40代女性が効果的に痩せるには何から始めるべき?

2024/09/22

当記事の執筆は、管理栄養士 白石香代子が担当しました。

「若い時はすぐに痩せられたのになぁ」
「昔と生活スタイルは変わってないのに、なぜか最近体重が増えてきたわ」

40代になると昔と同じようなダイエット方法では、痩せられないことも多いのではないでしょうか?

今回は、40代でのダイエットを効果的に行う方法についてお伝えいたします。痩せにくくなる理由やダイエット中におすすめの食事メニューも載せていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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40代のダイエットで痩せにくいのはなぜ?

年齢を重ねると痩せにくくなる要因の一つが、基礎代謝量(※)の低下です。

(※)体温調整や呼吸、心臓を動かすといった生きるため最低限必要なエネルギーのこと

一般的に、年齢を重ねると基礎代謝量は低下します。その主な理由としてあげられるのが筋肉量の低下です。さらに、身体活動量が低下するなどさまざまな要因が組み合わさって、1日のエネルギー消費量が低下するのです。

40代になると痩せにくくなったと感じるのは、若い頃と比べて基礎代謝量が下がりエネルギー消費量が減るから、といえるでしょう。


●基礎代謝量の変化
参考までに日本人の年代別基礎代謝量基準値によると、体重50kgの女性であれば、20代で1105kcal、40代で1095kcalと1日10kcalの差です。

体重70kgの男性の場合、20代で1659kcal、40代で1575kcalと1日で84kcalの差となります。


●エネルギー消費量はどうなるのか
エネルギー消費量は、基礎代謝量に身体活動係数をかけたものです。

<身体レベル 低い>
身体活動係数:1.5
日常生活のようす:生活の大部分が座位

<身体レベル ふつう>
身体活動係数:1.75
日常生活のようす:座位中心であるものの、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツをする

<身体レベル たかい>
身体活動係数:2.0
日常生活のようす:移動や立位の多い仕事、または活発な運動習慣がある

つまり身体活動レベルがふつうの方であれば、体重50kgの女性の1日のエネルギー消費量は20代で1934kcal、40代で1916kcalと18kcalの差になります。

体重70kgの男性の場合、20代で2903kcal、40代で2730kcalと1日で173kcalの差です。


●ダイエット成功への道
ダイエットを成功させるには、基礎代謝量を上げるのがよいといえます。

一般的に体重1kgを減らすには、約7000kcalエネルギーを消費する必要があるといわれています。もしも1ヶ月で1kg減らそうと思うと、1日約250kcal消費量を増やす必要があります。

そのため、生きるために自然と消費するエネルギーである基礎代謝量が減った状態でダイエットしようとすると、以前よりも身体活動量や摂取エネルギーを増やす必要が出てくるのです。

なおエネルギー消費量はおおよそ、

・基礎代謝量 60%
・身体活動代謝量(※1) 30%
・食事誘発性熱産生(※2) 10%

で構成されます。つまりエネルギー消費量を増やすには、基礎代謝量を上げることが大切なのです。

(※1)運動や日常生活で消費するエネルギーのこと
(※2)食事の消化によって消費するエネルギーのこと

本当に効果のある40代からのダイエット方法

40代からのダイエットを効果的に成功させるポイントは、

・今のエネルギー消費量に合った食事量にする
・基礎代謝量を上げる

の2つです。

20代と40代ではエネルギー消費量が異なるため、適量を意識して食事を摂る必要があります。

さらに限られたエネルギーの中で、バランスよく食べることも大切です。できるだけ1日3食、主食・主菜・副菜と乳製品・果物を適度に組み合わせるとバランスのよい食事になるでしょう。

・主食:ご飯・パン・麺類など
・主菜:肉・魚・卵を使ったおかず
・副菜:野菜を使ったおかずや汁物
・乳製品
・果物

<間食の摂り方も大切>
若い頃と同じように、好きなものを好きなタイミングで食べる生活を続けていると、気付かぬうちに体重が増えた…なんてことになりがちです。

基礎代謝量が落ちていることを理解して、今の体にあった食べ方に変えていく必要があります。

そうは言っても、食事量を減らしてしまうと体に必要な栄養素も不足してしまう可能性も。そこで見直すべきポイントは間食です。

一般的に間食は1日に200kcal以内といわれていますが、ダイエット中は100kcal以内などできるだけ少なめにするとよいです。

とくにおすすめの間食は、

・プロテインバー
・ヨーグルトなどの乳製品
・ナッツ類
・果物

などです。

プロテインバーや乳製品などのたんぱく質の多い食品は、基礎代謝量を増やす筋肉を作る材料となります。

またカロリーが高いので量に気を付ける必要はありますが、アーモンドやくるみなどのナッツはたんぱく質が含まれる上に低糖質なので、活用するとよいでしょう。

果物はお菓子と比べてカロリー・糖質が少なく、ビタミン・ミネラル・食物繊維といった体の調子を整える栄養素が豊富です。

おすすめの間食を上手に取り入れられるとよいですね。

●筋肉を付けて基礎代謝量をアップ
くり返しになりますが、年齢を重ねると痩せにくくなる要因は基礎代謝が低下しているためです。

そして基礎代謝は筋肉量の影響を受け、筋肉量が多いほど基礎代謝も高くなります。つまり、痩せやすく太りにくい体にするためには、筋肉量を付け低下させないことが不可欠なのです。

運動なしだと痩せないのか
運動をしなくても、エネルギー摂取量を減らせば体重を落とすことはできます。しかし食事を減らして体重を落とすと、私たちの体は筋肉を分解してエネルギーを作り出しまうのです。

その結果、筋肉が落ちて基礎代謝量の低い体になります。エネルギー消費量は、基礎代謝量の影響を大きく受けます。つまり、運動なしで痩せると今までと同じ生活を送っていても太りやすい体になる可能性があるのです。

お金をかけずに基礎代謝量を増やす方法

お金をかけずに基礎代謝量を増やしダイエットを成功させるには、自宅で運動をして筋肉を付ける方法がよいでしょう。

筋肉を付ける最適な方法は、週2~3回の筋力トレーニングを行うことです。怪我を防ぎつつ、筋繊維を太くするためにはこのぐらいの頻度がちょうどよいといわれています。

筋トレは自宅でも行えるので、ぜひ取り組んでみてくださいね。

●運動が苦手な場合のお勧めの方法はある?
運動が苦手な方におすすめなのは、自宅で取り組むヨガやストレッチです。

運動習慣のない方のはじめの一歩は、自分が無理なく続けられるもので大丈夫。ヨガやストレッチは血行を良くしてくれるので、代謝アップ効果も期待できます。

さらにヨガはリラックス効果もあるので、質の良い睡眠につながります。良質な睡眠はダイエットにおいても大切なので、ぜひ取り入れたいですね。

毎日体を動かすことに慣れてきたら、筋トレやウォーキングを始めてみるなど、少しずつ負荷を上げていきましょう。

●生活習慣も整えよう
ダイエットというと食事や運動に注目しがちですが、意外と重要なのが生活習慣です。とくに睡眠と肥満には密接な関係があることが知られています。

睡眠中には成長ホルモン(※)が分泌され、全身の細胞の新陳代謝を活性化させます。

(※)成長に必要なホルモンで子供の頃には背を伸ばす作用が、成人には筋肉や骨を強化する作用がある

つまり、成長ホルモンが十分に分泌されないと「新陳代謝がうまく行われない」=「基礎代謝が低下する」となるので、その分太りやすい体になってしまうのです。

健やかな睡眠のために、枕や布団など睡眠を取り巻く環境を見直すのも一つの手でしょう。

また、不規則な生活やストレスによって自律神経が乱れることでも基礎代謝は低下します。「ダイエット=正しい生活習慣を身につけて代謝を上げる」という意識で取り組むことが、とても大切です。

40代ダイエットに最適な食事メニューを紹介

毎日忙しく過ごしているとおにぎりやパン、麺などの簡単に食べられる単品メニューが多くなってしまいがちです。しかしこれらの食品は糖質中心なため、あまりオススメできません。

ダイエットをする時に大切なのは、不足しがちな野菜と、肉や魚介などを必ず組み合わせることです。

メニュー例
・チキンチーズピラフとスープ

スープは野菜たっぷりのものを用意するのが理想ですが、市販でもOKです。市販のものであればわかめスープや野菜スープを選ぶとミネラルやビタミンを補えるため、ダイエット中の体のコンディションを整えるのに役立ちます。


●お勧めレシピを大公開
ここでは手軽に食べられるけど具沢山な、ダイエットにぴったりメニューをレシピを交えて紹介します。

レシピではご飯の量を1人あたり100g(約170kcal)と少なくしているので、全体のカロリーも抑えられますよ。

【チキンチーズピラフ】
<材料~2人分~>
・鶏もも肉  1枚
・塩・こしょう  少量
・アスパラガス 3本
・パプリカ  1/2個
・ご飯  200g
・オリーブ油  大さじ1/2
・粉チーズ  大さじ2
・塩     小さじ1/2
・こしょう   少量

<作り方>
①鶏肉は2cm角に切り、塩・こしょうをふる
②アスパラは1cmの小口切り、パプリカは1cm角に切る
③フライパンにオリーブ油を熱し、鶏肉を色が変わるまで炒める。切った野菜を加えて、さっと炒め合わせる
④ご飯を加えてほぐしながらさらに炒め、パラっとしたら粉チーズと塩、こしょうを加えて味を整える

即効性のあるダイエット方法はあるの?

即効性があって、継続可能なダイエット方法はないといえます。

摂取カロリーを大幅に制限したダイエットなどであれば、たしかにすぐに効果が得られやすいかもしれません。病気の治療や手術のために、医師の指示のもと短期間で大幅な減量を行うこともあるでしょう。

しかし健康なダイエットの基本は、適切なカロリー摂取と基礎代謝を上げることです。

せっかく減量に成功しても、すぐにリバウンドしてしまっては辛いものです。継続可能な方法でダイエットに取り組むことが大切ですよ。


●サプリメントや漢方薬はどうか
サプリメントや漢方薬はあくまでダイエットのサポート役なので、即効性のあるものはないと考えられます。

たしかに漢方薬では冷えを改善(※)してくれるものがあるので代謝を上げる効果が期待できます。

(※)体が冷えると血流の流れが悪くなり、代謝が下がる要因につながる

しかしサプリメントや漢方薬を摂っている間は効果を得られるかもしれませんが、やめてしまうとその効果も消えてしまいます。

また食事や運動、睡眠といった生活習慣は乱れたままなのに「サプリを摂っているから健康だ」という認識にも陥りやすいです。

サプリメントや漢方薬は生活習慣を整えた上で、どうしても不足してしまう栄養素や改善しない症状に合わせて摂取するというのが基本的な考え方です。

魅力的な情報は溢れていますが、安易に飛びつくのは要注意ですよ。

まとめ

40代になると痩せにくくなった、と感じる要因は基礎代謝が低下です。基礎代謝の低下は主に筋肉量の減少によって起こります。

そして本当に効果のある40代からのダイエット方法は、
・今のエネルギー消費量に合った食事
・基礎代謝を上げる
の2つです。

食事では間食の摂り方や、肉や野菜を取り入れたメニューが大切です。

また基礎代謝を上げるには、運動と生活習慣を整えることが効果的です。筋肉量が多いほど基礎代謝が上がり、痩せやすく太りにくい体になります。

それでは当記事を参考に、健康的なダイエットを行っていただければ嬉しいです。


■参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット
文部科学省 食品成分データベース
筋肉は年とともに萎縮する 東京理科大学の准教授、柳田信也 市報のだ4月15日号・5月15日号

■教えてくれたのは・・・

シンクヘルスブログ編集部

糖尿病に強みを持つ健康管理アプリを展開するシンクヘルス社のオウンドメディア。ダイエット、糖尿病の食事、マインドフルネスなど幅広い健康情報について、管理栄養士や臨床心理士、運動指導士などの専門家陣が確かな根拠をもとに執筆している。

 
 

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