【管理栄養士監修】「春菊」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/07/28
春菊には独特な香りと苦みがあり、少し苦手というかたもいるのではないでしょうか?春菊には栄養素が豊富に含まれており、健康な体づくりやダイエットなど、さまざまな効能を期待できます。上手に調理することで、春菊をおいしく食べましょう。
春菊の種類と栄養
春菊は、葉の大きさで大葉種・中葉種・小葉種に分類され、栄養素を多く含む野菜といわれています。 関西では菊菜とも呼ばれます。
大葉種は、葉の切れ込みが浅いのが特徴で、おもに中国地方や九州で栽培されています。中葉種は、葉に深い切れ込みがたくさんあり香りが強めなのが特徴で、栽培の主流となっています。
小葉種は、現在あまり栽培されていません。春菊は緑黄色野菜で、βーカロテンを始めとした多くの栄養素を含み、さまざまな効能を期待できます。
春菊のカロリーと栄養素
春菊は比較的低カロリーで、多くの栄養素を含んでいます。
春菊100gあたりのカロリーは、生の状態で22kcalです。また、春菊100gあたりには、β-カロテンが4,500μg、カルシウムが120mg、葉酸が190μg、ビタミンKが250μg、カリウムが460mgなど、健康によいとされる多くの栄養素を含んでいます。
春菊の栄養素
・β-カロテン
・カルシウム
・葉酸
・ビタミンK
・カリウム
春菊の栄養素1:β-カロテン
β-カロテンは、色鮮やかな緑黄色野菜などに多く含まれ、人体の免疫機能を正常に維持するために必要不可欠な栄養素です。
β-カロテンは、抗酸化作用があり、活性酸素から細胞を守ることで、がんの予防効果が期待されています。また、体内では必要に応じてビタミンAに変換されることで、肌の健康を維持して、美肌効果も期待できるといわれています。
春菊の栄養素2:カルシウム
カルシウムは、骨や歯の構成成分で、健康な体づくりには欠かせない栄養素です。
カルシウムを上手に摂取すると、骨粗しょう症の予防、精神を安定させるなどの効能が期待できます。
とくに発育期の子ども、妊婦、高齢者は、カルシウム不足により骨の発育障害や成長不良などを引き起こすこともあるので、積極的に摂取していきたい栄養素といえるでしょう。
春菊の栄養素3:葉酸
葉酸は、体内での細胞の分裂や成長に影響し、とくに妊娠を望んでいる人や妊娠・授乳中の人に必要な栄養素です。
胎児が正常に発育するための重要な働きをするといわれています。葉酸には、ビタミンB12とともに赤血球の形成を助ける造血作用もあるので、造血のビタミンとも呼ばれます。
貧血や動脈硬化の予防効果があるともいわれています。
春菊の栄養素4:ビタミンK
ビタミンKは、出血を止める働きと、骨の健康を保つ働きのある栄養素です。
ビタミンKは、 血液を凝固させ止血する効能があることから、止血のビタミンとも呼ばれています。
また、骨にカルシウムが沈着するのを助け、骨からのカルシウムの流出を防ぐ働きもあるため、骨の健康のためにも欠かせない栄養素といえるでしょう。
春菊の栄養素5:カリウム
カリウムは、過剰に摂取したナトリウムを体外へ排泄する成分で、生命を維持する上で欠かすことのできない栄養素です。
近年の食生活の変化やナトリウムの過剰摂取などにより、カリウムの摂取は重要視されています。
ナトリウムとカリウムをバランスよくとることで、高血圧やむくみを予防・改善したり、筋肉の働きを正常に保つ働きがあるといわれています。
春菊はダイエットに効果がある?
カロリーを抑えつつ必要な栄養素を摂取できる春菊は、ダイエットに効果があると期待できます。
また、カリウムには、体内にたまった余分な水分を排出させ、むくみを改善する効果があるといわれています。
比較的低カロリーな春菊を上手に使うことで、食事全体のカロリーを抑えることもできるでしょう。
春菊を使ったおすすめのレシピ
春菊には独特な香りと苦みがあり、少し苦手というかたもいるのではないでしょうか?ここでは、春菊の苦味をおさえ、香りもおいしく感じられるレシピを紹介します。
春菊には栄養素が豊富に含まれており、健康な体づくりやダイエットなど、さまざまな効能を期待できます。ふだんの料理にも春菊を取り入れてみてはいかがでしょうか。
春菊のおすすめレシピ1:苦味をおさえて食べやすい。春菊のおひたし
春菊のおひたしは、しっかりとした食感と独特な香りを楽しめます。
春菊は、葉の部分をゆですぎると苦味が増すので、茎の部分と葉の部分を時間差でゆでることで食べやすくなります。白だしとおかかを加えることで、さらにうま味がアップします。
春菊の食感と独特な香りを味わえる、シンプルな副菜としておすすめのレシピです。
春菊のおすすめレシピ2:菊菜のガーリック炒め
菊菜(春菊)のガーリック炒めは、クセが少なく主菜としても副菜としても楽しめる料理です。
菊菜といっしょに炒めるニンニクとベーコンが香ばしく、食欲をそそります。菊菜はサッと炒めるのがポイントで、最後に黒こしょうで味をピリッとしめます。菊菜とベーコンの色合いが鮮やかで、食卓を彩る見た目もおいしい一品です。
春菊のおすすめレシピ3:春菊の菜飯
春菊の菜飯は、ゆでた春菊を刻んでご飯に混ぜるだけの、とてもシンプルな料理です。
ゆでて刻んだ春菊に、先に塩を加えてからご飯と混ぜ合わせることがポイントです。こうすることで春菊の青臭さが消え、味にメリハリがつきおいしく仕上がります。
春菊の風味が少し苦手なかたも、ごはんと混ぜることで食べやすくなり、主食としても楽しめます。
春菊をおいしく食べよう!
栄養素の多い春菊をよりおいしく食べるためには、よい春菊を選び、上手に調理することが大切です。
春菊を選ぶときは、鮮やかな濃い緑色をしていて、葉先まで元気な鮮度の高いものを選びましょう。さらに、茎が少し細目で柔らかい方がおいしい春菊です。
春菊を調理するときは、固さの違う葉と茎を時間差でゆで、加熱しすぎないようにすることで、苦みをおさえられます。春菊を上手に選んで上手に調理し、おいしく食べましょう。
監修者ミニコラム:独特な香りには癒し効果?【春菊】は、ストレス過多や暴飲暴食時の強い味方だった!
秋に花を咲かせる菊に対し、春に菊に似た花を付けることから「春菊」と呼ばれるようになったのだとか。ヨーロッパでは観賞用でしたが、和食ブームの影響で最近は食用されるようになったようです。
好き嫌いが分かれる香りですが、なんと、副交感神経を優位にしてリラックスさせる効果が!癒しを感じる「ひのき」と同じ香り成分も含まれていて、全10種の成分からなる「春菊」の香りには、胃腸の働きを活性化する効果も!
旬は11~3月とされ、出始めのものは、香りが爽やかで葉・茎もやわらかく生食向き。終わりごろのものは、筋張って厚みが増し、鍋料理など加熱調理向き。
香りが強いほど鮮度がよい証拠なので、たくさん香りを嗅いでみてくださいね!