【管理栄養士監修】賞味期限(消費期限)切れの「牛肉」は冷蔵保存でいつまで食べても大丈夫?
2020/08/16
牛肉は人気の高いお肉ですが、生鮮食品で消費期限が短いため期限を切らせてしまい、困ってしまうことがあります。本記事では、消費期限切れの牛肉が食べられるのか、正しい保存方法、傷んだ場合の特徴などをまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
牛肉は賞味期限(消費期限)が過ぎても食べられる?
生鮮食品である牛肉は、消費期限が短い食品です。傷んだ牛肉を食べてしまうと、お腹を壊すだけでなく、命に関わるような重篤な食中毒にかかる可能性もあるので、食べる際にはしっかりと状態を確認する必要があります。
消費期限が切れた牛肉が食べられるかは、肉の状態を見ればわかります。ここからは傷んだ牛肉の特徴や、正しい保存方法などをご紹介します。
賞味期限と消費期限の違い
ここで、消費期限と賞味期限の違いについてまとめます。
賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。
賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた食べ物などが、記載されている「年月日」まで「安全に食べることのできる」期限になります。
お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。
もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期間に関わらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。
消費期限が過ぎて傷んだ牛肉の特徴
消費期限は品質が劣化しやすい食品や食材に記載されています。消費期限が過ぎている場合は、すでに衛生上、問題がある可能性があります。
もし、消費期限が過ぎている牛肉を料理に使うのであれば、必ずその牛肉の状態を確認しましょう。もし、傷んでいれば、いくつかの特徴が見られるようになります。
特徴1:変色
部位にもよりますが、購入してきたばかりの新鮮な牛肉の表面は綺麗な赤い色をしています。
しかし、消費期限が過ぎてくると灰褐色、緑や黄色味を帯びた色に変わることがあります。これは、酸化が進み過ぎたことによる変色や、カビや細菌の繁殖によるものと考えられます。細菌が繁殖すると、糸を引いたり粘りが現れるようになります。
また、傷んだ牛肉は酸っぱく感じるなど味にも変化が生じます。そのため、変色していたり、味に違和感がある場合には、食べないようにしましょう。
特徴2:異臭
牛肉は傷むと異臭を放つようになります。傷み方によってそのニオイは異なりますが、腐敗臭やヨーグルトの傷んだような酸っぱいニオイ、アンモニア臭などがするようになります。
牛肉が傷んだときに出るニオイは強いので、パックを開封したときにすぐにわかります。また、すでに開封済みであれば、冷蔵庫を開けたときの異臭で気がつく場合もあります。
【日数別】消費期限切れの牛肉はいつまで食べられる?
消費期限は安全に食べられる期限です。そのため、消費期限が切れた場合は劣化が始まり、腐敗している可能性も考えられます。
そのため、もし消費期限切れの牛肉を食べるのであれば、肉の状態をよく確認する必要があります。また、牛肉の保存方法によっては消費期限が前後することもあるので、正しい保存方法を覚えておきましょう。
消費期限が1~3日過ぎた牛肉
消費期限は、安全に食べられる期限として設定され、傷みやすい食品に記載されています。
また、生肉は細菌が繁殖しやすく、食中毒の危険性もあるため、できれば消費期限が1日でも過ぎた牛肉は食べることを避けた方がよいでしょう。もし、食べる場合には状態をよく確認して、自己責任で食べましょう。
消費期限が1週間過ぎた牛肉
牛肉は傷みやすい食材なので、消費期限を1日でも過ぎた場合は食べない方がよいでしょう。
たとえ冷蔵庫で保存していても消費期限が1週間も過ぎてしまった牛肉であれば、変色したり、異臭がしたりなどして傷んできている可能性が高くなっています。
見た目に変化がなくても、食中毒を起こす細菌が増殖していることもあるため、食べることは避けましょう。
消費期限が1カ月過ぎた牛肉
消費期限を1カ月も過ぎていれば、明らかに傷んでいる様子が見られるはずです。食べることはできないので処分するようにしましょう。
また、冷凍保存をすれば消費期限を超えて、いつまでも保存できると思っている人もいます。たしかに冷凍保存であれば牛肉を長く保存することはできますが、冷凍保存で完全に劣化が止まるわけではありません。
そのため、冷凍保存でも消費期限を1カ月過ぎていれば、食べることは避けた方がよいでしょう。
牛肉の正しい保存方法
牛肉は傷みやすい食材なので、消費期限までの期間は短く、消費期限を過ぎれば食べないことが望ましいです。
また、その牛肉は正しく保存ができていなければ、消費期限を縮めてしまうこともあります。消費期限が短くなってしまうことで、傷みがさらに早くなってしまいます。
牛肉のおいしさを長く保ち、安全に食べるためにも、正しい保存方法を把握しておくようにしましょう。
冷蔵で保存する
牛肉を保存する場合はまずパックから取り出し、表面の水分や肉汁をキッチンタオルなどで拭き取りましょう。また、牛肉の酸化が進まないように、ラップを密着させて包んでから、ジッパーつきの保存袋や密閉容器に入れ、空気に触れないようにしましょう。
牛肉の保存場所はチルド室が適していますが、チルド室がなければ、冷気が溜まりやすい冷蔵庫内の下の段で保存しましょう。正しく保存できていれば、牛肉の消費期限はパッケージに記載された日付に従うことになります。
冷凍で保存する
牛肉は冷凍保存することで、保存期間を延ばすことができます。牛肉を解凍後は、品質が急激に劣化しやすくなるために、再冷凍はできないので、小分けにして使う分だけ取り出せるようにしておきましょう。
冷凍保存をしておけば最長で1カ月ほど保存することも可能ですが、牛肉の状態や保存環境によっては冷凍をしても傷むことがあるため、2週間ほどを目安に食べきるようにしましょう。
消費期限切れの牛肉には要注意!無理して使わないようにしよう!
牛肉は生鮮食品であり、細菌が繁殖しやすく、場合によっては重篤な食中毒の危険性があることをお伝えしました。もったいないからといって、無理して食べないようにしてください。
また、買い物の際には、手に取ったときから牛肉の温度が変わっていくので、鮮度を保つためにレジに行く直前にカゴに入れるようにするとよいでしょう。購入してから持ち帰るまでの間も、できるだけ低温で持ち運ぶことで品質を保ちやすくなります。買ってきた牛肉はすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
おいしく安全に食べるためにも、鮮度を保ち、消費期限内に食べられるように心がけましょう。