【管理栄養士が解説】「白だし」の代用レシピを検証!おすすめの組み合わせも紹介

2021/11/09

レシピをチェックしていざ料理をつくろうとしたところ、必要な調味料が切れていた……なんてこと、誰しも一度は経験があるでしょう。でもその調味料、もしかしたら代用できるかもしれません!

今回ご紹介するのは「白だし」の代用アイデア。

白だしは、炊き合わせや含め煮などの煮物やすまし汁といった和食料理に使われることが多く、食材の色を生かして仕上げたいときに重宝される調味料です。和食に限らず、中華料理や洋食といった幅広い料理に使うこともできるため、万能調味料と呼ばれることもあります。

管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、白だしの代用アイデアをレシピ付きで紹介してもらいます。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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白だしの原材料は?

白だしとは、昆布やかつお節などからとっただしに、淡口醤油(※)、食塩、砂糖、みりんなどを組み合わせてつくられる淡い色の調味料を指します。主に、食材の色を生かした料理をつくるときに使われ、料理にうま味・塩味・弱い甘味を加える役割があります。

淡口醤油は、近畿地方を中心とした関西方面では一般家庭でもよく使われる醤油の種類ですが、関東方面や沖縄では馴染みのない人もいるかもしれません。

濃口醤油に比べると、原材料となる麹の分量が少なく、発酵・熟成期間が短くなっており、塩分量が1割ほど高くなっているのが特徴です。また、甘酒や水飴などの糖が加えられることで、熟成によって生じる香りや着色を抑える作用があり、濃口醤油よりも香りがまろやかで色が薄くなっています。もともと近畿地方では昆布でとっただしがよく使われ、その繊細な風味を生かすために香りの少ない淡口醤油が好まれるようになったといわれています。

色が淡いことで、煮物や汁物にしたときに食材の色を変えにくくいため、見た目を重視する和食で多用されているのです。


※「薄口」と表記されることもあり、どちらも「うすくち」と読みます。淡口醤油の色は、透き通った薄い褐色をしているため、琥珀色と表現されます。

「白だし」の代わりになる調味料は?

煮物や汁物をつくるときに、鮮やかな色をしている食材がきれいに仕上がることが、白だしを使うときの大きなメリット。

基本的には、昆布だしが含まれただしを使用することに加え、淡口醤油、食塩、砂糖、みりんの割合を考えて組み合わせれば代用することが可能だといえます。ただし、ご家庭によっては濃口醤油しかない場合や、いくつも調味料を計るのが手間だと感じられる場合もあるでしょう。

そこで、本記事では、淡口醤油がない場合であっても、3種類組み合わせるだけで白だしを代用する方法について検証していきます。

以下、筆者の自宅にあった調味料でつくれる代用レシピをご紹介します。

【1】めんつゆ+昆布だし+食塩(50ml:50ml:6g)
【2】めんつゆ+粉末だし+食塩(50ml:1.3g相当:6g)
【3】濃口醤油+顆粒だし+みりん(50g:8g相当:4g)
【4】納豆のタレ+昆布だし+食塩(50g:50ml:6g)

比較対象となる白だし100mlあたりの糖質が11.7g、塩分量が11.5gとなっていました(商品ラベルの栄養成分表示参照)。調味料の比率は、できるだけその数値に近くなるように算出しています。

なお「粉末だし」および「顆粒だし」については以下のとおり水を追加したうえで利用しました。

・粉末だし…かつお節をメインに昆布などいくつかの食材を粉末化してブレンドされたものを使用。1パック8gのものを使用したため、1.3gは1/6袋に相当。水50mlを加えて煮出し、他の調味料と混ぜ合わせています。

・顆粒だし…昆布をメインにかつお節がブレンドされたものを使用。水40mlを追加し、他の調味料と混ぜ合わせています。

つくり比べてみた結果……

画像左中央が「白だし」、上段左から順に【1】【2】、下段左から【3】【4】の混ぜ合わせたものを並べてみました。

見た目では、【3】の色が一番濃く、次いで【2】【3】の順になっています。白だしに一番色が近いのは【4】ということになりました。

味見をしたところ【1】はやさしい塩味、【2】はパンチのある塩味、【3】は【1】に近いがもう少しはっきりとした塩味、【4】は塩味と一緒に甘味も感じられました。

白だしには、砂糖などの甘味が含まれていますが、それだけで口にしたときはあまり甘味を感じないほど薄くなっています。いずれも塩分はほぼ同じに調整しましたが、だしに使った素材に違いがあるため、それによって塩味の感じ方に差が表れたと考えられます。

今回は、食材の味や色を生かした仕上がりになるかを確かめるべく、これらで「だし巻き卵」と「炊き合わせ」をつくることに!

比較結果は、次のとおりです。

「だし巻き卵」をつくる場合

<材料>
・鶏卵… 1個
・白だし… 5ml
・水… 10ml
・油… 適量

<作り方>
鶏卵を割って溶きほぐし、全ての材料を混ぜ合わせる。
油を塗り広げて熱したフライパンに注ぎ入れる。
端から巻いていき、切り分ける。

画像は、つくったうちの一部をそれぞれ取り出して並べています。

断面を見ると、大きく色が異なるものは見られませんでしたが、表面の焼き色の付きやすさに違いがありました。

白だしと同じように焼き色が少なかったものは【1】【3】、それに対して【2】【4】にはやや濃い色の焼き色が付きました。

この原因には、だしの原材料に使われている種類が多いことが考えられます。調理時の焼き色は、糖とタンパク質が加熱によって褐色に着色するメイラード反応です。いずれも、糖質量はほぼ同じに調整していますが、糖質といっても糖やデンプンなどの種類が多くあるため、その成分の差が今回の結果に繋がった可能性があります。

だし巻き卵をつくる場合は、どの代用白だしを使っても卵の色は変わらなそうですが、【2】【4】を使うのであれば、焼き加減に注意が必要といえます。

「炊き合わせ」をつくる場合

<材料>
・大根… 25g
・高野豆腐… 1/6枚
・白だし… 10ml
・水… 50ml
・砂糖… 1.5g

<作り方>
大根は皮を剥いて切り分ける。
高野豆腐はぬるま湯を含ませて、3回絞って水気を抜き、切り分ける。
鍋に白だし、水、砂糖を入れて煮立たせ、大根、高野豆腐を加える。
落し蓋をしてやわらかくなるまで煮る。

※少量調理のため、鍋に浅く湯を沸かし、その中に小さなアルミカップを並べ、それぞれを分けながら一斉に調理しました。

画像は、つくったうちの一部をそれぞれ取り出して並べています。

仕上がりの色は、白だしが食材そのままに近い色なのに対し、同じようなものは【4】のみという結果になりました。【3】が一番濃く、高野豆腐が強く黒ずんでいるのがわかります。それに次いで、【1】、【2】もやや黒ずみが見られます。また、大根については高野豆腐ほどではありませんが、同じ順でわずかに変色が確認できます。

この結果は、白だしそのものと、代用だしを混ぜ合わせたものの色とそれぞれ同じであり、色の薄い食材ほど炊き合わせにした場合に仕上がりに差が表れることがわかります。炊き合わせに使う場合は、【4】の代用がおすすめといえます。

結論

今回の結果から、次のようなことがわかりました。

だし巻き卵をつくる場合は、
【1】めんつゆ+昆布だし+食塩(50:50:6)
【3】濃口醤油+顆粒だし+みりん(50:8:4)

炊き合わせをつくる場合は、
【4】納豆のタレ+昆布だし+食塩(50:50:6)
がおすすめです。

なお、使用するメーカーによっては糖質量や塩分量に差がありますので、食塩以外の分量を参考にしつつ、味見をしながら食塩量を調整することをおすすめします。(この分量が絶対ではありません。)

白だし単体で料理の味を決めることは少ないため、めんつゆや納豆のタレに糖質が多い(=甘味が強い)ことを覚えておくと、料理に使うみりんや砂糖の量を少なくしてバランスを取れば味としては調整しやすくなります。

代用白だしの楽しみ方は?

白だしは、開栓後要冷蔵。代用白だしについても、余った場合は必ず冷蔵保存し、早めに使い切るようにしましょう。

代用白だしは、めんつゆを使用する料理の場合、めんつゆ代わりに使うことができます。ただし、白だしはめんつゆに比べると糖質が少ないので、みりんや砂糖を加えてめんつゆの甘さに近づけることをおすすめします。

ほかには、うま味が多く含まれているので、味噌汁のだし代わりに代用白だしと水を使うことで、わずかに甘味が加わっていつもより深みのある味わいが楽しめます。

ぜひ、紹介した内容を参考に「代用白だし」を活用してみてはいかがでしょうか?

■執筆・・・

管理栄養士・ゆかりさん

管理栄養士、食生活アドバイザー。4歳女児のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとしても活動。

参考サイト

 
 

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