パーティーと言えば、主催者が会場の手配から料理やドリンクなどを準備する、というものが一般的なイメージではないでしょうか。
近年では、「ポットラックパーティー」と呼ばれる、それまでとは異なったスタイルの集まりが国内でも注目を浴びるようになってきました。
この記事では、「ポットラックパーティー」についてと、そこに参加する際の事前準備、おすすめレシピなどを紹介しています。少しでも負担を減らして、仲間や友人と集まりたいという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ポットラックパーティーとは?
ポットラックパーティーとは、参加者全員でそれぞれ料理などを持っていく集まりのことを指します。ポットラックは英語の「pot(鍋)」と「luck(運)」を合わせた言葉で、何が集まるかは運次第、あるものを持ち寄るなどという意味があります。
アメリカでなじみのあるポットラックパーティーは、主催者がすべての準備をしなくても済むため、負担が少なく気軽に行えるというメリットがあります。また、参加者が多いほど料理やスイーツなどの品数が多くなり、一度に幅広い料理を楽しむことができるのも人気の理由の一つです。
日本では「持ち寄りパーティー」とも言いかえられ、会場を派手に飾ったりする必要はなく、気軽に飲食やおしゃべりを楽しむ場であることが多くなっていますよ。
ポットラックパーティーに必要な事前準備とは?
何でも持ち寄ってもいいとは言っても、ほかの人と同じ料理になってしまったり、人によっては食べられない食材があったり、食事よりスイーツばかり、ということにもなりかねません。
そのため、ポットラックパーティーを開くためには、いくつかの事前準備が欠かせないのです。
持ち寄りの分担を決めておく
基本的には、1人1品持っていくことがルールとなっているポットラックパーティー。
事前に参加者全員で話し合いを行うか、主催者が揃えたい料理(主食・主菜・副菜など)やデザート(こってり系・あっさり系など)のリストをつくって分担を決めておくと、似たようなものばかりになることを回避できます。
ただし、そういった案内がない場合は、当日までに持っていくものを主催者に相談したり、どういうものがよいかリクエストを聞いておくと安心です。
参加者の好き嫌いやアレルギーを把握しておく
参加者の年齢、性別、国籍などによっては、苦手だったり避けている食品があることも忘れてはいけません。主催者は事前にヒアリングを行い、持ち寄り品選びの参考にしてもらうためにも参加者へ伝えておくのが理想的です。
ちなみに、お子さんが参加する場合は、辛味や苦味のあるものはあまり好まれません。年齢にもよりますが、なじみのある一般的なメニューであれば好まれる傾向にあります。
また、食物アレルギーの有無は必ず確認し、当日誤って口にしないようにわかりやすく分けておくか、該当する食品は持ち込まないようにするなどの配慮が欠かせません。
これらのことを踏まえ、どの参加者でも食べられるものが十分に揃うか、ということも意識しておくようにしましょう。
ポットラックパーティー|手土産選びのポイント
ポットラックパーティーでは、料理、デザート、飲み物などを持参することが多くなっています。もし、ポットラックパーティーに参加することになった場合は、次のようなことを参考にして手土産を選んでみましょう。
ポイント1:持ち運びやすいもの
ポットラックパーティーへ参加するためには、購入するにしても調理するにしても、会場まで料理などを運ぶ必要があります。
運ぶ途中で崩れたりこぼれたりしないような容器や盛り付け方を工夫することで、できるだけ見た目のよい状態で提供できるようにしましょう。
できれば、会場での手間を省けるように、到着したらすぐに提供できる状態が望ましいです。主催者の負担を減らしたり会の進行を止めたりしないためにも、出来上がった状態の料理を持っていくことをおすすめします。
ポイント2:温めなおす必要がないもの
ポットラックパーティーにの会場によっては、電子レンジやキッチンが使えないこともあります。そのため、加熱しないと食べられないものは避けるようにしましょう。
また、長い時間料理が置かれたまま、冷めてしまうことも多くあります。とくに脂肪分が多い肉料理などの場合、低温になると油脂が固まり、おいしさや見た目が損なわれてしまう可能性が考えられます。
持ち寄り品を選ぶ際は、冷めてもおいしく食べられるものをおすすめします。
ポイント3:傷みにくい工夫をする
ポットラックパーティーの手土産品は、購入するのであれば会場へ向かう直前に購入したり、保冷剤を付けてもらったりすることで、食べ物が傷みにくくなるように工夫しましょう。
もし手作りする場合には、食中毒の原因となる細菌が増えにくいよう、つくったら短時間で運ぶか、冷ましてから保冷バッグや保冷剤などを利用して運ぶことをおすすめします。
とくに、湿度や温度が高くなる時期には傷みやすくなるため、衛生面は十分に気を付けてください。
ポイント4:取り分けのしやすさを考える
ポットラックパーティーでは、複数人で同じ料理をシェアします。そのため、提供前に取り分けやすいように切り分ける、あらかじめ小分けの容器に盛り付ける、トングや箸、スプーンなどを添えておくなどの配慮をすると喜ばれます。
なお、フィンガーフードと呼ばれるような、手軽につまめるタイプの料理を用意すれば、そのまま提供することができておすすめです。代表的なものには、サンドイッチ、おにぎり、クラッカーに具をのせたカナッペ、ピックに小さな具を連ねて刺したピンチョスなどがあります。
おすすめ前菜レシピ3選
前菜は、食事のはじめに食べやすい、少しだけでも味わえるものや軽めの味付けをされた料理が多い傾向にあります。また、お酒を飲む人にとって、前菜はおつまみとしての役割も期待されるので、少量をサッと取り分けられる料理を選ぶと食べてもらいやすくなりますよ。
ここでは、片手でも食べやすく食感も楽しめる、おすすめの前菜レシピを集めてみました。
ブロッコリーのツナマヨディップ&クラッカー
あまり時間がない時でもサッとつくれるレシピです。クラッカーに好きな分だけのせて取り分けしやすいので、ポットラックパーティーにもぴったり。
旬の時期は生のブロッコリー、それ以外は冷凍のブロッコリーでつくることもできるので、食材が準備しやすいのもおすすめのポイントになっていますよ。
材料のマッシュルームは省いてもつくれますが、加えると香りが加わって食欲アップと、かさが増えてボリュームアップに役立ちます。新鮮なものは生のまま食べられるので、細かく刻んでディップソースに加えてくださいね。
カロリー:-kcal(つくりやすい分量)
調理時間:10分
揚げない、巻かない!春巻き
具材をきっちりと巻いてあげる必要がある春巻きですが、手軽につくれるレシピもあります。このレシピでは、春巻きの皮に具材を並べ、皮を2枚重ねてふちの部分を水溶き小麦粉で閉じたものをフライパンで焼いてつくります。
具材に細かく切った餅が入っているので、加熱によって溶けてほかの具材をまとめてくれる役割がありますよ。そのため、焼いた後に切ってもバラバラになりません。取り分けたり食べる際も、具材がこぼれにくくなっていますよ。
具材には、餅のほかにチャーシュー、ねぎ、オイスターソースなどが使われ、食欲がそそれらます。具材はお好みでアレンジしても◎
カロリー:-kcal(2人分)
調理時間:20分
洋風ミソディップ
カラフルな野菜を持ちやすいスティック状に切り、手作りのディップソースを添えただけでも立派な一品になります。白味噌としょうゆに粉チーズを合わせることで、あっさりと食べられるのに洋風な味わいがあって食べる手が止まらなくなること間違いなし!
白味噌は、米味噌の発酵期間が短い種類で、甘みが強く塩分が少なくて優しいコクを持つという特徴があります。やむを得ず白味噌以外の種類を使う場合は、味噌の量を減らした上でみりんや砂糖などを少し加えたり、牛乳や豆乳でコクを足すのがおすすめです。
大人向けには一味唐辛子を加えて、香りと味のアクセントを添えるのも◎
カロリー:-kcal(2人分)
調理時間:15分
おすすめメインレシピ3選
ポットラックパーティーでは、持ち寄った料理などを話題にして、場が盛り上がったり交流が深まったりすることがあります。とくに、食べごたえのあるメイン料理を楽しみにしている人も多いので、味だけでなく見た目にも満足感を与えるものを選ぶといいでしょう。
ここでは、多くの人に好まれるメニューでありながら、簡単につくれるポットラックパーティー向けのおすすめメインレシピを集めてみました。
トマトとホウレン草のスパニッシュオムレツ
スパニッシュオムレツは、スペイン風オムレツとも呼ばれます。たくさんの具材を溶いた卵と一緒に焼きかため、切り分けて食べられるボリュームのある料理になっています。
一般的には、じゃがいもが使われることが多いですが、このレシピではそれを使わずにほうれん草、ミニトマト、チーズを加えています。こうすることで色どりがよくなり、野菜からの栄養もたっぷりと含まれるのでバランスのよい食事として喜ばれること間違いなし!
冷めてもおいしく、切り分けやすいので、ポットラックパーティーのメイン料理におすすめとなっていますよ。
カロリー:-kcal(4~5人分)
調理時間:20分
意外と簡単! コロンと丸めてレンジでミートローフ♪
一般的にはオーブンでじっくりと時間をかけて焼き上げるミートローフですが、電子レンジで手軽につくることもできます。その際は、つまようじなどを中心部まで刺して、透明な汁が出るまでよく加熱することがポイントです。
具材となるほうれん草にしょうゆで下味を付けておくことで、ソースなどがなくても全体に味が感じられるようになります。また、うずらの卵が中心に来るようにつくることで、切り分けたときに華やかな仕上がりに◎
出来上がってから一度冷やすと、形が崩れにくくきれいに切れるので、ポットラックパーティーに持参する際は時間に余裕を持ってつくってくださいね。
カロリー:-kcal(4人分)
調理時間:30分
揚げずに本格派!プリプリエビマヨ
えびのプリっとした食感とマヨネーズのコクのあるソースがおいしくて人気のエビマヨですが、揚げずに焼くことで手づくりのハードルがぐっと下がりますよ。
油っこさを抑えて食べられるよう、ソースにレモン汁を効かせるのがこのレシピのポイントです。ソースに使うコンデンスミルク(練乳)がない場合は、砂糖を加えたヨーグルトで代用ができるかもしれません。その際は、ヨーグルトの酸味で十分なので、レモン汁を省くとバランスがよくなりますよ。
調味料を置き換える場合は、元の分量の半分くらいから加え、混ぜながら味見をして追加していくことをおすすめします。
カロリー:367kcal(2人分)
調理時間:15分
おすすめご飯・パンレシピ5選
ポットラックパーティーでは、主食メニューに重きを置くこともあります。なぜならば、ボリュームがあってお腹を満たしやすくしてくれ、参加者の満足感を高めてくれるからです。
簡単なものでも構いませんが、せっかく持っていくならばパーティーらしく見映えがして、場が盛り上がるようなものはいかがでしょうか?そういったレシピの中から、できるだだけ使う材料やつくり方の難易度が低そうなものを集めてみました。
菜の花ポテトサラダのスタッフドバゲット
スタッフドバゲットとは、バゲット(フランスパン)の中をくり抜き、ポテトサラダを詰めてつくる料理です。ポテトサラダは市販品でもいいですが、マヨネーズ、ヨーグルト、粒マスタードなどで簡単に味付けできるので、余裕があればぜひ手づくりで!
このレシピでは、菜の花、にんじん、ベーコンをポテトサラダの具材に使用していますが、色を追加したり、お好みの食材を組み合わたりしてアレンジも楽しめます。
持ち運ぶ際に崩れることもなく、一人分ずつ取り分けやすいので、ポットラックパーティーにはもってこいの一品となっていますよ。バゲットのくり抜いた部分は、フレンチトーストにするなどして余さずに食べてくださいね。
:336kcal(2人分)
調理時間:20分
シラスと青ネギのブルスケッタ
しらす、青ねぎ、トマトをオリーブオイルやにんにくなどと炒め、焼いたパン(バゲット)にのせて食べるブルスケッタです。一般的なブルスケッタは、焼いたパンににんにくをこすり付けて香りづけし、具材をのせます。しかし、このレシピでは具材ににんにくを混ぜ込むことで、つくりやすく工夫されています。
取り分ける際に、お好みの量をのせてもらうスタイルで提供すれば、具材でパンが湿らないのでパンのカリっとした食感を損なわずにおいしく食べてもらえますよ。
なお、にんにくや唐辛子が多めのレシピになっているので、お子さんが参加しているとか、においが気になりそうな場合には分量を減らすようにしてみてください。
カロリー:351kcal(2人分)
調理時間:3分
いなり寿司(おいなりさん)
油揚げ、ごはん、調味料だけでつくるシンプルないなり寿司です。
油揚げの種類によっては、袋状に広げにくいものもあります。そういった表記がある商品を避けたり、酢飯を詰める際に破けにくいよう、厚みがある油揚げを選んでみましょう。
なお、油揚げを煮るのに弱火で20分ほどかかるため、つくる時間を短縮したいのであれば、市販の味付きのいなり寿司用の油揚げを購入するのも一案です。そこへ酢飯を詰めるだけでもいいですが、パーティー向きに手を加えたい場合には、盛り付けや具材などを工夫してみてはいかがでしょうか。
酢飯が見えるように閉じる側を上にし、加熱した卵や青菜を飾ったり、酢飯ににんじん、きのこ、ひじきなどを混ぜてアレンジしたりすることができますよ。
カロリー:-kcal(10個分)
調理時間:-分
ひとくちおにぎり
あまり時間や手間をかけられない時でも、さけフレーク、ふりかけ、つくだ煮、漬物などを使ったおにぎりならつくりやすいのではないでしょうか。取り分けやすく、食べやすい大きさの俵型にそろえてにぎり、色どりを添えれるだけでもパーティー向けの見た目になりますよ。
このレシピの写真を参考にして、おにぎりにはのりばかりではなく大葉を巻くとおしゃれに仕上がります。このほか、とろろ昆布を巻き付けたり、ごまをまぶしたりするのもおすすめです。おにぎりそのままよりも、食器などにくっつきにくいことと、つまんでも手がベタベタしにくくなるというメリットがありますよ。
カロリー:-kcal(5分)
調理時間:5分
子供にも人気!サバ缶の韓国のり巻き キンパ
ごま油の香りが食欲をそそる、サバ缶を使ったお手軽な韓国風のり巻き(キンパ)です。サバ缶とキムチに塩気が含まれているので、味付けがほとんどいらないというのがおすすめポイントになっていますよ。
辛さが苦手な人がいる場合は、甘めのキムチを選ぶようにしてくださいね。巻きすがない場合、ラップを代用してぎゅっと巻いていきましょう。すきまが出来た状態では、崩れやすくなってしまい、切る際にうまくいかなくなることがあります。きれいに巻くためには、中央部分が少しへこむようにして具材を均一に並べてください。
包丁にごはんがくっつく場合は、包丁を軽く濡らしながら使うのがおすすめです。巻いた直後よりも10分ほど置いておき、のりとごはんがなじんでから切ってみましょう。
カロリー:646kcal(2人分)
調理時間:20分
おすすめデザートレシピ3選
甘みのあるデザートは、お子さんや甘党の人だけでなく、食後の口直しとして多くの人に好まれます。ポットラックパーティーであれば、いつもはつくらない少し凝ったものを持っていくと、会場に華を添えて盛り上げ役に貢献できるのではないでしょうか。
多くの材料や時間を費やしてつくるレシピもありますが、ここでは少ない材料で30分ほどあれば完成する手軽なものを集めてみました。食材の色や飾り方を工夫し、食欲をそそるデザートに仕上げてみてくださいね。
ひとくちロールケーキ
ピンクと赤が映える、クレープを使ったかわいらしいミニサイズのスイーツです。いちごとドライパウダーを混ぜ込んだクリームが、食欲をそそります。
いちごそのものやドライパウダーが手に入りにくければ、ほかの果物、ココアや抹茶パウダーなどに置き換えてもつくれますよ。果物はバナナのように果汁が出にくく、やわらかい食感ものをおすすめします。
暑い時期には、生クリームではなく加熱してつくられるカスタードクリームに変えるなどすると、衛生面で安心です。しっかりと冷やした状態で、会場まで運ぶようにしましょう。
カロリー:408kcal(4人分)
調理時間:30分
黒豆の黒糖蒸しケーキ
黒豆の甘煮、黒糖を使った和風のスイーツレシピです。黒豆は上に飾るだけでなく、内側の生地にも混ぜ込むので、食べたときにいいアクセントになっていますよ。あらかじめカップに小分けしてつくれるので、取り分けの手間がなくておすすめです。
蒸し器がない場合であっても、深めの鍋やフライパンを使って蒸すこともできます。いずれを使うにしても、水滴が蒸しケーキの上に落ちないように、ふたを布巾で巻くようにしてください。また、型がぐらつかないように安定させること、水が蒸発して加熱途中でなくならないように途中で水を足すことも意識するといいですね。
カロリー:102kcal(4~5個分)
調理時間:30分
シリアルマシュマロ
シリアル、チョコレート、マシュマロの3つの材料だけでつくれる簡単なレシピです。もっちりとサクサクとした食感が楽しめ、甘いもの好きにはたまらない一品。色付きのマシュマロやドライフルーツが混ぜったシリアルを選ぶと、見た目がより華やかになりますよ。
つくる際は、マシュマロを加熱して溶かしたら、冷えてかたまる前にすべての材料を手早く加えて混ぜる必要があります。その後、かたまるまで冷やす時間はかかりますが、調理時間そのものはとても短く、工程も簡単です。スイーツづくりが苦手な人でもつくりやすいレシピになっていますので、気軽に挑戦してみてくださいね。
カロリー:-kcal(2~3個分)
調理時間:-分
まとめ
ポットラックパーティーは、みんなで持ち寄った料理やスイーツを楽しめる気軽なイベントです。手土産は購入したものでも構いませんが、簡単でおいしくて見映えよくつくれるレシピがたくさんあるので、気軽に手づくりに挑戦してはいかがでしょうか。
主菜(メイン料理)、前菜、主食、スイーツなど、どういったものがいいか悩んだ際には、ご紹介した内容を参考にしてみてくださいね。