【管理栄養士監修】「きのこ」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/10/10
きのこに含まれる栄養素やカロリーなどを説明していきます。きのこは、低カロリーでうま味成分を持ち、種類も豊富なので料理に使いやすく、多く含まれている栄養素による健康効果を期待することができます。本記事ではきのこをおいしく食べるためのレシピも紹介しています。
きのこの種類と栄養素
きのこは豊富な栄養素が含まれていることで知られていますが、具体的にどのような栄養素があるかご存じですか。
ひとくちにきのこといってもしいたけ、しめじ、えのき、ぶなしめじ、エリンギ、ひらたけなどさまざまな種類があり、それぞれに含まれる栄養素にも違いがあります。
今回は、きのこ全般に含まれる栄養素と、きのこの栄養素が効果的に摂取できる調理法を紹介していきます。
きのこのカロリーと栄養素
きのこは低カロリーな食材なので、ダイエット中の食事に取り入れているかたも多いのではないでしょうか。
生のきのこ100gあたりのカロリーは、まつたけ・原木栽培のしいたけ・うすひらたけが23kcal、マッシュルームが11kcalであり、そのほかのきのこも含め、いずれも11~23kcalとなっています。
きのこには、腸内環境を改善する便秘の予防効果や免疫力を高めてくれる栄養素なども含まれているのです。いくつかのきのこを例に挙げて栄養素の解説をしていきます。
きのこの栄養素
・ビタミンD
・食物繊維
・オルニチン
・β-グルカン
・ビタミンB群
ビタミンD
多くのきのこには、日光にさらされるとビタミンDへ変わるエルゴステロールという成分が含まれています。
生や乾燥を問わず、ザルなどに広げて日光に当てることで、ビタミンDの含有量を増やすことができます。
ビタミンDは、きのこのなかではとくにまいたけに多く含まれ、丈夫な骨や歯をつくるカルシウムの吸収を助け、筋肉の発達に役立ち、免疫細胞を活性化する作用があります。
食物繊維
きのこには食物繊維が豊富に含まれるため、便秘解消に効果があると言われています。
食物繊維はすべてのきのこに含まれていますが、とくに原木栽培のしいたけなどに多く含まれています。食物繊維は便の量を増やし、腸の動きを促したり、腸内環境を改善して便通をよくします。ほかにも、糖質の吸収を抑えたり、コレステロールを吸着して排出する作用もあります。
ダイエット中のかたや便秘症のかたは積極的に食物繊維を摂取しましょう。
きのこに含まれるオルニチンが疲労回復に最適
きのこのなかでもしめじに多く含まれているオルニチンは、アミノ酸の一種で疲労回復に効果的です。
オルニチンは、しじみに多いことで知られていますが、しめじには約5倍も多く含まれています。肝臓の働きをサポートし、疲労物質の1つであるアンモニアの解毒を促してくれる働きがあるため、とくにお酒を飲む人は積極的に摂取したい栄養素です。
おみそ汁の具にしじみとしめじを加えるとオルニチンをたくさん摂取することができるので、おすすめです。
β-グルカン
免疫力を活性化させることができる食物繊維の一種であるβ-グルカンも、きのこの栄養素として知られています。
生のきのこにも、乾物のきのこにも含まれるという栄養素なので、料理の幅が広がるのもうれしいポイントです。
β-グルカンは、まいたけ・しめじ・エリンギに多く含まれ、積極的に食事に取り入れることで毎日の病気予防に役立てることができるでしょう。
ビタミンB群
きのこに含まれるうれしい栄養素の1つが、ビタミンB群です。とくにビタミンB1・ビタミンB2・葉酸が多く、ほかにもナイアシン・パントテン酸・ビオチンといった、疲労回復や健康・美容の維持に欠かせない働きを持つ栄養素が含まれています。
きのこの種類によって、各栄養素の含有量が異なります。疲労回復や美肌効果を期待するのであれば、いくつかの品種を組み合わせてとることをおすすめします。
きのこはダイエットに効果があるのか
きのこは、ダイエット中の食事に積極的に取り入れたい食材といえます。一年中手に入る食材なので食べやすく、低カロリーで栄養面も優れています。
ダイエット中、無理な食事制限をしてしまうと体の不調につながってしまうことがあります。さまざまな種類のきのこを摂取することで、健康維持に必要な栄養素をバランスよく取り入れやすくなりますので、積極的にきのこを食べましょう。
きのこを使ったおすすめのレシピ
ここからは、きのこを使ったおすすめの栄養たっぷりのレシピを紹介します。きのこにはうま味成分も含まれ、食材との組み合わせによっておいしさを倍増させることもできます。
きのこの旬である秋~冬にかけてはさまざまな種類のきのこが手に入りやすくなるので、ぜひきのこ料理のレパートリーを広げてみてください。
和風きのこパスタ
和風パスタの定番といえば「きのこパスタ」ではないでしょうか。
和風きのこパスタの味の決め手は、たっぷりのきのことベーコン、少しのバターに醤油の風味です。たくさんの種類のきのこを加えることで食感や味を楽しむことができ、栄養素も豊富にとることができます。
キノコのポタージュスープ
きのこの香りと甘みが感じられる「キノコのポタージュスープ」はミキサーを使わず、手軽につくることができます。
ミキサーを使わないので、きのこのもつ食感を楽しむことができます。温かい食べ物は体の温度を上昇させ、きのこがもつ免疫力の活性化を後押しします。風邪をひきやすい秋~冬にかけてとくにおすすめしたい一品です。
きのこのオイル煮
冷蔵庫で5日間日持ちする「きのこのオイル煮」は味落ちしにくく、温めなおしてもおいしいつくり置きおかずです。
ニンニクやアンチョビを使用したイタリアンな味つけです。お酒のつまみとしてもいかがでしょうか。
きのこをおいしく食べよう!
きのこに含まれる栄養素には、疲労回復や便秘解消、免疫力強化などさまざまな効果が期待できます。きのこにはさまざまな種類があるため、いろいろなアレンジを加えて料理を楽しむことが可能です。
きのこの旬は秋~冬にかけてですが、日本では一年中きのこが手に入ります。毎日の食卓にきのこを加えて、健康維持に努めましょう。
監修者ミニコラム:きのこにも含まれる「うま味成分」を使いこなして、料理の腕を上げよう!
昆布・トマトなどに含まれる「グルタミン酸」、魚・肉には「イノシン酸」、きのこに含まれる「グアニル酸」。これらは「3大うま味成分」と呼ばれ、組み合わせによって料理のおいしさを何倍にも増やすことができます。
きのこのうま味は、「グルタミン酸」と相性がよく、和食のだしとして「昆布×干ししいたけ」は定番ですよね。
きのこを干すことで成分が凝縮され、より濃いうま味が感じられるように。干ししいたけだけでなく、えのきやしめじなども天気のよい日にザルに広げ、2時間日に当てるだけでも効果があると言われています(数日カラッカラがベスト!)。
水にもどす場合は、急いで熱湯を注ぐのは×。ひたひたの水と容器に入れて一晩冷蔵庫に寝かすのが正解です。