ニンニク

じつは避けたほうがいいかも!?野菜のプロが教えるニンニクの「もったいない」食べかた

2025/05/08

中華料理をはじめ、洋風の煮込みやパスタ、さらには和食にも使われるニンニクは、香りや辛味、旨味など、さまざまな成分を持つ万能な野菜です。ただ、その能力を存分に引き出せていない「もったいない」使いかたがされることもしばしば…。

今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、ニンニクのやりがちな「もったいない」使いかたと、目的別のおすすめ調理法について解説してもらいます!

サンキュ!STYLE 取材班メンバー。気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を...

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目的別に切りかたを変えなきゃ「もったいない」!

ニンニク
出典:AC写真

一般に「ニンニクらしい」と思われている独特の臭いや辛味は、アリシンという成分が原因です。アリシンは、ニンニクが切られたりすりおろされたりして細胞が壊される際に発生します。つまり、切れば切るほど、そしてすりおろせばすりおろすほど、アリシンを引き出せるのです。

そのため、ニンニクを料理に使うときは、目的にあわせて切りかたを変えましょう。香りや辛味が必要なときはみじん切りやすりおろしに、そしてそこまで香りを目立たせたくない場合はスライスや丸ごとつぶす使いかたがおすすめ。実際、薬味として使う際はみじん切りにすることが多く、洋風の煮込みだと丸ごと入れるレシピが多いですよね。

ちなみに、ニンニクは軸の部分がより香りが強いため、ニンニクを使った料理を食べると臭いが気になるという場合は、軸を取り除いておきましょう。また軸の部分は加熱時に焦げやすいという性質もあるため、見た目に気をつかう料理にニンニクのスライスを使う場合も、軸を取り除いておくと部分的に焦げてしまうのを防ぐことができます。

辛味を出したいなら生で食べなきゃ「もったいない」!

ニンニク
出典:AC写真

さきほど、ニンニク独特の辛味や香りの原因となっているのがアリシンという成分だと解説しましたが、じつはアリシンの辛味を利用したい場合は、生で食べないと「もったいない」のです。というのも、アリシンは加熱によって化学変化し、旨味や甘味といった成分に変わるからです。

そのため、香辛料として使いたい場合や、ニンニク特有の辛味をしっかり感じたい場合は、みじん切りやすりおろしを加熱せず生で使いましょう。ちなみにアリシンは「揮発性」といって空気中に蒸発しやすい性質を持っているので、切ったりすりおろしたりしたあとは、できるだけ早めに食べると一層辛味を感じやすくなります。

一方、アリシンの香りだけを利用したい場合は、ニンニクを油とともに加熱すれば、その香りを油に移すことができます。同時に、加熱によってアリシンが変化することでさらに複雑な香りも生まれるので、パスタや中華料理のレシピではこの性質が利用されているのですね。

万能なニンニクの「もったいない」を避けて効率よく使おう

幅広い用途に使われるニンニクは、すでに古代文明の時代から健康維持に使われていたとされ、人間とのつきあいが長~い野菜のひとつです。

現代でも、香りづけをしたり、旨味を出したり、あるいは香辛料として使ったりと、万能なニンニク。今回ご紹介した、「もったいない」を避けるコツをおさえて、ぜひニンニクを効率よく活用してくださいね。

■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部

 
 

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