じゃがいもは光に当てちゃダメ!食中毒のリスクが高くなる意外な行動3選
2024/08/24
食中毒というと「腐ったものや生ものを食べたときに起こるんでしょ」「火を通してあれば大丈夫でしょ」なんて思っている人もいるかもしれません。でも、食中毒は細菌やウイルスをはじめ、化学物質や自然毒、寄生虫など、さまざまな原因によって引き起こされます。また、それらは見た目やニオイだけでは判断できないこともあります。
そこで今回は、暮らしスタイリストとして料理を始め家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに、食中毒を引き起こす意外な原因を教えてもらいました。
執筆/監修: 暮らしスタイリスト 河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、は...
「このじゃがいも、新鮮だから緑色」と思っていたら…
「野菜が緑色をしているなら、新鮮なはず」と思うかもしれませんが、じゃがいもの緑は要注意。じゃがいもの芽には毒があると聞いたことがある人も多いと思いますが、緑色の皮にもソラニンやチャコニンといった自然毒が含まれています。これらを食べると、吐き気や下痢、おう吐、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が出ることも。
じゃがいもを光に当てると、緑色に変色します。紙袋に入れたり、新聞紙で覆ったりして、日が当たらないようにし、暗く涼しく、風通しの良い場所に保管するようにしましょう。
また、じゃがいもに傷がついてもソラニンやチャコニンは増えるので、優しくていねいに扱うようにします。
芽や緑色の部分は取り除けば、食べることができますが、芽は完全に取り除き、皮は厚めに剥くようにします。剥いても緑が残るようであれば、食べずに処分しましょう。また、小さなお子さんは少量でも食中毒を引き起こしやすいので、皮を剥いたじゃがいもを使った方が安心です。
パンのカビは、その部分を取り除けば食べられるはず…
パンや餅などに生えたカビはその分を取り除いて、そのまま食べているという人もいるかもしれません。実際、カビの生えた食品を食べたことによる急性の食中毒は少ないですが、長期間に何度も食べ続けることで健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
カビは、目に見える部分だけを取り除いても、見えないカビが残っていることがあります。また、カビ毒は一般的な加熱では分解せず、調理をしても残っていると考えられます。
なお、すべてのカビが有毒なわけではなく、カビによって熟成させるカマンベールチーズやブルーチーズといった食品があるように美味しさにつながったり、人間にとって有益なもの、無害なものもあります。ただし、食品に生えたカビがどのようなものかは見分けることができないので、食べずに処分をすることをおすすめします。
電子レンジで温め直した昨日のカレーで食中毒!?
「カレーは意外と食中毒が多い」とは聞いたことがあるかもしれませんが、「温め直して食べれば、大丈夫でしょ」と思っていませんか?
ところが、カレーに繁殖しやすいウェルシュ菌は、60℃以上で10分以上加熱しないと、死滅しません。電子レンジでの加熱は加熱ムラが起こることが多く、温まっていない部分は毒素が取り除けていないことも。作り置きのカレーは鍋に入れて、しっかりと加熱する方が安心です。電子レンジを使用する場合は、その都度しっかり混ぜながら、何度か加熱を繰り返し、ムラなく温めることをおすすめします。
なお、カレーなどを長く常温に放置したり、加熱と常温を繰り返したりすると、ウェルシュ菌から100℃でも死滅しない芽胞が作られます。
こうなってしまうと、いくらしっかり再加熱しても毒素を取り除くことができなくなります。そうならないように余ったカレーは、できるだけ早く鍋から出して小分けにし、保冷剤などで冷やしてあら熱を取って、冷蔵庫で保管するようにしましょう。
◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを作る、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。