【管理栄養士監修】「ニンニク」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/08/14
ニンニクは香味野菜の代表格であり、食欲を増進する独特の香りが楽しめる食材として人気があることから、イタリアやフランスなどさまざまな国や地域で用いられています。日本でもみそ漬けや醤油漬けのほか、焼き肉のタレ・餃子の具・鰹のタタキの薬味などで用いられています。
ニンニクの種類と栄養
国内で流通しているニンニクの多くは、国産ではなく中国産ニンニクです。また国産ニンニクの大半は青森県産で、香川県・北海道・宮崎県・岩手県のなどでも生産されています。
ニンニク特有の臭いの元であるアリシンは疲労回復や滋養強壮に効果があるほか、免疫力を高める作用や強い抗菌作用を持っているといわれています。
ニンニクのカロリーと栄養素
ニンニク100gあたりのカロリーは136kcalです。
ニンニク100gあたり63.9gの水分を含みますが、栄養素の成分としてたんぱく質6.4g、脂質0.9g、炭水化物27.5gのほか、ビタミンB群、ビタミンC、カリウム、リンなどを含んでいます。
ニンニクの栄養素
・たんぱく質(1gあたり4kcal)
・脂質(1gあたり9kcal)
・炭水化物(1gあたり4kcal)
・ビタミン
・ミネラル
ニンニクの栄養素1:たんぱく質
ニンニクの栄養素であるたんぱく質は100gあたり6.4gを含んでいます。
たんぱく質という栄養素は食後に分解されアミノ酸として身体の構成成分となり、一部はエネルギーとして代謝されます。ニンニクのたんぱく質は、野菜の中でも多い部類に属しています。
ニンニクの栄養素2:脂質
ニンニクの栄養素である脂質は100gあたり0.9gが含まれています。
脂質は、とりすぎると中性脂肪となるためよいイメージを持たれませんが、細胞膜やホルモンの構成成分となったり、脂溶性ビタミンの吸収を高め、最大のエネルギー源となっています。
ニンニクの栄養素3:炭水化物
ニンニクの栄養素である炭水化物は100gあたり27.5gを含んでいます。
炭水化物は、消化されない食物繊維とそのほかの糖質に分けられます。糖質はブドウ糖に分解され、血液を通して各細胞に運ばれます。エネルギー源として働くだけでなく、疲労回復や体温維持にも必要な栄養素です。
ニンニクの栄養素4:ビタミン
ニンニクに含まれているビタミンの中で、主に含まれているのは水溶性のビタミンB群とビタミンCですが、ビタミン自体にはカロリーがありません。
ビタミンは人の身体を正常に機能させるために不可欠な栄養素であり、身体のあらゆる代謝に必要な酵素の働きを活性化させるための補酵素として、ビタミンB群が重要な役割を果たしています。また、ビタミンCには抗酸化作用があり、紫外線やストレスなどから細胞を守る役割もあります。
ニンニクの栄養素5:ミネラル
ニンニクに含まれるミネラルの中で多く含まれているのは、カリウムやリンなどの栄養素です。
ミネラルは、身体の機能を正常に保つために欠くことができない物質です。なかでもカリウムは体液の浸透圧や酸性とアルカリ性の平衡度を調整する役割があり、リンは細胞膜や骨・歯の成分となったり、筋肉や神経の働きに関わっています。
ニンニクはダイエットに効果がある?
ニンニクを食べることによって体内で生成されるアリチアミンは、脂溶性に変化して体内に長く留まり、糖質(炭水化物)のエネルギー代謝を活発にする作用があることから、ダイエット効果があるといわれるようになりました。
ニンニクの成分であるアリイン(アミノ酸の一種)は、調理の過程で特有の臭いを発するアリシンへと変化し、体内に摂取されるとビタミンB1と結合してアリチアミンに変化します。
ニンニクを使ったおすすめのレシピ
ニンニク料理のいちばんの特徴は何といっても独特の香りにありますが、じつはニンニクの処理の仕方によって香りの度合いを変化させることができるのです。
香りを強く引き立たせたい場合は、みじん切りや摺り下ろすのが効果的です。香りづけを控えたい場合は、包丁で軽く叩くか丸ごと使う方法があります。
それぞれ自分の好みに応じて、ニンニクの使い方を工夫して見てください。
ニンニクのおすすめレシピ1:たらと彩り野菜のガーリックソテー
ニンニクを使ったおすすめのレシピ1は、シンプルな味つけの野菜のうま味をたっぷり活かした「たらと彩り野菜ガーリックソテー」の紹介です。
このレシピはパスタにもおいしくアレンジできるので、お弁当にもおすすめです。身が崩れやすいたらは、あらかじめ塩を一振りし、キッチンペーパーで包んで水分をしっかり取ってから炒めましょう。
ニンニクのおすすめレシピ2:ブロッコリーのニンニク醤油炒め
ニンニクを使ったおすすめのレシピ2は、シンプルなおかずとしてニンニクを少し利かせた香ばしい「ブロッコリーのニンニク醤油炒め」の紹介です。
主役のブロッコリーは茎の食感がしっかり残るくらいに炒めると食べ応えがあり、ニンニクの香りも食欲をそそる一品です。
ニンニクのおすすめレシピ3:豚のニンニク角煮
ニンニクを使ったおすすめのレシピ3は、疲れた身体を癒やしてくれる「豚のニンニク角煮」の紹介です。
ニンニクに含まれるアリシンが豚肉に含まれるビタミンB1と結合し、疲労回復を助けてくれます。ごはんにもよく合うので食卓にもおすすめの一品です。
ニンニクをおいしく食べよう!
多くの料理に使用され、疲労回復やダイエットにも期待されるニンニクを、今回ご紹介したレシピをぜひ参考にいつもの食事に取り入れてはいかがでしょうか。
監修者ミニコラム:いつも食べている「にんにく」はどこの部分?いろいろな姿の「にんにく」たち
私たちが食べている丸い塊のにんにく。それは、にんにくの茎に当たり、正確には「鱗茎(りんけい)」といって、茎に栄養を溜め込んだ部分なのです。
ちなみに「にんにくの芽」として売られているものも、じつは茎!にんにくを収穫せずに成長させ、先端を切った姿はニラにそっくり。「茎にんにく」と呼ばれることもあり、そちらの方がしっくりきますよね。
そして、ちゃんと芽を食べるものもあり、それは「芽にんにく」と呼ばれ、塊をバラした状態で発芽させた小さな姿をしています。発芽直後に収穫するので栄養価が高くなり、下に生える根もすべて食べることができます。
長期保存に向かずあまり流通していないので、直売所などで見かけたらぜひ食べてみてくださいね!