冬のイメージ甘酒と雪のダルマ

【管理栄養士監修】賞味期限切れの「甘酒」はいつまで大丈夫?開封状態に分けて解説!

2020/07/26

甘酒は発酵食品というイメージがあり、急いで飲む必要はないと思っているかたもいるでしょう。しかし甘酒も賞味期限が切れてしまうと傷んでしまうこともあります。また、発酵食品であるからこその注意点などもあります。そのため、甘酒の賞味期限と保存方法については正しく把握しておくようにしましょう。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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甘酒は賞味期限がすぎても飲める?

ノンアルコール甘酒 (日本語「甘酒」)
Wako Megumi/gettyimages

甘酒の賞味期限は、製造方法やメーカーにより異なりますが、2日〜1週間程度といわれています。

甘酒には、米と麹からつくられた米麹甘酒と、酒粕と砂糖でつくられた酒粕甘酒の2種類があり、一般的に米麹甘酒は日持ちしやすく1週間程度、酒粕甘酒は2~5日程度に設定されていることが多いようです。

また、手づくりの甘酒は、できるだけ早く飲食しましょう。

賞味期限と消費期限の違い

ここで、賞味期限と消費期限の違いについてまとめます。賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく飲食できる」期限のことです。

賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限をすぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。

消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた場合、記載されている「年月日」まで「安全に飲食できる」期限になります。お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。

もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期限にかかわらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。

【保存方法別】甘酒の賞味期限は?

日本の甘いアルコール飲料の飲み物
akiyoko/gettyimages

賞味期限は未開封で正しく保存されていた場合に、品質を保っておいしく食べられる目安の期限となっています。ただし、保存状態が悪ければ、パッケージに記載されている賞味期限よりも早く賞味期限を迎えてしまうこともあります。

甘酒を安全においしく飲むためにも、どのような状態で保存すれば、どのくらい賞味期限が変わるのか把握しておくようにしましょう。

未開封の甘酒の賞味期限

賞味期限は未開封で、正しく保存されていた場合を想定して設定されています。そのため、未開封で正しく保存されている甘酒はパッケージに記載されている賞味期限に従うことになります。

甘酒の賞味期限は、甘酒の原料や製造工程によって違いがあります。手づくりのものであれば、加熱の有無によって数日から1週間ほど、市販品では加工技術の工夫や添加物などを使うことで半年以上というものもあります。

甘酒には2種類あり、酒粕に砂糖を加えてつくられるものより、米を麹で発酵させたほうが日持ちはよいとされています。メーカーによっても差がありますので、購入するときに確認しましょう。

開封済みの甘酒の賞味期限

賞味期限は未開封の状態で、正しく保存されていた場合を想定して設定されています。そのため、甘酒を開封した場合はパッケージに記載されている賞味期限は無効となってしまいます。

開封した甘酒は、記載されている賞味期限にかかわらず、冷蔵保存で2~3日を目安に飲みきるようにしましょう。

ただし、甘酒の状態や保存環境などによっては早く傷むこともあるので、できるだけ早めに飲みきることが望ましいです。

冷蔵庫で保存した甘酒の賞味期限

一部の市販品では開封するまで常温保存が可能ですが、通常、甘酒は冷蔵庫で保存します。市販の甘酒は手づくりの甘酒より、賞味期限が長くなっていますが、それは火入れという作業が行われているためです。火入れによって菌の繁殖を抑制し、発酵を止めて、品質を長く保てるようになります。

市販品はほとんどが火入れされていますが、なかには火入れされず賞味期限が短いものもありますので、発酵を抑えるためにも必ず開封前から冷蔵保存しましょう。

冷凍庫で保存した甘酒の賞味期限

風味が多少落ちても、保存期間を優先するのであれば、甘酒は冷凍保存をしてもよいでしょう。甘酒を冷凍することで、菌が繁殖できなくなるため、傷みにくくなります。

甘酒を冷凍した場合、火入れなしで2カ月、火入れありで6カ月ほど保存できます。ただし、保存状態によっては傷むこともあるので、必ず状態は確認しましょう。

未開封のまま冷凍する場合、体積が膨張して容器が破裂することがあるので注意が必要です。開封後は匂い移りしやすくなりますので、耐冷性能のある密閉容器やフリーザーバッグなどに移し替えましょう。

常温で保存した甘酒の賞味期限

市販の未開封で常温保存が可能な甘酒以外は、常温で保存することができません。要冷蔵品や開封済みの甘酒を常温で保存すると、変色が進み、異臭がするようになります。

色や匂いが変わってしまった甘酒は、品質が保たれていない可能性があります。そのため、飲むことができなくなってしまいます。

火入れされていない甘酒や開封したものを常温で置いておくと、早く品質が劣化してしまうため、必ず冷蔵庫で保存するようにしましょう。

賞味期限がすぎて傷んだ甘酒の特徴

甘酒、発酵米から作られた日本の飲料の伝統的な甘い非アルコール酒
kuppa_rock/gettyimages

賞味期限はメーカーが設定しており、多くの場合はゆとりを持って設定しています。そのため、賞味期限がすぎたからといって、すぐに飲めなくなるわけではありません。

しかし、正しく保存ができていない場合には早く傷んでしまうこともあります。もし、甘酒の賞味期限がすぎているのであれば、必ずその状態は確認しましょう。

傷んでいれば、甘酒からはいくつかの特徴が見られるようになります。

特徴1:酸味

火入れをしていない甘酒は、未開封であっても発酵が進みます。

甘酒の発酵が進んでくると、酸味のある臭いがするようになります。これは甘酒に含まれる乳酸菌によるもの。乳酸菌であれば、酸味が強くて味が落ちてしまうものの、多少ならば飲むことに問題はありません。

しかし、発酵ではなく腐敗している可能性もあり、これらの判断はむずかしいこともあるので、酸味の強い甘酒を飲むことは避けたほうがよいでしょう。

特徴2:変色

甘酒に含まれている糖とたんぱく質が反応して、茶色い成分がつくられることがあります。これはメイラード反応(もしくはアミノカルボニル反応)と呼ばれ、常温保存や高温下で進行しますが、体に影響はありません。

ただし、焦げたような臭いを伴うこともあり、その場合は風味が劣化しているので飲まないほうがいいでしょう。

【日数別】賞味期限切れの甘酒はいつまで飲める?

ノンアルコールライスドリンク (日本の「甘酒」)
Wako Megumi/gettyimages

賞味期限は、品質を保っておいしく飲食できる目安の期限なので、賞味期限が切れても、味や風味は落ちるものの、すぐに食べたり、飲んだりできなくなるわけではありません。

しかし、賞味期限は正しい方法で保存されていた場合で設定されているため、正しく保存できていない場合には、早めに賞味期限を迎えてしまうこともあります。

そのため、賞味期限を少しでもすぎたのであれば、必ず状態は確認するようにしましょう。

賞味期限が1~3日すぎた甘酒

賞味期限は、品質を保っておいしく飲食できる目安の期限です。メーカーもゆとりを持って賞味期限を設定していることが多いです。

そのため、正しく保存されていた場合の甘酒であれば、賞味期限が1~3日ほどすぎても飲むことはできます。

ただし、甘酒の状態や保存環境などによっては、傷んでしまうこともあるので、念のため状態は確認するようにしましょう。

賞味期限が1週間すぎた甘酒

火入れされていない甘酒は未開封でも発酵は進むので、正しく保存ができていたとしても発酵が進みすぎてくるかもしれません。また、賞味期限が短い手づくりの甘酒も傷んでくる可能性があります。

しかし、甘酒の発酵が進んでいても、賞味期限から1週間ほどであれば、酸味が強くなっているというだけで飲める可能性はあります。ただし、腐敗と発酵の区別はむずかしいこともあるので、少しでも違和感があれば飲むことは避けましょう。

そのほかの状態もよく確認し、自己責任で判断しましょう。

賞味期限が1カ月すぎた甘酒

どの甘酒も、賞味期限がすぎて、さらに1カ月も経っていれば品質は保たれていない可能性があります。

賞味期限が1カ月もすぎていれば、変色したり、異臭を放つこともあります。このような状態になっていれば、飲むことはできないので処分しましょう。

もし、見た目に変化がないように見えても、腐敗が進んでいることもあるので注意しましょう。

甘酒の正しい保存方法

甘酒は、発酵米から作られた伝統的な甘い、ノンアルコールの日本の飲み物です。
karimitsu/gettyimages

賞味期限は正しい方法で保存されている場合を想定して設定されています。そのため、正しく保存ができていなければ、賞味期限を縮めてしまうこともあります。

また、賞味期限が短くなってしまうことで、傷みも早くなってしまいます。とくに、火入れされていない甘酒は未開封でも発酵が進むため注意が必要です。

甘酒のおいしさを長く保つためにも、正しい保存方法を把握しておくようにしましょう。

冷蔵庫で保存する

甘酒は基本的に冷蔵庫で保存します。

市販の甘酒であれば、たいていは火入れされているので、そのまま冷蔵庫に入れて保存することができます。自家製の甘酒の場合、火入れしているのであれば密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。

もし、火入れがされていないままの甘酒を密閉してしまうと、発酵の過程で発生するガスによって、膨張して容器が破裂したり、ふたが外れることがありますので、隙間を開けて保存するようにしましょう。

冷凍庫で保存する

甘酒は冷凍すると品質が劣化してしまいます。しかし、多少の品質の劣化を気にしないという場合には、保存期間を優先して冷凍をしてもよいでしょう。

甘酒は冷凍をすることで、冷蔵庫での保存よりも長く保存しておくことができます。ただし、市販の甘酒の容器は冷凍保存を想定されておらず、そのまま冷凍することで体積が増えて膨張し、容器が破裂してしまう可能性があります。また、開封後の甘酒は匂い移りしやすくなりますので、耐冷性能のある密閉容器やフリーザーバッグなどに移し替えるようにしましょう。

なお、冷凍前の状態によっては、冷凍しても傷む可能性が考えられるので、必ず飲む前には状態を確認しましょう。

常温で保存することはできる?

甘酒は酒と名前についているため、お酒のように常温で保存ができると思っているかたもいるでしょう。

しかし、米と麹でつくられた甘酒は、アルコールを含んでいません。酒粕と砂糖でつくられた甘酒は、わずかなアルコールが含まれます。そのため、お酒というよりも、ヨーグルトに近いイメージです。

メーカーや商品によっては、開封前の甘酒を常温保存できることもありますが、暑くなる季節は冷蔵保存のほうが安心です。なお、手づくりの甘酒や、市販品であっても火入れされていないものは、必ず冷蔵保存しましょう。

賞味期限切れの甘酒には要注意!無理して飲まないようにしよう!

甘い酒とソバ井口に入ったスプーン
c11yg/gettyimages

賞味期限は正しく保存できている場合を想定して設定されています。

そのため、保存状況によっては賞味期限は短くなることもあります。

できるだけ、おいしく味わうことができるよう、正しい保存方法で賞味期限内に使い切るようにしましょう。どうしてもむずかしい場合には、早めに冷凍保存を利用し、賞味期限切れの甘酒を無理に飲まないようにしましょう。

参考サイト

※参考にしたサイト

 
 

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