キムチは冷凍保存が可能な食品であることをご存知でしょうか。本記事では、キムチの上手な冷凍方法や冷凍に適さないキムチの種類などを解説しています。キムチの冷凍方法や冷凍したキムチの活用方法を理解し、おいしさを保てる冷凍保存を活用していきましょう。
キムチは冷凍できる?
キムチは発酵食品であり、冷蔵保存していても発酵が進みます。早めに食べ切らないと発酵が進んで酸味が強くなるため、酸っぱくなったキムチが苦手なかたには冷凍保存をおすすめします。
キムチを空気から遮断して冷凍保存しておけば発酵を止めることができ、酸っぱくならずにおいしさを長くキープしておけるので試してみましょう。
キムチを冷凍する際の注意点
キムチのおいしさをキープしたまま長く保存しておくためには冷凍保存が向いていますが、残ったキムチをそのまま冷凍庫に入れるだけでおいしさを保てるわけではありません。また、キムチの種類によっても冷凍向きのものと冷凍により食感や風味が変わってしまうものがあります。
ここでは、キムチを冷凍する前に知っておきたいポイントを解説します。注意点に気をつけて冷凍し、キムチのおいしさを保ちましょう。
- 冷凍するなら白菜キムチ
- 食感は少し変わる
- 冷凍しても早めに食べ切る
冷凍するなら白菜キムチ
冷凍に向いているのは、白菜を使ったキムチのみです。大根やキュウリを使ったキムチは冷凍に向かないため注意してください。大根やキュウリには水分がたくさん含まれているため、冷凍により食感や風味が失われてしまいます。
冷凍保存は白菜キムチの発酵を止め、おいしさを長くキープしておくために有効ですが、大根やキュウリのキムチには適さないことを覚えておきましょう。
食感は少し変わる
冷凍するとキムチの発酵を止めることができますが、冷凍前の食感を完全に保つことはできず、冷凍後の食感は少し変わってしまいます。白菜のシャキシャキした食感が弱くなり、全体的にやわらかめの歯応えに変わります。
ただし、食感に変化があるということは悪いことではありません。キムチを使った鍋や炒め物をしたときに、冷凍保存していたキムチの方がほかの食材となじみやすくなることはメリットといえるでしょう。
冷凍しても早めに食べ切る
キムチを冷凍しておけば発酵を止めることができ、キムチの酸味が強くなることを防げますが、完全に発酵が止まるわけではありません。冷蔵よりもかなり緩やかではありますが、発酵は進んでいくため、なるべく早く食べ切った方がおいしい状態を保てます。
冷凍しているからといって、ただ長く保存し続けるのではなく、鍋や炒め物に使うなどの工夫をして早めに使い切るように心がけましょう。
キムチは真空状態にして冷凍するのがおすすめ
キムチを冷凍保存すれば発酵の進行を防げ、空気から遮断することで品質の劣化を防げます。キムチを冷凍保存する際は、真空状態になるように保存方法を工夫してみましょう。
ここでは、キムチをできるだけ空気から遮断して冷凍保存しておくための保存手順を見ていきましょう。
1:キムチを小分けにしてジッパーつきの保存袋に入れる
冷凍したいキムチを1回で食べ切れる程度の小分けにして、ジッパーつきの冷凍用保存袋に入れましょう。ジッパーを閉じ切る前に、袋内の空気をしっかりと抜いてください。袋の中でキムチが平らになるように広げて入れておきましょう。
2:空気をしっかり抜いて冷凍庫に入れる
キムチを広げたジッパーつきの冷凍用保存袋から空気を抜きます。袋の底の方から空気をジッパー方向に押し出して真空に近い状態をつくってください。空気をしっかり抜くことができれば、キムチをおいしく保っておける期間が長くなります。
空気をうまく抜けていないと、目安とする保存期間よりも早くキムチの劣化が進んでしまうため、空気を抜く作業はキムチの冷凍保存において重要なポイントといえます。
キムチの解凍方法
キムチを解凍して食べたいときは、冷蔵庫に移してゆっくりと解凍する自然解凍がおすすめです。ゆっくりと解凍する自然解凍だと食感や風味が失われにくいため、冷凍前に近いキムチを味わえます。
ただし、自然解凍は時間がかかるため、時間がない、なるべく早く食べたい、というときは、流水で解凍してください。調理に使う場合は、凍ったまま使うことも可能です。一度解凍したキムチを再度冷凍することは避けてください。
冷凍キムチの保存期間は?
キムチを冷凍しておけば、1カ月程度保存しておくことが可能です。開封したキムチの賞味期限は開封から2週間程度といわれているため、冷凍保存によりだいぶ保存期間を延ばすことができます。
開封前のキムチは冷蔵でも1カ月程度保存しておけるため、冷凍する必要はありません。開封したとたんに劣化や発酵が進むため、冷凍保存すべきか検討してください。
傷んだキムチの見分け方
賞味期限をすぎたからといって、すぐにキムチが食べられない状態になるわけではありません。しかし、味が濃く、色も強いキムチは、見た目やニオイから傷んでいることを判断することがむずかしい食品です。
キムチの状態に違和感があるときには食べることをやめておいた方がよいでしょう。具体的には、「酸味が強くなりすぎていてうま味を感じない」「ニオイがいつもと違う」「ヌメリが出てきた」「カビが生えている」などが傷んでいるサインです。
冷凍したキムチの活用レシピ
キムチを冷凍しておけば、キムチとして食べるだけでなく、鍋や炒め物の食材として使えたり、調味料代わりにも使えたりするため、便利に活用できます。
ここでは、冷凍キムチを活用できるレシピを紹介します。キムチ料理のレパートリーを増やして、冷凍したキムチを活用していきましょう。
野菜とキムチの卵焼き
「野菜とキムチの卵焼き」では白菜キムチとニンジン、ニラを合わせて玉子焼きの具材として使います。冷凍しておいたキムチはあらかじめ解凍して使いましょう。
冷凍したキムチの白菜はやわらかめの食感に変わるため、卵焼きの具材として使っても食べやすい食感になります。キムチが卵焼きの調味料代わりにもなり、いつもとは違う卵焼きを味わえます。
イカキムチ炒め
「イカキムチ炒め」はイカとキムチを混ぜ合わせながら炒めるだけでできあがる簡単レシピです。冷凍しているキムチがあれば、調味料代わりに使ってみましょう。
冷凍しているキムチのサイズが大きすぎる場合は、少し解凍してからざく切りする必要がありますが、サイズが気にならない場合は、凍ったまま使っても構いません。
キムチの保存は冷凍を活用しよう
キムチは冷蔵でも日持ちする食品ですが、発酵食品なので発酵が進んでしまいます。傷んでいなくても、発酵が進むことで味が変わってしまうこともあるため、買いたてのおいしさを保つためには冷凍保存がおすすめです。
キムチをおいしく保つ冷凍のポイントは、空気から遮断することです。真空にするための装置や容器がなくても、ジッパーつきの保存袋を上手に使えば、真空に近い状態で保存しておけるので、試してみてください。