疲れやすい、頭痛、眠りが浅い……「食薬」で整えてみませんか?
2024/09/04
頭痛や肩こり、疲れやすいなど体がすっきりしない、ツラ~イ不調には「食薬」で整えるのがおすすめ。体調を整えることに役立つ食材を一挙にご紹介。自律神経の乱れや病気の予防にも役立ちます。
ツラ~イ不調に効く「食薬」早見表
食薬とは文字どおり、“薬になる食べ物”のこと。「漢方の考え方を用いて、症状に合った栄養素を使い分けた、体調を整えることに役立つ食材です。特別な物ではなく、スーパーで買える物でいいんです。『この不調にはこれがいい』ということを知っているだけで、自律神経の乱れや病気の予防に役立ちます」(大久保さん)。
疲れやすい
こんな症状
・階段をちょっと上るだけで息切れする
・何事も気力が続かず、すぐに諦めがち
【 オクラ 】
体の熱を取り、弱った胃腸をいたわるとされ、体力の回復をサポート。手軽な冷凍品を使っても◎。
【 納豆 】
夏の疲れの原因の一つが、腸の冷えや腸内環境の乱れ。納豆菌で腸内環境を整え、免疫細胞を活性化。
【 長いも 】
ねばねば成分が体に潤いをもたらし、疲れをケア。有効成分を損なわないように生食するのがポイント。
ねばねばスペシャル
小口切りにしたオクラ、びん底でたたいた長いも、納豆、削り節、すりごま、しょうゆ各適量をよく混ぜる。
肩こり
こんな症状
・肩の張りや痛み、しびれなどがある
・首や背中がこる
【 玉ねぎ 】
香り成分アリシンが血行をよくし、肩こりや首こりを緩和するとされる。ビタミンB1の吸収もサポート。
【 アボカド 】
肝臓の解毒を助けるグルタチオンを含み、解毒の循環をサポート。「気」の巡りが改善し、肩こりがラクに。
【 カレー粉 】
ターメリックなど、漢方でも使われるさまざまな生薬入り。冷えなどを軽減し、肩のだる重対策に。
玉ねぎとアボカドのカレーマリネ
一口大のアボカド1個分、薄切りの玉ねぎ適量、カレー粉小さじ1、塩、こしょう、オリーブ油、レモンの絞り汁各少々を混ぜて10分おく。
頭痛
こんな症状
・こめかみのズキズキとした痛みや、頭全体がギューッとしめつけられるような痛み
【 くるみ 】
血液の巡りをよくするオメガ3脂肪酸を含み、頭痛や脳の炎症を抑えるといわれる。トッピングやおやつに。
【 アーモンド 】
頭痛の改善によいとされる、ビタミンB2やマグネシウムを豊富に含有。1日に25粒くらいが目安の量。
【 黒こしょう 】
辛み成分のピぺリンが血行を改善し、頭痛などの痛みを緩和するといわれる。ペッパーミルで挽いてもOK。
スパイシーナッツ
ポリ袋にくるみ、アーモンド、干しえび、黒こしょう、塩、オリーブ油各適量を入れて軽くふり、全体に味をなじませる。
眠りが浅い
こんな症状
・寝つきが悪い
・夜中に目が覚める
・熟睡した気がしない
【 バジル 】
爽やかな香りにリラックス作用があり、自律神経を整えて安眠へ導くといわれる。乾燥バジルを使っても。
【 卵 】
睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの合成に関わるアミノ酸が豊富。夜の安眠には、朝食べるのが効率的。
【 ほたて 】
睡眠の質を高めるグリシン、脳の疲労を緩和するプラズマローゲンが豊富とされる。缶詰や冷凍品もOK。
ほたてとバジルのオムレツ
溶き卵2個分に、ベビーほたて、ちぎったバジル、塩、こしょう各適量を入れて混ぜ、熱したオリーブ油で焼く。
冷え
こんな症状
・夏でも手足が冷えている
・顔はほてっているのに腰から下だけ冷えている
【 ツナ缶 】
豊富なたんぱく質や鉄が筋肉作りに役立ち、熱を生み出して冷えを改善。ノンオイルタイプがおすすめ。
【 にら 】
強い香り成分アリシンが血行を改善し、冷えをケア。豚肉と合わせて食べると、疲労回復効果も。
【 豆板醤(トウバンジャン) 】
唐辛子のカプサイシンが体を温めて発汗を促し、体内の余分な水分を排出。スープや炒め物に使おう!
にらとツナの麻婆スープ
フライパンにツナ缶1個を汁ごと入れ、ざく切りのにらと豆腐、水を好みの量加えてさっと煮たら、みそと豆板醬で調味する。
食欲不振
こんな症状
・何も食べたくない
・食べたくてもたくさん食べられない
【 塩昆布 】
食物繊維が胃や腸の働きを整え、整腸作用を発揮。うまみが強く、食欲を増進する効果もあり。
【 豆腐 】
体の余分な熱を取り、消化にやさしい。体に潤いを与え、食欲を高めるといわれ、たんぱく質の補給にも。
【 梅干し 】
酸っぱい成分のクエン酸が胃の働きを助け、食欲を促進。包丁でたたいて調味料代わりに使っても。
梅干しと塩昆布の豆腐スープ
水に、包丁でたたいた梅干し、塩昆布、一口大に切った豆腐、しょうゆ各適量を入れてさっと煮る。溶き卵を入れてもOK。
1週間食べ続け!サンキュ!アンバサダーが食薬にチャレンジ
※すべて個人の感想です。
「疲れやすい」に効く食薬を7日間お試し
丸山希さん(広島県 33歳)
疲れがたまる週末は、夕方いったん横にならないと食事の準備がしんどいことが多い。
1日目
初日はオクラを焼いておひたしに。1人で1ネット分完食!
3日目
長いも、納豆、キムチを混ぜたのっけ飯。在宅勤務中のランチに。
7日目
最終日はねばねばスペシャルにトライ。午後も体が軽い!
感想
4日目過ぎから体がラクに。即改善はしないけど、じわじわ効いてくる感じがしました~。
「眠りが浅い」に効く食薬を7日間お試し
みさむーさん(福岡県 36歳)
寒暖の差が激しい季節は自律神経が乱れ、夜中に目覚めて明け方まで眠れないなんてことも。漢方薬を服用していたこともある。
1日目
1日目は、トマトに乾燥バジルをたっぷりと。ふるだけなのでラク~。
3日目
ほたてとバジルのオムレツ。睡眠の質がよくなってきた気がする。
7日目
乾燥バジルは、揚げ物や和食とも相性◎。最終日はフライにかけてみた。
感想
夜中に目覚めることがなくなり、昼間の集中力がアップして仕事がはかどりました。これからも意識的に効く食材を取り入れたい!
※食事は主食、主菜、副菜を基本に、栄養をバランスよく取りましょう。
※疾病は食事や食材だけで治癒するものではありません。不調が続いたり、健康に不安がある場合は、かかりつけ医や医療機関に相談しましょう。
<監修>
大久保愛さん
薬剤師、国際中医師、国際中医美容師。漢方カウンセラーとして年間2000人以上の相談に乗った経験を持つ。『1週間に1つずつ 体がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書は多数。
参照:『サンキュ!』2023年9月号「夏の自律神経は食べて整える!」より。掲載している情報は2023年7月現在のものです。監修・レシピ考案/大久保愛 構成・文/渡辺ゆき 編集/サンキュ!編集部