【管理栄養士監修】賞味期限切れの「蕎麦（そば）」は冷蔵保存でいつまで食べられる？
2020/08/25
賞味期限はおいしく食べられる期限。保存状態にもよりますが、期限がすぎたらすぐに処分しなければいけない、というわけではありません。今回は賞味期限切れの「蕎麦（そば）」を冷蔵保存した場合、いつまで食べられるのかについて解説します。
そばは賞味期限がすぎても食べられる？
そばには麺に含まれる水分量によって「生麺」「乾麺」「半生麺」の種類があり、それによって日持ちする期間に大きく差があります。
生麺は水分が30％くらい含まれ、冷蔵保存で消費期限が2～3日、冷凍保存で賞味期限が1カ月といわれています。風味を損なうだけでなく衛生面からも、早めに食べる必要があります。乾麺は水分が14％以下とされていて、一般的には賞味期限が1年ほどあります。
半生麺は、生麺と乾麺の間の水分量となっていて、生麺の香りの強さを持ちつつ、水分を抑えることで保存期間を少し延ばしています。一般的には、賞味期限が1～3カ月ほどとなっています。
賞味期限と消費期限の違い
ここで、消費期限と賞味期限の違いについてまとめます。
賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。
賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限をすぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた食べ物などが、記載されている「年月日」まで「安全に食べることのできる」期限になります。
お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。
もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期間にかかわらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。
【種類別】そばの賞味期限は？
ここからはそばの生麺・乾麺・半生麺ごとの賞味期限を詳しく解説していきます。
そばの麺の種類の違いによって、賞味期限の長さだけでなく、保存方法も異なります。そのため、パッケージの記載をよく確認するようにしましょう。
生そばの賞味期限は？
生そばは水分を多く含むため、冷蔵保存で消費期限が2～3日であることが多いです。
消費期限は、安全に食べられる期限となっているため、すぎてしまった場合、食べるのはやめておきましょう。また、消費期限前であっても、時間が経つほど風味や食感が失われやすくなるので、できるだけ早く食べ切ることをおすすめします。
また、手打ちしたそばや一度ゆでた麺も同様ですので、注意しましょう。冷凍保存用につくられたそば以外はあまりおすすめできませんが、1カ月ほど冷凍保存できるといわれています。
乾麺のそばの賞味期限は？
そばの乾麺の賞味期限は、1年程度です。
乾燥させることで、カビや微生物が繁殖にくくなり、長期間保存することができます。生麺に比べて、そばの香りは弱くなりますが、時間が経つと麺のコシが強くなるといわれています。
半生そばの賞味期限は？
半生そばの賞味期限は90日程度です。
半生そばは、生そばの風味を失わないように保存可能な状態にしたそばで、高温多湿を避けて常温保存が可能です。メーカーにもよりますが、賞味期限は1～3カ月とされています。
【開封状態別】そばの賞味期限は？
開封済みの場合と、未開封の場合ではそばの賞味期限に違いがあるのでしょうか。
種類ではなく開封の有無による賞味期限の違いについて解説します。
未開封のそばの賞味期限
賞味期限は未開封を想定して設定されています。
生麺、乾麺、半生麺いずれも未開封に限り、表記の消費期限・賞味期限内であればおいしく食べられます。消費期限をすぎた場合は安全性、賞味期限がすぎてしまった場合はおいしさや品質の保証がないことを認識しましょう。
開封済みのそばの賞味期限
開封済みのそばは、品質の劣化が早まるため、早めに使い切りましょう。
開封後のそばは、匂い移りや虫害などを防ぐためにチャックつきの袋に入れるなどして袋口をしっかりと閉めて、できるだけ早めに使い切るようにします。
また、空気にふれることでカビや微生物などが繁殖しやすくなるので、空気を抜いて密封保存しましょう。生麺や半生麺は必ず冷蔵保存します。そばは、時間が経つほど風味が損なわれていくので、できるだけ早く食べ切るようにしてください。
賞味期限がすぎて傷んだそばの特徴
賞味期限のすぎたそばは、風味が損なわれていて本来のおいしさを感じられなくなります。
さらに劣化が進んで傷んだそばを食べてしまうと、体調に悪影響が出てしまうかもしれません。ここからは、賞味期限がすぎて傷んだそばの特徴をご紹介します。
特徴1：カビ
品質管理ができていないそばにはカビが発生する可能性があります。
保管状態のよくない場合は、長い期間保存していると、そばにカビが発生します。湿度の高い場所での保存は、吸湿によって微生物の数が増殖しやすくなり、食中毒に繋がる可能性もあります。
その場合、酸っぱい臭いなどがすることもあります。カビが生えたそばは、食べるのを避けましょう。
特徴2：虫がつく
保存状態が悪いそばは虫がつくことがあります。
とくに乾麺の開封したそばは、プラスチックの密閉容器や缶などへ入れておかないと、乾麺を好むシバンムシなどの害虫がついてしまう可能性があります。この虫は、ごく一般的な家庭でも発生する可能性があるので注意が必要です。
【日数別】賞味期限切れのそばはいつまで食べられる？
賞味期限切れのそばでも、状態が悪くなければ食べられる可能性はあります。
賞味期限を1日でもすぎたら絶対に食べられないというわけではなく、おいしく食べられる期限をすぎてしまったということなので衛生上は問題ないこともあります。
しかし、そばの種類によっては傷みやすいものがありますので注意してください。
賞味期限が1～3日すぎたそば
賞味期限が1～3日すぎてしまった場合、そばが傷んでいる可能性は低いと考えられます。
ただし、乾麺や半生麺に限りますが、未開封で正しく保存されていたのであれば、もともとの賞味期限が長いことからもすぐに傷むことはないからです。その場合であっても、そばの状態を確認して判断するようにしてください。
賞味期限が1週間すぎたそば
賞味期限が1週間すぎた場合であっても、状態を確認して食べられる可能性があります。
乾麺そばで未開封のものでは、保管状態がよければ見た目も匂いも変化のない場合もあります。
生麺は、冷凍庫で保存している場合のみ食べられると考えましょう。その場合であっても、解凍してからカビや異臭がしないか、必ず確認するようにしましょう。
開封後、時間が経っているものは傷みやすいので、少しでもおかしいと感じたら食べるのは避けましょう。
賞味期限が1カ月すぎたそば
賞味期限が1カ月すぎた場合であっても、保存状態によっては食べられる可能性があります。
半生麺は、乾麺よりも水分量が多く、賞味期限も短く設定されているため、傷むのが早くなります。それに対して乾麺は、長期保存に向いているため、1年以上すぎても食べるという人もいます。
ただし、開封後は保存期間が長くなるほど、風味や食感が劣化したりカビや匂い移りが起きやすくなるため、乾麺であっても早めに使い切るようにしましょう。
そばの正しい保存方法
そばは、パッケージに表示されているとおりに保存しましょう。
生麺は、乾燥を防いで密封容器などで冷蔵保存します。湿気や匂いを吸収しやすいので、保管場所に気をつけましょう。
冷蔵庫で保存する
生そばや手打ちそばは、冷蔵庫で保存しましょう。
そばが乾燥して切れやすくならないようにプラスチック製の保存容器などに打ち粉をしたそばを入れて、上に薄い布などをかぶせ霧吹きなどでしめらせます。
冷凍庫で保存する
冷凍保存をする場合は、1食分ずつに分けて、ラップなどに包み冷凍室に保存します。さらにジッパーつきのポリ袋などに入れて密封して冷凍保存すると約1カ月保存可能といわれています。
食べるときはそのままゆでるか、冷蔵庫に移して自然解凍しましょう。麺によっては、ほぐれにくくなったり、切れやすくなることがありますので、冷凍をすすめていないものは、なるべく冷蔵保存で早めに食べるようにしましょう。
賞味期限切れのそばには要注意！無理して食べないようにしよう！
そばは賞味期限がすぎても、食べられる可能性があることがわかりました。そばは生や乾燥したものなどさまざまな種類があり、簡単に調理できるため、ストックする人も多いでしょう。
おいしく食べるためにも、正しい保存方法を守り、忘れずに賞味期限をチェックしましょう。期限が切れてしまった場合は、無理をして食べないようにしてください。
