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【管理栄養士監修】賞味期限切れの「パン粉」はいつまで大丈夫?正しい保存方法は?

2020/07/29

ふだん、何気なく使っているパン粉ですが、実は保存方法によって賞味期限が変わってくることはご存じですか?今回はフライなどの揚げ物には欠かせないパン粉の保存方法や賞味期限について調べました。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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パン粉は賞味期限がすぎても食べられる?

Ilya_Starikov/gettyimages

サクッとした独特の口当たりが特徴のとんかつやフライなどの衣や、ハンバーグなどのつなぎとして使用されることが多いパン粉ですが、中途半端に余ってしまいがちな食品でもあります。

余っていたパン粉をそのまま使用することはあると思いますが、ほかの食品と同じようにパン粉にも賞味期限が決められています。

賞味期限と消費期限の違い

ここで消費期限と賞味期限の違いについてまとめます。

賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。

賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限をすぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。

消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた食べ物などが、記載されている「年月日」まで「安全に食べることのできる」期限になります。お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。

もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期間にかかわらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。

【保存方法別】パン粉の賞味期限は?

ボウルいっぱいパンくずリストのトップ ビュー
Coprid/gettyimages

パン粉には大きく分けて、水分含有量が35~38%の生パン粉と14%以下の乾燥パン粉の2種類があります。

それぞれのパン粉の保存方法や状態別に賞味期限をみていきましょう。

未開封のパン粉の賞味期限

未開封とは、工場から出荷された状態のままということです。そのため、基本的には雑菌などの処理はできていると考えられます。

メーカーによって差がありますが、生パン粉の場合、未開封であれば賞味期限は約1~3カ月、乾燥パン粉の場合は約半年~1年のものが多いです。

開封済みのパン粉の賞味期限

パン粉をどのような状態で保存をしていたかにもよりますが、乾燥パン粉と生パン粉どちらも開封したら冷蔵庫で保管するようにしましょう。

開封済みのパン粉は生パン粉・乾燥パン粉の区別なく、記載されている賞味期限よりもおいしく食べられる期間は短くなります。開封してからどれくらい日にちが経っているのか注意しましょう。

冷蔵庫で保存したパン粉の賞味期限

開封後に冷蔵庫で保存したとき、生パン粉のほうが水分を多く含んでいるため、乾燥パン粉よりも早く傷みやすくなります。

メーカーからも、一度に使い切るのが理想的であるが、余った場合はなるべく早く使い切ることがすすめられています。冷蔵庫で保存する場合でも、賞味期限にかかわらず早めに使い切るようにしましょう。

冷凍庫で保存したパン粉の賞味期限

パン粉を冷凍保存する人もいるようですが、メーカーによっては、品質が劣化しやすくなるため、冷凍保存をすすめていない場合もあります。

とくに乾燥タイプのパン粉は、冷凍することで湿気てしまう可能性があるためおすすめできません。ただし、生パン粉は乾燥パン粉に比べて水分が多いため、開封後使い切れなかったものは、冷凍で保存することができます。

賞味期限がすぎて傷んだパン粉の特徴

パンガス入り飲料水
zeleno/gettyimages

買い置きをしていたのを忘れていた、どうしても賞味期限内に使い切ることができずに置いていた、などの理由から気づけば賞味期限がすぎてからかなりの時間が経っていた、という人もいるのではないでしょうか。

パン粉は高温で行う料理に使用されることが多いため、賞味期限がすぎたものを使用しても大丈夫と考える人がいるかもしれませんが、次のような特徴がみられたら傷んでいる可能性があります。

特徴1:カビがはえる

乾燥パン粉でも保存状態が悪かったりするとカビが発生します。パン粉の中に見慣れない赤色や緑色が発生していたらカビがはえていると考えましょう。

とくに生パン粉の場合、湿度が高い場所などで保存しているとカビの発生率が高くなってしまいます。加熱をすれば大丈夫と思われるかもしれませんが、カビそのものは死滅してもカビの毒素は熱に強い種類もあるため、食品に残る可能性があります。

カビを確認したら賞味期限にかかわらず処分をしましょう。

特徴2:臭いがする

食品は傷んでくると酸っぱいような異臭がしてきます。パン粉も例外ではないです。

ただし、生パン粉の場合は製造の過程でPH調整剤が使用されており、その調整剤に酸臭があるので袋を開封したときにそのような臭いがすることがあります。

ですが、この場合はトレーなどに広げ、5~10分ほど置いておくと臭いはなくなります。時間が経っても酸っぱい臭いが消えなければ、傷んでいる可能性があります。

特徴3:手ざわりが変わる

生パン粉は水分の含有量が35~38%ほどです。もともとしっとりとした手ざわりですが、それが粘り気のある手ざわりになっていれば、傷んでいる可能性があります。

乾燥パン粉の場合は、もとはサラサラとした手ざわりだったのが水分を含んでいるなという感じになっていれば傷み始めている可能性があります。

傷んでいる特徴が見られた場合は、食べないようにしてください。

特徴4:コナダニが混入する

パン粉を適切に管理できていないと、粉ものを好んで寄ってくるコナダニというダニが混入してしまう可能性があります。コナダニの大きさはは0.2mmほどで、高温多湿な環境を好みます。

もしコナダニが一度大量に発生すると、まるで粉が動いているかのような現象が見られます。開封したパン粉の中にコナダニが侵入しないよう、密封容器に移したり、高温多湿になる場所を避けて保存するなど、対策を取る必要があります。

【日数別】賞味期限切れのパン粉はいつまで食べられる?

自家製スパイシーなパン粉をパン粉します。
bhofack2/gettyimages

急にパン粉を使用する料理をつくらないといけないけれど、賞味期限がすぎたパン粉しか家にない場合はどうすればいいでしょうか。その場合、賞味期限がすぎてしまったパン粉でも食べられるのでしょうか。

賞味期限が1カ月すぎたパン粉

開封をしているかしていないか、また、保存場所によっても状態が変わってきます。

生パン粉も乾燥パン粉も、開封してから冷蔵保存をしても賞味期限は短くなりますので、1カ月すぎていれば傷んでいる可能性があります。未開封の場合も、状態をよく確認してから使用しましょう。

ただし、生パン粉は未開封であっても常温保存で1週間ほどしか持たないものもあるので、冷凍で保存した場合以外は傷んでいるかもしれません。注意しましょう。

賞味期限が半年すぎたパン粉

生パン粉の場合、賞味期限が半年すぎているものは食べない方がいいです。水分量が多いため、傷むのが早いといわれています。

乾燥パン粉の場合は、未開封で適切に保存されていた場合に限り食べられる可能性があるかもしれませんが、使用する前に傷んでいないかを必ず確認しましょう。

賞味期限が1年以上すぎたパン粉

賞味期限が1年以上すぎたパン粉は、傷んでいる可能性が非常に高いので使用しないほうがいいでしょう。

とくに生パン粉はカビが発生している可能性も高く、乾燥パン粉であっても長期保存によって湿気てしまい傷んでいると考えられます。

パン粉の正しい保存方法

パン粉テクスチャの背景
Oksana Osypenko/gettyimages

ここからは余ったパン粉をどのように保存すればいいのかをみていきましょう。

常温で保存する

いちばん簡単な保存方法は常温での保存です。生パン粉も乾燥パン粉も未開封の場合は、直射日光と高温多湿を避けた冷暗所に保存しましょう。

棚などに保管するときは、できるだけ手前に置くようにすれば忘れることも少なくなるでしょう。開封済みのパン粉は、袋の口を輪ゴムなどで縛って保存しがちですが、湿気や臭い移り対策として、密閉できる保存容器やジッパーつきの袋など移して冷蔵保存しましょう。

冷蔵庫で保存する

生パン粉は開封してしまうと常温での保存はできなくなるので、必ず冷蔵庫や冷凍庫で保存します。

パン粉を冷蔵庫で保存する場合は、密閉できる容器や袋に入れるだけでなく、近くに臭いが強いものを置かないように気をつけましょう。

冷凍庫で保存する

パン粉を開封して全部使いきれなかった場合は、冷凍庫で保存することもできます。

冷蔵に比べると日持ちがよくなります。密封できる袋に小分けし、使う分だけ解凍すれば再凍結による品質の劣化を防ぐことができるのでおすすめです。

解凍するときは、水分が飛んでパサつくことを抑えるため、電子レンジなどで解凍するのは避けてください。常温に置いて自然解凍させるか、冷蔵庫に移して解凍しましょう。

賞味期限切れのパン粉には要注意!無理して食べないようにしよう!

本来であれば開封したらその日のうちに使い切ることが理想ですが、なかなか使いきることができない人も多いでしょう。最近では余ったパン粉を使用して揚げ物だけではなく、ほかの料理にアレンジしている人も多いようです。

賞味期限が長期間、すぎてしまったパン粉は体に悪影響を及ぼす可能性も高いので無理をして食べることは避けましょう。

※参考にしたサイト

 
 

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