3%オーバー!

Kさん宅の子ども費は月収の18%。黄金比率は15%なのでややオーバー。「来年、二女が私立中学に進学すればその学費や、長女の高校受験代も加わるので大変です。今、使途不明金を出している場合ではありません」。

夏期講習代15万円はボーナスを待ってもらってなんとか支払い。

長女のダンス教室も月5000円。

4 保険料(1%)が低すぎて、夫に何かあったら即ピンチに!

夫の死亡保障は終身保険の200万円と学資保険のみ。「200万円は葬儀代で消える額です。遺族年金が振り込まれるのは数カ月も先。貯蓄も保険も手薄だと、住宅ローンは免除されても、すぐ生活費に困ることに」。

このままだと……

子ども3人の教育費が厳しく、夫婦の老後資金もゼロ。家を手放す事態にもなりかねません!

夫は第3子が大学卒業の年に定年で、住宅ローンも75歳まであります。「このまま貯蓄がなく、万が一、病気で収入が減ったりすると家計がアウトに。本来なら老後資金も貯めていきたい年齢なので、今すぐ、全力で見直す必要があります」。

貯まる家計にチェンジ!

【見直しポイント1 先取りで貯蓄を確保】

【5%アップ】0円→1万5500円

お金は使っちゃう前に必ず「先取り」で貯める

まずは数千円でいいので、貯蓄を確保。出費の甘さを見直すためにも、先に貯め、残ったお金で暮らす努力が必要です。「先に貯めると苦しくなると思ってたけど、少額ならできそうです!」(Kさん・以下同)

貯蓄専用口座を作ってモチベーションを上げる

日本の通帳の模倣
takasuu/gettyimages

先取り貯蓄する口座は、引き落としの口座と必ず分けて。入金のみで、貯蓄専用にしましょう。少しずつでも確実に増えていく残高を見れば、やる気を高められ、家計の見直しに積極的に取り組めます。

「自動入金」システムで勝手に貯まる流れをつくる

一部のネット銀行では、毎月定額を他行の口座から自動で入金できるサービスが。これを使えば、先取り貯蓄を自動化できるのでオススメです。「勝手に貯めてくれるから、ズボラな私にはなにより安心!」。

【見直しポイント2 やりくり費をちゃんと把握する】

【12%ダウン】19万2000円→15万5000円

3カ月でいいから家計簿をつけて出費の平均額を出してみる

"ずっと"とは言わないので、家計簿を3カ月だけ頑張って。何にいくら使っているか、現状を知ることが家計調整のスタートラインです。「実際に書いてみたら、"固定費だけでこんなに!?"とビックリ……」。

クレジットカードはよく使う物だけに絞る

クレジットカード7枚は多すぎ!ポイントや特典に惑わされて、ムダな出費が増えるので、3枚以下に絞りましょう。使うお店や買い方のルーティンを決めると、出費も自然と安定してきますよ。

月1%ずつでいいから、減らしてみる

Kさん宅の場合、月収の1%は3100円。"安いから"と買っていた物を見直せば、すぐ減らせる額です。節約は頑張りすぎても続きません。2年くらいかけて調整し、リバウンドしない家計をめざして。

家にある物の「棚卸し」をして買いすぎを予防する

買い物前に、必ず在庫の確認を。在庫はひとつと決めればムダに買い過ぎずにすみます。在庫リストを作るのも効果的です。「さっそく日用品を棚卸ししたら、何年も前の物が……。家計のムダを痛感!」。

何がいくつあるか書き出してみて!

【見直しポイント3 教育費で出ていくお金を知る】

子どもたちにかかる教育費を10年分、表にして書いてみる

学資保険で用意できる200万円は、私立大学の初年度分。Kさんはおそらく奨学金を借りることになりますが、大学受験や高校受験もお金がかかります。今後10年、3人それぞれに必要な教育費を年表にまとめ、現実的な負担を見通して。教育費は情報戦。受験も一般か推薦かで大きく費用が変わるので、奨学金を含め、今から広く情報収集を。

Kさん宅に今後10年でかかる教育費

※各学年の教育費は平成30年度文部科学省「子供の学習費調査」より「学校教育費」および「学校給食費」を合算し、概算を算出(塾・習い事代は含まず)。私立高校の学費は上記調査の金額(約70万円)より、高等学校等就学支援金(約40万円)を差し引いて算出。受験費用については高校受験30万円で算出。大学受験は公立高校80万円(一般受験費用)、私立高校50万円(推薦受験)として算出。

ママが短時間でもいいから働いて、ちゃんと妻小遣いをもうけることで家計の乱れが整うかも

Kさんが月4万~5万円でも稼ぐと家計は大きく改善します。まずは午前中だけなどランチをはさまない働き方で、少しずつ始めてみて。いずれにしても妻小遣いを設定し、欲しい物はそのなかでやりくりを。

【見直しポイント4 保険を手厚くする】

【3%にアップ】2000円→8500円

夫の身に何かあっても当面の生活を守れる保険で備える

Kさん宅は家計のリスクに対して保険料が少なすぎます。夫の死亡保障は、毎月15万くらいの保険金が出る「収入保障保険」を追加して、生活費を守って。がん保険は負担が大きい抗がん剤と先進医療の保険に加入しておくと安心。

妻も死亡保障と医療保障があると安心

専業主婦の妻が亡くなったり、病気になったりした場合も、費用が必要です。月額2000円程度の掛け金で入れる共済商品で死亡保障と医療保障を確保しましょう。

「わが家は今、大ピンチだと痛感!気持ちを入れ替えて家族のために頑張ります!」

「何も考えず15年過ごしていたと猛省……。さっそくカードを減らし、気分転換のウィンドウショッピングはやめました。仕事も探します。簡単にはいかないでしょうが、今始めなきゃダメですね!」。

参照:『サンキュ!』2022年1月号「貯まる家計の黄金比率がわかるBOOK」より。掲載している情報は2021年11月現在のものです。監修/畠中雅子 撮影/大森忠明 構成/竹下美穂子 編集/サンキュ!編集部

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