完熟キンカンフルーツ

【管理栄養士監修】「金柑(きんかん)」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめの調理方法は?

2020/10/17

金柑(きんかん)には疾病予防や便秘改善、ダイエットや美肌効果など健康な体づくりに大切な多くの栄養素があり、ひと手間かけることでよりおいしくいただくことができます。今まで金柑になじみがなかった人も、ぜひご家庭で金柑を楽しんでみてはいかがでしょうか。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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金柑の種類

主に食用とされる金柑は、「寧波金柑」という品種で、青果店などで見かけるものの多くがこの品種です。ちなみに「寧波」はネイハ、またはニンポウと読みます。

この他にも、「長金柑」「丸金柑」「長寿金柑」「豆金柑」などがあり、これらは主に加工用や観賞用として利用されています。

金柑のカロリーと栄養素

キンカンフルーツ
Piotr Krzeslak/gettyimages

生の金柑の100gあたり、71kcalです。

果物の中では、多くのカルシウムを含んでいるのも特徴です。生の金柑100gあたりの栄養素は、ビタミンCが49mg、β-クリプトキサンチンが200㎍、カルシウムが80mgです。

また、気管支筋弛緩作用があり咳止め効果を期待できるシネフリンや、血流改善作用があると言われるヘスペリジンなどの栄養素が含まれています。

金柑に含まれる栄養素
・ビタミンC
・β-クリプトキサンチン
・カルシウム
・シネフリン
・ヘスペリジン

金柑の栄養素1:ビタミンC

ビタミンCはコラーゲンの生成を補助したり、メラニン色素の過剰生成を抑制するなどの肌環境を整えてくれると言われている栄養素の1つです。

ビタミンCは、皮膚や細胞をつなぐ役割をするコラーゲンというタンパク質の合成に必要です。また、喫煙やストレスなどによって消費されやすいため、毎日積極的に摂る必要があります。

金柑の栄養素2:β-クリプトキサンチン

β-クリプトキサンチンは、金柑の色素成分で、必要に応じて体内でビタミンAに変換されるため、β-カロテンと同じく、プロビタミンAと呼ばれています。

抗酸化作用のあるβ-クリプトキサンチンの血中濃度が高い人ほど、動脈硬化やインスリン抵抗性などの生活習慣病のリスクが低下すると言われています。

金柑の栄養素3:カルシウム

カルシウムは、骨や歯の主要な構成成分となる栄養素で、健康な体づくりには欠かせない、重要な役割をしています。

体内のカルシウムの99%は骨と歯に、残りの1%は血液や筋肉などに存在しており、この1%のカルシウムが止血や神経伝達や神経興奮の抑制などに作用しています。

金柑の栄養素4:シネフリン

シネフリンは、ミカン科の果物に含まれる酸味成分で、皮の部分に多く含まれていると言われています。

シネフリンは、気管支弛緩作用により、咳止め効果などに期待されています。

金柑の栄養素5:ヘスペリジン

ヘスペリジンとは、柑橘類の果実の皮などに含まれるポリフェノールの一種で、ビタミンPと呼ばれることもあります。

ビタミンCの吸収を促進し、血管の強化をや、高血圧の予防、血中コレステロールの改善などさまざまな効果があると言われています。また、花粉症の予防効果にも期待がされています。これは、アレルギー反応から起こる炎症を抑制する作用を持つためです。

金柑はダイエットに効果がある?

キンカン、リーフ
popovaphoto/gettyimages

金柑の持つ栄養素であるヘスペリジンには、中性脂肪を低下させる効果もあると言われています。

ヘスペリジンには、中性脂肪だけでなく、悪玉コレステロール(LDL)値を低下させる効果も期待できる栄養素です。また、金柑は皮ごと食べることも多い果実である為、皮やスジに含まれる食物繊維が腸の調子を整えてくれます。

しかし、金柑100gあたりのカロリーは71kcalと、みかん100gあたりのカロリー46kcalに比べ、少し高いため食べ過ぎには注意が必要です。

金柑を使ったおすすめのレシピ

金柑は知っているが、調理の仕方がわからない、なじみがないという人も多いのではないでしょうか。生でもおいしくいただくことはできますが、手を加えることでよりおいしい味わいの金柑を楽しめます。

金柑の栄養素は、健康維持やダイエットなどさまざまな効果が期待されています。ぜひ、ご家庭で調理してみてはいかがでしょうか。

ここからは、金柑の素材を活かしたレシピを3つご紹介します。

金柑のおすすめレシピ1:金柑の甘露煮

出典:白ごはん.com

金柑の甘露煮は、渋みや苦みのある金柑であっても、ひと手間かけることで食べやすく甘みを楽しめるようになる一品です。

生のままだと比較的傷みやすい金柑も、甘露煮にすることで2週間程度保存できます。

蜜をお湯割りにして「ホット金柑」としてもおいしくいただける金柑の甘露煮は、風邪や喉に効く栄養素も持つことから寒い季節におすすめです。

金柑のおすすめレシピ2:キンカンの白ワインコンポート

出典:E・レシピ

キンカンの白ワインコンポートは、さまざまな料理に合わせて使える便利な保存食です。

キンカンの白ワインコンポートは、肉料理の付け合わせや、ヨーグルトやパウンドケーキと一緒にしても良いですし、そのまま食べることもできます。

スパイスの量や種類はお好みで、シナモンなどを入れると風味が良くなるでしょう。また、キンカンの白ワインコンポートは、お湯割りや炭酸割りにしても楽しめます。比較的大人受けする調理法と言えるでしょう。

金柑のおすすめレシピ3:キンカンのチーズタルト

出典:E・レシピ

キンカンのチーズタルトは、金柑の特徴である程よい苦みや酸味を活かした料理です。

キンカンのチーズタルトは、先ほど紹介した金柑の甘露煮やキンカンの白ワインコンポートを使用して調理できる一品です。チーズの濃厚な風味と金柑の酸味や苦みは相性が良く、甘露煮を使えばより甘みが際立ち、コンポートを使えば比較的ビターな味わいが楽しめます。

金柑の栄養素を体に取り入れながら、キンカンのチーズタルトの甘酸っぱい風味をご家庭で楽しんでみてはいかがでしょうか。

金柑をおいしく食べよう!

フルーツ オレンジやツリー、緑の自然の背景 [バスケットに柑橘類のスギについて。天日干し柑橘家庭で、それは果物を処理します。
ARISA THEPBANCHORNCHAI/gettyimages

健康な体つくりに大切な栄養素を持つ金柑をよりおいしく食べるには、追熟させたり、乾燥しないように保存袋などに入れておくことが大切です。

金柑を選ぶときは、色が濃く、ハリと艶があり、重さを感じヘタが新鮮であるものを選びましょう。

完熟前の金柑は、常温で2週間、完熟後は1週間を目安に食べるようにしましょう。また、冷蔵する場合は野菜室を選んで、完熟前で3~4週間、完熟したものは2週間がおいしく食べられる目安です。金柑の栄養素を体に取り入れ、おいしく健康的に楽しみましょう。

監修者ミニコラム:糖度20度超えの金柑!種無し金柑!選ぶのが楽しくなる金柑の種類

金柑は皮が薄くて甘味があり、丸ごと食べられる最小サイズの柑橘類。冬が旬で、小粒ながらも栄養がたっぷり。ただ、種がいくつも詰まっていたり、苦みや酸味が強いものに当たることも……。

そんな心配がある人は、「こん太」や「ぷちまる」といった名前で売られている金柑がおすすめ。

こん太:つるっとした表面が特徴で、酸味が少なく、糖度は20度以上!
ぷちまる:種がない品種なので、ヘタだけ外したら丸かじりOK!

ほかにも、樹上で完熟を待って甘くして出荷されていたりと、おいしく食べられるものがたくさんありますよ。ぜひ、感染症対策や免疫力UPに、金柑を取り入れてみては?

※参考にしたサイト

 
 

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