「天ぷら紙」がないときの代用品を検証!おすすめの使い方も紹介【管理栄養士が解説】

2022/04/05

いざ料理をつくろうとしたところ、必要なもののストックがなくなっていた……なんてこと、だれしも一度は経験があるでしょう。でもそんなときでも、もしかしたら代用できるかもしれません!

今回ご紹介するのは「天ぷら紙」の代用アイデア。

天ぷらを揚げたときに使うのはもちろん、そのほかの揚げ物のときや余分な油脂を抑えたいときにも活躍する「天ぷら紙」。油脂を吸い取るだけでなく食器へのべとつきを防ぐ効果も期待できるため、盛りつけ時に使われていることもあります。

管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、「天ぷら紙」の代用アイデアを紹介してもらいます。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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「天ぷら紙」の役割は?

天ぷらを皿に盛るときに間に敷くものは、一般的に「敷き紙(敷紙)」「天紙」などと呼ばれます。本記事では、わかりやすいように「天ぷら紙」という名称で紹介させてもらいます。

「天ぷら紙」は、障子に使われる和紙と同じ材質が使われており、片面がツルツルした加工になっているものがほとんどです。時間が経っても油がにじみにくく、ベチャっとした食感になるのを防いでくれるため、天ぷらをはじめとした揚げ物料理をつくる際にはかかせません。また、皿に油が溜まるのを防ぎ、清潔感のある盛りつけにも役立ちます。

「天ぷら紙」の代用になるものは?

そんな「天ぷら紙」ですが、材質の違いによって使い勝手に差はないのでしょうか?

揚げ物をする量にもよりますが、1度に数枚ずつ使っていくとタイミングによっては枚数がほんのわずかということも……。
そんなとき、代わりに使えるものを知っていれば焦る必要はありません。

筆者の自宅にあったもののなかで、代用「天ぷら紙」になりそうなものは以下のとおり。

【A】コピー用紙(※)
【B】つるつるした感触のチラシ
【C】コピー用紙と似た感触のチラシ
【D】牛乳パック
【E】豆乳パック
【F】キッチンペーパー

これらのなかから、「天ぷら紙」と同じように使いやすいものを探してみることにしました。

※……印刷済みの裏紙を利用。

代用「天ぷら紙」を使い比べ!

それぞれ、同じ大きさに切って小皿に並べてみました。「天ぷら紙」はつるつる加工の表面とざらざらした感触の裏面を比較対象とし、その隣の画像上段左から順に【A】【B】【C】、下段左から順に【D】【E】【F】となっています。

なお、【D】【E】については、パック内側のつるつるした紙を1枚むき、どちらもざらざらとした状態で使用してます。

すべての紙類に、冷めた揚げ物をそれぞれのせて油の染みこみ具合を確認してみることに。

30分経過したところで、揚げ物を取り除いた紙類の状態が次の通りです。

揚げ物の大きさや断面の形などが不ぞろいだったため、正確な比較にならないと考え、途中で大きな揚げ物と小さな揚げ物を置き換えた結果となっています。

油の吸い取りがよいものは【A】【C】【F】

「天ぷら紙」の状態を確認すると、揚げ物を置いた面全体の油を吸収したことがわかります。表裏で比較しても大差がないようでした。

それに近い状態で油じみができていたのは、【A】【C】【F】。いずれも小皿に油がつくほどたっぷりと吸収していました。とくに、【F】の吸収量が多いと感じました。

ちなみに、【B】はつるつるした面が弾いたのか、表についた油はほかよりも少なく、小皿に油は見られませんでした。【D】【E】は、【B】よりも吸収したようですが、同じく小皿は汚れていない状態でした。

食器をきれいに保ったのは【B】【D】【E】

先ほどの比較では、できるだけ油脂を吸い取りたいときにおすすめの紙類がわかりましたが、「天ぷら紙」には食器を汚しにくいことも期待される役割の一つです。

すでに比較した状態を述べていますが、【B】【D】【E】が食器を油から防いできれいに保つことがわかりました。


この比較では、冷めた揚げ物を使用しましたが、別途温かい揚げ物でも同様に比較を行いました。ところが、結果は変わらず……。

代用「天ぷら紙」の結論

油の吸収性が高いのは、
【F】キッチンペーパー

油の食器移りを防ぐのは、
【B】つるつるした感触のチラシ
【D】牛乳パック
【E】豆乳パック

という結果になりました。

今回は、デコボコとしたこまかいエンボス加工が施されているキッチンペーパーを使用したため、「天ぷら紙」以上に油を吸収する力が強かったと考えられます。

なお、さらに吸収力が高いものを使いたい場合は、パルプ素材100%のものではなく、レーヨンやポリエステルなどを使った不織布のものを選ぶのもおすすめです。

また、【B】は油を吸収しにくいため食器が汚れない、ということなので天ぷら紙の代用としては一長一短に感じます。そもそも、衛生面や印刷用のインクが気になる場合は使わない方がいいでしょう。あくまでも、「天ぷら紙」が少しあるときに、下に重ねて使うようにしてみてはいかがでしょうか。

【D】【E】に関しては、どちらも表面のつるつるとした材質はポリエチレンが使われています。これは、液体が染みこまないためのコーティングなのですが、はがしてしまえば紙の部分が露出します。その紙の部分で油を吸収し、裏側に残っているポリエチレンのつるつる面が油の染みこみを防ぐので、食器を汚さずにすますことが可能。

天ぷら紙1枚では油を吸収しきれずに食器をべとつかせる心配がありますが、その点についてはコーティングをはがした牛乳や豆乳のパックであれば、十分に代用ができそうといえます。

代用「天ぷら紙」の活用方法は?

油の吸い取りがいいものを上に、食器をきれいに保てるものを下に重ねて使えば、「天ぷら紙」だけを使う以上のメリットが得られる可能性があります。

もちろん、「天ぷら紙」もそのまま敷かずに、折って重ねることで吸収率を高めたり油が染みた部分を隠して見た目をよくすることはできます。(飲食店などでは実際にそうやって使われることが多いです)


天ぷらに限らず、油を多く含んでいる唐揚げ、フライドチキン、クッキーなどを保存する場合も、容器の底に敷いておくと洗い物の手間を減らすことができます。もちろん、紙類に吸収された油脂の分だけカロリーカットすることにもつながります。

ぜひ、身近なものを取り入れて、快適な生活に役立ててみてはいかがでしょうか?

■執筆/監修・・・

管理栄養士・ゆかりさん

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとしても活動。

 
 

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