ストレスや肉体的・精神的な疲れによって、なんとなく調子が悪いことは誰にでも起こります。そんな時は、無理をせず休養をとることが大切です。そして、休養と合わせて意識したいのが、体への負担を抑えること。
この記事では、体調不良時でも体に優しいレシピについてご紹介します。

体調不良の時はどんな料理がおすすめ?
体調不良の時は、消化にできるだけ負担をかけずに栄養がとれる料理が理想的です。体の状態によっては、栄養よりも消化の良さを重視した食材選びが重要なこともあります。ただし、いくらか回復してきたら栄養のあるものも積極的に取り入れることで、体の回復を早めることに役立ちますよ。
体調不良時におすすめ料理とその理由について、詳しく解説していきます。
うどん
やわらかく煮たうどんは飲み込みやすく、食べやすい料理となっています。冷えたうどんの場合は、引き締まって歯ごたえが少し強くなるので、体調不良時にはあまりおすすめしません。
だし汁と一緒に煮込むことも多く、うどんの温かい汁で体が温まりやすいという特徴があります。より体を温めたい時には、すりおろしたしょうがや刻んだねぎなどを加えるのがおすすめです。
おかゆ、雑炊
エネルギー源となる米は、いつものようにごはんの状態で食べるよりも、体調不良時には水分を増やしてやわらかくしたおかゆや雑炊で食べるのがおすすめです。体調が回復するにしたがって、おかゆから雑炊に変えていくのがおすすめです。
ちなみに、おかゆは一般的に生の米から時間をかけて炊きますが、雑炊は炊いたごはんに水分を加えて煮込みます。おかゆの方が具材などがシンプルで、調味料をあまり加えずに食べられることもあります。
スープなどの汁物
栄養豊富な野菜をやわらかく煮込んだスープも、体を温めたい時に役立ちます。
スープの場合は、具材の栄養素がいくらか汁に溶け出すので、具材が喉を通らない時には汁だけでも飲むのがおすすめです。和風のすまし汁、みそ汁、洋風のコンソメスープなどがあっさりとしていて、体調不良時にも飲みやすくなっていますよ。
うま味が多く含まれている貝や鶏肉などを具材に使えば、少しでも食欲増進が期待できるでしょう。
胃に優しく消化の良い食材について
体調不良時の食事には、脂肪分、カフェイン、香辛料などはNGです。いずれも胃腸などへ負担をかけ、体調の回復のさまたげになる可能性があります。
体への負担が少なくて消化の良い食材のポイントは、脂質が少ないこと、食物繊維が少ないこと、酸味や辛味が強くないことなどがあります。これらを踏まえた食材の中でも、とくに積極的にとりいれてほしい食材は、つぎの3つです。
卵
卵は、栄養価が高いことと消化がしやすい点で優秀な食材です。ビタミンCと食物繊維を除くすべての必須ミネラルやビタミンを含むことが知られています。
また、卵に含まれているたんぱく質は、体を修復や免疫力の維持などに役立ちます。ビタミンB群は、エネルギーをつくり出すのを助け、疲労回復を促してくれます。
ちなみに、消化吸収のしやすさで比較すると、生や完熟状態よりも半熟で調理したものが一番よいとされていますよ。
豆腐
豆腐は、味が淡白で食感がやわらかいことから、疲れている時や食欲があまりない時でも食べやすいという特徴があります。また、大豆を加工してつくられているため、消化吸収がよく胃腸への負担が少なくなっています。
卵同様にたんぱく質や各種ミネラル・ビタミンを幅広く含んでいるため、栄養補給にも向いている食材です。
冷たいままでも温かくしても、消化吸収の違いはないとされているため、体調や気分に応じた食べ方ができますよ。
大根
大根には、消化を助けてくれる酵素が多く含まれています。酵素をとることで、食事中の糖質・たんぱく質・脂質などの栄養素の分解を促してくれるので、胃腸への負担を抑えることができるでしょう。
酵素は加熱によって働きが下がってしまうため、効果を期待するのであれば生食が理想。なお、生の大根の食べ過ぎは、含まれる成分によって胃腸への刺激となります。煮込むなど加熱しないで食べる場合には、たくさん食べ過ぎないように注意しましょう。
おすすめ「うどん」レシピ3選
うどんと相性のよい食材には、油を使ったものや根菜類などがありますが、体調不良時には消化に負担をかけるそれらをできるだけ避けるのがおすすめです。
数あるうどんのレシピの中から、体調不良時におすすめできる温かいうどんと消化のよい食材を組み合わせたレシピを集めてみました。
モロヘイヤのトロトロうどん
モロヘイヤのねばねばと、とろろ昆布のとろみが組み合わさった、ツルっと食べやすいうどんです。だし汁、しょうゆ、みりんで仕上げるつゆは、ホッと安心する味わいとなっていますよ。
モロヘイヤは、新鮮なものを選ぶことと、細かく刻むほどねばねばしやすくなる特徴があります。また、野菜の王様と称されるほど栄養豊富なので、夏バテ対策などにも積極的にとりいれたい食材です。体調不良時だけでなく、健康維持のためにも日ごろの食卓に活用することをおすすめします。
カロリー:199kcal(2人分)
調理時間:10分
胃腸に優しいふわふわ卵のあんかけうどん♬
卵、豆腐、白菜を具材に使った、とろみがあって食べやすいあんかけうどんです。味付けはめんつゆとみりんだけでOK。それらを水と一緒に鍋で煮立て、うどん、白菜、豆腐の順に煮ていきます。そのあとに、片栗粉で汁にとろみを付けてから溶き卵を加えることで、ふんわりとした仕上がりにすることができます。
体調不良時には、心も体も余裕がなくなりがちなので、こういった優しい食感のものをゆっくりと口にしてリラックスさせていくことも大切ですよ。
カロリー:-kcal(2人分)
調理時間:15分
ほうれん草入りしらすうどん
ほうれん草、にんじん、しらすといった、消化に良くて色どり豊かな具材と一緒に煮込むうどんのレシピです。
しらす、にんじんを細かく刻み、和風だしと一緒に弱火で5~6分煮込んで、別にゆでたほうれん草をのせたら完成します。手順が簡単で、味付けは和風だしのみというシンプルなものなので、気軽につくりやすくなっていますよ。
濃すぎる味付けは胃腸への負担になるため、体をいたわりたい時は薄味も心がけるようにしてみましょう。
カロリー:-kcal(1人分)
調理時間:-分
おすすめ「おかゆ・雑炊」レシピ3選
おかゆは生の米から炊くと、仕上がるまでに30分以上かかってしまいます。そこまで余裕がない時には、雑炊に近いレシピでおかゆをつくることもできますよ。胃腸の調子がそこまで悪くない場合には、リゾットのように牛乳で煮込むおかゆもあります。
食欲をもう少し取り戻したい、という時には香りのある食材を加えて工夫するのもいいですね。ここでは、そんなおかゆや雑炊のレシピを集めてみました。
胃や腸の負担を減らす やさしいお粥
体調がものすごく悪い時は、できるだけ簡単につくれて短時間で仕上がるこちらのレシピがおすすめです。ごはん、水、梅干しがあれば、味付け不要でつくることができますよ。
ごはんについては、冷ご飯、パックご飯など何でも使えます。つくったり食べたりする気力があまりなくても、何か口にしておきたい時にはぜひ活用してみてください。食べる際は、やわらかい米粒も細かくなるまでゆっくりとよく噛むことで、さらに消化の負担を抑えることが期待できますよ。
カロリー:-kcal(1人分)
調理時間:5分
弱った胃腸に優しい卵入りミルク粥
少しでも早くおかゆを食べたい時に役立つのが、こちらのミルク粥のレシピです。通常は鍋でコトコト煮込んでやわらかくするおかゆ料理ですが、電子レンジを使った時短のつくり方もあります。
煮込む水分は牛乳のみを使用し、そこへ塩昆布、卵、溶けるチーズを加えて温めていきます。卵については、電子レンジの加熱の際に破裂すると危ないので、安全のために必ず崩してから加熱するようにしてくださいね。
牛乳にも、体調不良時にとりたいたんぱく質やそのほかの栄養が多く含まれています。牛乳を冷たいまま飲むのではなく、こういった温かい料理で取り入れるのもおすすめですよ。
カロリー:-kcal(1人分)
調理時間:10分
ニラ雑炊
ニラの香りで食欲がそそる、具だくさんの雑炊です。消化に負担をかけにくいだけでなく、脂質が少ないささみや卵が入っているので、たんぱく質もたっぷりととれるのがおすすめのポイントになっていますよ。
しょうがも入っているので、風邪などで体を温めたい時にはとくに役立ちます。お腹の調子が良くない場合は、食物繊維が多いしいたけは分量を減らしたり、使わずにつくるようにしてみてください。そして、卵は半熟くらいに仕上げておくと、より消化吸収の負担軽減に役立ちますよ。
カロリー:182kcal(2人分)
調理時間:15分
おすすめ「スープ」レシピ3選
体調不良時は、発熱や下痢などがあると水分補給がとても大切です。そんな時に、スープは具材の栄養と一緒に水分補給にや役立ちます。
また、よほど食が進まなくて固形物を受け付けない場合であっても、スープの汁だけであれば口にしやすくなるというメリットがありますよ。ここでは、少しでも飲みやすくなるように、ツルツル、トロトロとした食感を生かしたスープのレシピを集めてみました。
豆腐のみぞれ汁
食欲があまりない時でも、ツルっとした喉ごしの豆腐を使えば食べやすくなります。
このレシピでは、大根おろしを加えたあとに沸騰させないことで、胃腸への刺激を和らげる工夫がほどこされていますよ。大根おろしが加わることで飲んだときに満足感が高まり、ホッと体が温まる一品になっています。
もし、下痢などの症状があって消化にできるだけ負担をかけたくない場合は、食物繊維を減らすためにしいたけやみつばを省くことをおすすめします。
カロリー:67kcal(2人分)
調理時間:15分
タラとホウレン草のとろろ汁
脂質が少なくて消化のよいタラ、すりおろした大和芋(とろろ)を使ったあっさりとした一品です。
ひと手間かかりますがタラを別ゆでしておくことで、臭みを抑えたり、汁のにごりを抑えて透明感のある仕上がりにしたりするのに役立ちますよ。
色どりや香りを加えるのに効果的な七味唐辛子ですが、胃腸への負担を抑えたい場合には省くのがおすすめです。胃腸の調子は問題なく、食欲だけが落ちているような時には少量振りかけると、食欲アップに役立つかもしれませんね。
カロリー:221kcal(2人分)
調理時間:15分
ミニトマトと玉ねぎのコンソメスープ♪
野菜の甘味やうま味が味わえるシンプルなコンソメスープです。鍋にコンソメスープの素を溶かし、薄く切った玉ねぎと青ねぎを加えて透明感が出るまで、半分に切ったトマトを加えて塩で味を調えたら完成します。やわらかく煮えた玉ねぎやねぎは、とろみが出てくるので喉ごしよく飲みやすくなりますよ。
ミニトマトは酸味があるものを使うと、加熱で酸味が和らぐだけでなく、食欲増進に役立ちますよ。食事が進まない時でも、こういったスープを取り入れて栄養補給することをおすすめします。
カロリー:-kcal(2人分)
調理時間:10分
まとめ
体調不良時の食事は、体への負担を減らして回復のための栄養を含んだものを選ぶことが大切です。消化に良くてたんぱく質・ミネラル・ビタミンを含むものを選ぶことと同時に、食べやすく食欲をそそるものも意識してあげましょう。そうすることで、少しでも食が進んで、早い回復につながることが期待できますよ。
体調不良時はもちろん、日ごろから体をいたわりたい時にも、この記事でご紹介した内容やレシピをぜひ活用してみてくださいね。