野菜のプロが解説!柿をスーパーで買うときにおいしいものを見分けるコツとは?
2024/09/28
秋になるとスーパーに多く並ぶようになる柿は、素朴でありつつも、なんだかホッとする甘さが人気のフルーツです。でも、せっかく柿を買ったのに思ったほどおいしくなかった…なんて経験のある人も多いのでは。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、柿選びで失敗しないためのコツを教えてもらいます。
まずは全体をチェック!
柿は皮全体にハリがあり、ずっしり重みのあるものがおすすめ。できれば左右対称で変形していないもののほうが、順調に成長した柿である可能性が高いです。
なお、皮の表面に黒っぽい色がついているものもあるのですが、これについては少し見分けがつきづらいです。全体的に細かい黒い斑点がついているようなものは問題ないのですが、ヘタの周辺に集中して黒い斑点が目立つ場合は、病気にかかって味が落ちている可能性もあります(ただし、病気が人に移ることはありませんし、食べても問題はありません)。
また、品種によってはおしりの側に黒いスジが入っているのが非常に甘い証拠であることも。ただ、これも見たことがない人には見分けがつきづらいと思いますので、(前述のとおり食べても問題ないこともあり)あまり黒い点やスジを気にせずに、以下の項目で紹介する色やヘタの情報にも注目してみてください。
皮の色は好みに合わせて選んで
柿は皮の色に赤みがあって濃い色になっているほど、しっかり熟してやわらかくなっています。逆に、黄色みが強いほど、まだ身が固い傾向にあります。
そのため、やわらかい柿を食べたい場合は色が濃くて赤っぽいものを、そしてシャキシャキとした食感を楽しみたい場合は、あまり赤みがかっていないものを選ぶようにしましょう。なお、赤っぽくなっているものは日持ちしないため、すぐに食べる予定がない場合は、色が濃くないものを選ぶのがおすすめです。
念のためにヘタも見て
最後に、ヘタの部分にも注目しましょう。まれに、ヘタが根元から浮いたような状態になって、かなりすき間が空いているような柿があります。
「へたすき」と呼ばれる現象で、順調に生育していなかったり、傷むのが早かったりするため、避けたいタイプの柿です。ただ、通常のスーパーで売られているような柿で「へたすき」のものはほとんどないので、念のためのチェックだけで大丈夫。
なお、ヘタの色は緑色のものもあれば黒っぽくなっているものもありますが、品種によっては渋抜きの過程で黒くなる場合があるので、色はあまり気にしなくても問題ありません。
栄養満点の柿を存分に楽しもう!
柿はβカロテンやビタミンCをはじめ、さまざまなビタミンやミネラルを含んだ栄養豊富なフルーツです。とくにβカロテンは体内でビタミンAに変わり、目の粘膜や肌を守ってくれるはたらきがあるため、乾燥が気になるこれからの季節にぴったり。
これから冬のはじめ頃にかけては、いろんな品種の柿が次々と出荷されます。ぜひポイントをおさえて好みのおいしい柿を選んで、旬の味を存分の楽しんでください。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部