【管理栄養士監修】賞味期限切れの「ごま油」はいつまで大丈夫?正しい保存方法は?
2020/08/17
ごま油を家にストックしている人は多いでしょう。しかしうっかりと賞味期限を切らせてしまうということもあります。日数別に、賞味期限が切れたごま油を食べることができるのかどうかの判断基準や正しい保存方法、傷んだときの特徴などを解説します。
ごま油は賞味期限がすぎても大丈夫?
ごま油は不飽和脂肪酸やビタミンEを含んだ食用油で、炒め物、和え物、スープ、ドレッシングなど、どんな料理にも使うことができます。
ごま油は、正しい保存方法を守れば日持ちする食品です。賞味期限が切れている場合は、油の状態をよく観察して食べられるのかを判断する必要があります。
賞味期限と消費期限の違い
ここで、消費期限と賞味期限の違いについてまとめます。
賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。
賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限をすぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた食べ物などが、記載されている「年月日」まで「安全に食べることのできる」期限になります。
お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。
もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期間にかかわらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。
【保存方法別】ごま油の賞味期限は?
ごま油はほかの食用油と比べると、セサミンという抗酸化作用のある特有成分が含まれることで、酸化しにくい油だといわれていますが、おいしく食べるための賞味期限があります。
油なので腐ることはありませんが、酸化がすすむとごま油特有の香りやうまみを感じられなくなることがあります。
未開封のごま油の賞味期限
未開封のごま油の賞味期限は、商品に表示されている期限です。
記載されている方法で保存され、未開封であれば、期限内にごま油の品質が劣化するということはほとんどないでしょう。
開封済みのごま油の賞味期限
開封後はパッケージに記載されている賞味期限にかかわらず、早めに使い切るようにしましょう。
開封後も適切な環境で保存できていれば1カ月〜2カ月は使うことができます。
ただし、保存状態によっては劣化してしまうこともあるので、開封してから時間が経っている場合には、使う前によく状態を確認しましょう。
冷蔵庫で保存したごま油の賞味期限
ごま油は光を避けて、涼しい場所であれば保存することができます。そのため、冷蔵庫で保存する必要はありません。
冷蔵庫でごま油を保存しても賞味期限は変わりませんが、低温によって、ごま油が白く濁ったり、固まったりなどすることがあります。白くなったごま油は温めると元にもどるので品質には問題ありませんが、料理のときにすぐに使うことができなくなってしまいます。
冷凍庫で保存したごま油の賞味期限
冷凍庫の場合も、冷蔵庫と同様の理由でごま油の保存には適していません。また、冷凍中に霜がついて水分を含んだ状態になると、加熱した際にごま油が強く跳ねる危険もあるので冷凍保存は避けましょう。
常温で保存したごま油の賞味期限
ごま油は暗くて涼しい常温の場所で保存します。
未開封の場合は記載されている期限、開封済みの場合は賞味期限に関係なく2カ月以内に使い切ることをおすすめします。
賞味期限がすぎて傷んだごま油の特徴
ごま油にも賞味期限があり、保存状態によって劣化が進んでしまうことがあります。
腐敗せず、酸化しにくいといわれるごま油ですが、賞味期限が切れている場合は、使用する前に状態を確認しましょう。ごま油が劣化すると以下のような特徴が見られます。
特徴1:香りの変化
ごま油には、独特の香りがあります。料理のなかには香りづけにごま油を使う場合もあるでしょう。しかし、賞味期限がすぎて品質が低下したごま油は、本来の香りが弱くなっていたり、油臭くなってしまいます。
本来の香りがなくなっているだけであれば、揚げ油として早めに使い切ることができますが、強い異臭などのほかの変化を感じる場合、使うのは避けましょう。
特徴2:色や性状の変化
一般的なごま油は、透き通った色をしています。しかし、劣化が進んだごま油は、最初のころよりも色が濃くなっていきます。劣化したごま油は風味も落ちてくるため、色が変わってしまう前に使い切るようにしましょう。
また、ごま油は油なので、もともとトロミがありますが、劣化が進むとドロッと粘りが強くなります。粘りが強くなったごま油も使うことは避けましょう。
特徴3:不純物が混ざることによる劣化
こちらは賞味期限は関係がないケースですが、ごま油を揚げ油としてくり返し使う場合に起きがちなことなので、合わせて解説します。
ごま油を熱したときに、低温でも煙が上がる場合は、ごま油が劣化している可能性があります。これはごま油に不純物が混じっていてるためです。
ごま油は傷みにくいですが、ごま油に含まれる不純物が傷んでしまうということはあります。ごま油を揚げ油として数回使う際には、不純物が入りやすく、空気や光にもふれやすくなるので注意が必要です。
【日数別】賞味期限切れのごま油はいつまで食べられる?
ごま油の賞味期限が切れてしまった場合は、いつまで食べられるのでしょうか。
賞味期限がすぎたごま油はおいしく食べられる期限をすぎてしまっていますが、傷みにくいことから状態を確認すれば問題ない場合もあります。
日数別の判断基準を紹介しますので参考にしてみてください。
賞味期限が1カ月すぎたごま油
ごま油は、賞味期限を1カ月ほどすぎていても、食べられる可能性が高いです。保存状況により一概にはいえませんが、ごま油は傷みにくい食材ですので、状態を確認して、違和感がない場合は食べることを検討してもよいでしょう。
ただし、一度でも揚げ物などに使用したごま油は、高温にさらされて酸化が進んでいるため、使用してから1カ月も経っていたら口にしないでください。酸化した油は、胸やけや胃腸障害を引き起こすことがあります。
賞味期限が半年すぎたごま油
ごま油の賞味期限が半年すぎていても、食べられる可能性はあります。ただし、賞味期限を半年もすぎているので、品質は保つことができなくなっているでしょう。
とくに、開封済みのごま油は、劣化していることが考えられます。ごま油の状態をしっかり確認し、自己責任で使うようにしましょう。
賞味期限が1年以上すぎたごま油
ごま油は腐敗しないため、賞味期限が1年以上すぎたものでも食べられる可能性はありますが、劣化が避けられないため、おすすめすることはできません。
品質の保証はないため、おいしくごま油を食べたいかたは廃棄することをおすすめします。
ごま油の正しい保存方法
大前提として、保存に関しては商品に表示されている保存方法を確認してそれを守るようにしましょう。
開封済みのごま油は、必ず封をしっかり閉めて保存してください。異物の侵入を防ぎ、酸化を抑えることができます。
常温で保存する
ごま油は常温で保存することができます。ごま油は光や熱によって劣化してしまうため、常温保存をするときには、光を避けられる場所で保存しましょう。また、コンロの近くではなく、湿気や熱がこもらない20℃程度の温度が保てる場所で保存しましょう。
ただし、冬場に涼しい場所で保存したままでは、ごま油が固まって白くなってしまうことがあるので注意しましょう。
賞味期限切れのごま油には要注意!無理して食べないようにしよう!
賞味期限がすぎたからと、すぐに食べられなくなるわけではありません。ごま油は傷みにくいですが、賞味期限があります。
おいしく食べるためにも、正しい保存方法を守り、忘れずに賞味期限をチェックしましょう。期限が切れてしまった場合は、無理をして食べないようにしてください。