掃除のプロでも手こずる汚れはどうやって落とす?たったひとつのシンプルな対策も紹介
2024/02/22
ハウスクリーニングのプロでも手こずる汚れがあるそうです。プロでも手こずるわけですから、一般人にとってはさらにさらにハードルが高いかもしれません。しかし、一般の人でもやってできないことはないとハウスクリーニングの仕事に従事している掃除のプロ、土井恵子さんは言います。
「汚れがひどくなってくると、部材にこびりついてしまい、汚れといっしょに部材も壊してしまうおそれがあります。プロが手こずるのはこういったケースですね。そういう汚れはお客様にはそのことを了解いただいてから作業にかかります」
るほど、汚れが落ちても、器具などを壊してしまっては困りますね。今回はそんな頑固な汚れにチャレンジしてみましょう。
- トイレの「尿石」は正しく対処しないと増える一方!?
- 水回りのコーキングに発生した「カビ」は最悪交換に…
- バスルームの石化した汚れは軽度であれば対処可能
- まとめ:じつはシンプルな対策がひとつだけあります
トイレの「尿石」は正しく対処しないと増える一方!?
便器の黄ばみは、掃除をしているんだけど、なかなか落ちないという経験をしたことはありませんか?プロもこの便器の黄ばみには苦労するそうです。
「トイレの黄ばみの正体は、尿石です。この尿石はブラシでこすったり、水で流したりしても落ちないので、たまっていく一方になるわけです。尿石がたまるとトイレ特有の悪臭の原因にもなります」
尿石がつきやすいのは便器のフチやトラップ部分だそうです。トラップとは、排水管と便器をつなぐ部分で水がたまっている場所です。水があることで、排水管からの匂いをフタしているわけです。
「尿石を除去するためには、酸性洗剤を使います。トイレットペーパーなどで便器を覆い、そこに酸性洗剤をかけておきます。数分したら、ブラシなどでごすり、水で流します」
酸性洗剤を使う際の注意点としては必ずゴム手袋を着用してから掃除してくださいとのこと。
水回りのコーキングに発生した「カビ」は最悪交換に…
「洗面所などのコーキングにカビが発生すると、除去することは困難です」と土井さん。コーキングとは、洗面所、キッチン、バスルームなどの水回りに使われている壁と壁の隙間を埋める充填剤のことです。パッキンなどと呼ばれることもあるこの充填剤に発生したカビはけっこう厄介です。
「まずは、カビが発生している場所を乾いた雑巾等でしっかり拭きます。そこへカビ用泡スプレーをふきつけます。そしてキッチンペーパーなどを当てて、さらにその上からカビ用泡スプレーを吹きかけ、ラップで覆い、1時間ほど置いてください。そのあと、使わなくなった歯ブラシなどでやさしくこすりましょう」
これで取れる場合もあれば、取れないこともあるそうです。
「無理にカビを除去しようとすると、コーキングやパッキンそのものを壊してしまうことがあるんです。なので、こういった場合は、コーキングやパッキンを交換したほうがいいでしょう」
ちなみにこれらの交換は掃除業者ではなく、内装工事を行う人に頼んでくださいとのことです。
バスルームの石化した汚れは軽度であれば対処可能
バスルームの入り口ドアなどで見かけるカルキや水垢などの汚れが白く固まったものを石化といいます。場合によっては黒くなっているものもあります。
「軽度の汚れであれば石化した部分にクエン酸やレモン汁、お酢などを塗って、ラップし30分ほど置いて水で流すと、きれいに取れる場合があります。が、汚れが重度のものは塗装や部材などもいっしょに剥がれてしまうおそれがあるので注意してください」
こちらも重度になると下手に掃除するよりもパーツごと交換したほうがいいこともあるようです。そうなる前に、バスルームなどはこまめに掃除することをおすすめします。
まとめ:じつはシンプルな対策がひとつだけあります
今回ご紹介したプロも手こずる汚れですが、土井さんいわくじつはシンプルな対策がひとつあるそうです。
「手こずる汚れはいずれも、放置し続けたことで重度の汚れになるわけです。つまり毎日掃除をしていれば、重度の汚れになることはありません。しかも、毎日やっていれば一回あたりの労力はさほどいりません。たとえば、バスルームの掃除はバスタブのお湯を抜いたときに一番はかどります。業者は汚れが溜まってから掃除にかかりますが、一般のかたは日々掃除をする機会があります。ぜひこまめに掃除をしてください」
やはり、日々の掃除が大切なようです。
◆教えてくれたのは・・・土井恵子さん
アパートやマンションの原状回復工事、在宅ハウスクリーニングを請け負う会社に長年勤務したのち独立。現在はフリーでハウスクリーニングの業務に携わっている。
◆監修・文/増田剛己
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。