夫の家事スキルを採点してもらったら、実は夫婦関係の満足度がそのまま見えてしまった件

2023/11/26

「サンキュ!コメつぶ」では、夫の家事スキルについて妻に採点してもらいました。結果は平均60点以上。でも、この点数は家事の評価ではなく、夫自身の満足度も反映されていると、元商社マン、現「主夫」ブロガーの河内瞬さんから鋭い指摘が。第3回目では、夫婦仲にも踏み込んで、今日から実践できるポイントをご紹介します。

編集部:皆さんの回答を読んでいると「こんなに夫が家事をやっているのに、点数は低いのね」っていうも声もあれば、「え?これだけしか家事してないのに、ものすごく感謝されてる!」っていう声も。人によって差があるなあと感じました。

21~40点 これやってと言えば洗濯ものも洗い物、掃除もできるけど、言わなければしてくれないので。あと料理が一切できないのも大きな減点です。 (神奈川県 36歳)

21~40点 言ったら何でも協力してくれるが、言わないと何もやってくれない。床にゴミが落ちていても気づかないのか拾ってくれません。 (静岡県 44歳)

81~99点 普段は何もしないけど、私の体調が悪い時は率先して家事をしてくれる。私が行き届かないところは何も言わず掃除をしてくれます。体調が回復した頃、一緒に散歩に誘ってくれたり、あそこでついでに外食しちゃおうと言ってくれて。ラクをさせてくれた事に感謝しています。 (神奈川県 55歳)

81~99点  家事は分担制で、休日の掃除、洗濯ものは夫の担当。洗い物や水まわり、トイレ、排水系は私の担当です。洗い物を手伝ってくれた時水まわりがベチャベチャになるけれど、仕方ないかなと思っています。いつも有難いです! (岐阜県 42歳)

81~99点 夕食後疲れて寝ていると、何も言わずに茶碗洗いをしてくれます。私が洗い物をしたくなくてダラダラしていると、どうせしないからと言って主人がしてくれます。有難う。 (愛知県 40歳)

81~99点 共働きということもあり、料理や洗濯物を干すことはしてくれるから。 (兵庫県 39歳)

81~99点 洗濯ものを干して畳んだり、食器を洗ってくれます。自分のやり方と違うので時々ストレスを感じますが、手伝ってくれて有難いということ、早く家事が終わると自分時間や家族の時間をもてるので、とても感謝しています。 (福島県 37歳)

81~99点 他の人から見れば全然ダメかもしれませんが、私の苦手なところをうまくカバーしてくれるので、私は夫の家事に大満足です。私の日々のズボラ家事に1つも文句言わない、優しいところも好き。 (東京都 33歳)

100点 普段あまり家事をしませんが、やってほしい時は私より細かく、指示をしなくても完璧にこなすから。 (千葉県 31歳)

<アンケート結果より>

家事スキルは基礎点。夫婦仲で加点減点されていく

河内さん(以下、河内):これ、家事スキルはあくまでも基礎点で、夫婦関係の満足度で加点減点されているんでしょうね。

編集部:なんと。スキル=総合点じゃなかった。

河内:そもそも夫婦関係がよければ、ちょっとくらい家事ができてなくても不満が出ないと思うんです。明日やればいいやって。でも夫婦仲が悪いと、家事もろくにできないのか!って評価に。だから、アンケート結果の点数も夫婦関係が投影されているんだと思うんです。

編集部:なるほど~。このアンケート、意外に深い!
家事の話だけしているようで、実は夫婦仲がバレちゃうんですね(笑)。
夫婦関係がよければ、家事スキルの基礎点50点だとしても、夫婦仲の加点で100点に近づくってことですよね。

河内:そういうことです。あと、夫がバリバリ仕事して稼いできてくれるとか、あるいは家事はしないけど子どものことはしっかり見てくれるという夫は、満足度高いと思うんですよね。週末、子どもを1日連れ出してくれることで妻は家事に専念できますから。

編集部:なるほど~。ということは、単に家事スキルを上げても満点はとれないということですね。

アンケートを見ていると、具合が悪い時に助けてくれる夫に対して感謝のコメントが多かった気がします。

河内:妊娠中、出産後、育休中の行動…、その時動けた夫は今でも家事をしてると思うし、今仕事が忙しくてできていなくても、妻にはその時の記憶があるから「やるべき時にはやってくれる」という信頼関係ができてるんだと思います。普段何もしてないのに高得点なのは、この安心感があるからでしょうね。

編集部:信頼関係って大切ですね。

河内:風邪をひいた時、代わりに家事をしてくれる、完璧なごはんは作れなくても、妻を助けようとしてくれるかどうか、そこが高得点につながるんだと思いますよ。

編集部:妻が一番助けてほしいタイミングをわかってくれているということですものね。

夫に家事スキルを上げてもらうのは、会話の働きかけからスタート

河内:コミュニケーションを増やすことで、夫婦仲が円滑になっていけば、夫の家事参加も自然と増えると思うし、家事スキルの向上にもつながる近道だと思うんです。

編集部:お互い忙しくて後回しにしてきた夫婦も多そうです。今から取り掛かるなら初めの一歩って?

河内:好きなことを一緒にやってみる。例えば、映画がドラマを観るのが好きだったら、夫が好きなお酒やおつまみを用意して「後で一緒に飲みながら映画を観ない?」なんてアプローチしてみる。

編集部:ふむふむ…。

河内:あとは、夫の好きな料理を作って、「あなたが喜ぶと思って作ってみたよ~」って声掛けをしてみる、とか。家事を一緒にやってみるのもいいかもですね。

編集部:作ってあげて、さらにひと言ですね。ちょい恥ずかしい…けど、やってみますか。

今何とかなっていても、年をとったら辛くなる。変えるなら早いうちから

河内:男は照れ屋なので、喜んでいるように見えなくても、ぜんぜん効果ないじゃんって諦めず、恥ずかしがってるだけだと。男の面倒くさいところだと思って、気にせず何度か誘ってあげてほしいんです。

編集部:確かに、面倒くさいかも…。でも、それで夫の家事への道が開けるなら、やってみる価値ありそうですよね。

河内:はい。あと、家事って妻が若いうちは体力があるから一人で乗り切れても、歳をとるとだんだん一人でこなすことが厳しくなってくると思うんです。

子どもが増え、やることも増え、歳とともに疲れやすくなる。そこで、夫に家事してもらおうと思っても、何もしないのが当たり前の夫には、突然「今日から家事してね」と言われても、できるようになるまで時間がかかると思うんです。

編集部:そうですよね~。これから先も長い人生一緒に居るなら、夫婦仲を見直して、夫に家事参加を少しずつ頼んでみる。1日でも早く取り組んだ方がよさそうですね。

河内:そう思います。

男と女の理解には違いがある。 男性は説明されないとわからない

編集部:コミュニケーションを家事に持って行ったときに、気をつけるポイントを教えてください

河内:「男は察することができない」ってところですかね。女性は気持ちを察してほしい生き物。でも、男は察することが苦手なんです。

だから指示待ちになるし、指示の先にある思惑が読み取れない、言われたことがすべて。それを理解して、妻はきちんと具体的に提示するのがポイントかも。

編集部:そこか~。

河内:やってほしい家事はすべて言葉にして夫に伝える。夫が言葉の先をイメージしやすいように、「ここの掃除は今しておかないと1週間後はもっと汚れが取りづらくなる、臭いもひどくなるから、今掃除してほしいの」とそこまで説明する。

編集部:面倒だなあ…。

河内:そうですね(笑)。でも、先を想定できる結果を一緒に話すと男性はイメージしやすくなると思います。面倒だけど、そこから始めることが大切。きっと、妻のイライラも減ると思いますよ。

編集部:確かに。最初に面倒を乗り越えれば、後がラクになりますよね。

夫婦の距離が近づけば、夫の家事スキルが上がる

編集部:まずは、夫との会話。そして、任せられる家事を丁寧に説明して、お願いしたら一切任せる。

夫も家事に主体的になってくれれば、自然と家事スキルも上がっていく。そして、何より夫婦の満足度も上がる!ってことかしら?

河内:そうです。

編集部:「あなたの好きなビール買ってきたよ。一緒に飲みながら映画観ようよ!」これ、やってみます。

河内:ぜひ、やってみてください。なんで女性側だけそんな努力をしなきゃいけないの?って言われちゃうかもしれませんが…。

編集部:それはあります。でも自分をラクにするためなので。

この記事の読者は妻側が多いと思うんですけれど、もし読んでくださっている夫がいるなら、ぜひ妻とのコミュニケーションの努力をって伝えたいです(笑)。

それにやっぱり、家事の基礎点だけでも稼いでみるのもあり!と編集部は思います。(家族のために家事をしよう! という気持ちが妻は嬉しい…ハズ)

河内:家事をしてくれると嬉しいっていうのも、会話で上手に伝えたいですね

編集部:ですね。はい

【回答者】
主夫ブロガー
河内 瞬さん

元はバリバリ商社マンの主夫。妻、娘2人(中3・小5)の4人暮らし。著書『主婦をサラリーマンにたとえたら想像以上にヤバくなったマンガ』(主婦の友社)。

イラスト/河内 瞬 取材・文/西田有紀 企画/サンキュ!コメつぶ編集部

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