【管理栄養士監修】「マグロ」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめの調理方法は?
2020/11/12
日本の国民食とも言われているマグロはにはどんな種類があって、どのような栄養素が含まれているのかご存じでしょうか。この記事では、マグロの種類や栄養素、さらにはおすすめの調理方法をご紹介します。マグロをおいしく食べたいかたは、ぜひご一読ください。
マグロの種類
マグロには「クロマグロ」、「ミナミマグロ」、「メバチマグロ」、「キハダマグロ」、「ビンナガ」などの種類があります。日本で多く食べられているのはキハダマグロやメバチマグロです。なお、クロマグロは本マグロ、ミナミマグロはインドマグロとも呼ばれています。
マグロ類は良質なたんぱく質やタウリン、鉄分、ビタミンEや脂肪酸を多く含んでいます。
マグロのカロリーと栄養素
マグロのカロリーや栄養素は、種類や部位によって異なります。生のキハダマグロ100gあたりのカロリーは112kcal、ミナミマグロ赤身は95kcal、脂身は352kcalです。
生のキハダマグロには、100gあたりにタンパク質が24.3g、鉄分が2.0mg、ビタミンEが0.4mg、脂肪酸が0.63gなど、健康によいとされている多くの栄養素を含んでいます。
ここからは、マグロに含まれる各栄養素の効能をご紹介します。
マグロの栄養素
・タンパク質
・タウリン
・鉄分
・ビタミンE
・脂肪酸
マグロの栄養素1:タンパク質
タンパク質は、人の筋肉や皮膚、髪の毛などの身体をつくるための材料となり、健康を維持してくれます。そのほか、エネルギー源として使われることもあります。
タンパク質は非必須アミノ酸と必須アミノ酸から成り立っていて、非必須アミノ酸は体内でつくられますが、必須アミノ酸は人の身体ではつくれません。そのため、必須アミノ酸は食品などから取り入れる必要があります。マグロには、必須アミノ酸がバランスよく含まれていることから体内での利用効率が高く、良質なタンパク質の補給源と言えます。
マグロの栄養素2:タウリン
タウリンは、アミノ酸に似た成分で、心臓・肺・肝臓・脳・骨髄など全身に広く含まれています。コレステロールの低下、心臓や肝臓の機能強化、視力の回復、インスリン分泌促進、高血圧の予防などの効果があると言われています。
また、タウリンは栄養ドリンク、目薬などにも配合されていて、肉体疲労や眼精疲労によいとされています。
マグロの栄養素3:鉄分
鉄分は、タンパク質といっしょになって血液中のヘモグロビンをつくりだす栄養素です。鉄分は体内でつくられないため、食べ物から摂取します。
月経、妊娠、授乳の有無に応じて、男性よりも女性の方が推奨量が多くなるため、とくに女性は鉄分を積極的にとることが理想的だと言われています。
マグロの栄養素4:ビタミンE
ビタミンEは脂溶性ビタミンで、強力な抗酸化作用により「若返りビタミン」とも呼ばれています。
体内の脂質の酸化を防ぐ働きのほか、細胞膜の酸化による老化、血中LDLコレステロールの酸化による動脈硬化予防効果を期待することができます。ビタミンEは脂溶性なので、マグロの赤身よりも脂身に多く含まれています。
マグロの栄養素5:脂肪酸
脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。
不飽和脂肪酸は、さらにオメガ3系脂肪酸やオメガ6系脂肪酸などに分けられ、そのなかでも人間の体内でつくりだせない脂肪酸を必須脂肪酸と呼びます。必須脂肪酸には、血圧やLDLコレステロールを下げる作用などが期待できます。
マグロの脂身には、オメガ3脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれています。
マグロはダイエットに効果がある?
カロリーが低いマグロの赤身部分を、ダイエット時に食べる人も多いでしょう。
ダイエットをする際、食事の量を減らすと鉄分やタンパク質の摂取量も減ってしまうことがあります。しかし、マグロには良質なたんぱく質や鉄分が多く含まれているため、ダイエット中の食事に取り入れてみるのもよいでしょう。血合い部分には、とくに鉄分が多いとされています。
マグロを使ったおすすめのレシピ
マグロは、身体によい栄養素がそろっているのでふだんの食卓にも積極的に登場させたい食材です。刺身にしてそのまま食べてもよいですが、毎回しょうゆやワサビの味つけでは飽きてしまうかもしれません。
いろいろなアレンジ方法を知っておけば、マグロを飽きずに続けて食べやすくなります。ここからは、マグロを使ったおすすめのレシピを3つご紹介します。
マグロのおすすめレシピ1:まぐろの漬け丼のレシピ
「まぐろの漬け丼のレシピ」は、しょうゆにみりんや酒の風味を加えてマグロの旨味を引き出す一品料理です。マグロを漬けるタレは、本格的に鰹節を使う方法と手軽につくる方法の2種類が紹介されています。
レシピ通りにつくれば、市販されているマグロ丼のタレを買わなくてもおいしいマグロの漬け丼が完成です。
マグロのおすすめレシピ2:ちょっと贅沢なお惣菜。手作りマグロフレーク
手作りマグロフレークは、マグロを甘辛く煮詰めてほぐした料理です。ご飯にかけるだけでもお茶漬けにしても、手軽においしく食べられます。
常備菜としてや、マグロを買いすぎてしまい、刺身として食べきれなかったときに覚えておくと活用できるでしょう。
マグロのおすすめレシピ3:マグロのサラダ仕立て
マグロのサラダ仕立ては、ワサビの風味をピリッと効かせた和風のサラダです。ベースは市販のドレッシングを使うため、何種類も調味料を量る手間を省くことができ、簡単につくることができます。キュウリやオクラなど緑の野菜を使い、見た目も味つけもさわやかな一品です。
和食にも洋食にも合うため、おかずを一品増やしたいときにいかがでしょうか。油の使用量が少ないドレッシングを選べば、カロリーオフもできるでしょう。
マグロをおいしく食べよう!
マグロは種類や部位によって栄養素に違いがあります。
マグロの赤身と脂身をどちらかに偏ることなくバランスよく食べれば、身体によい栄養素を効率よく摂取できるでしょう。ご紹介したアレンジレシピも活用しつつ、マグロをおいしく食べましょう。
監修者ミニコラム:江戸時代はマグロに価値がなかった?現代では信じられない当時のマグロの扱いとは?
刺身と言えば、マグロは大定番。口の中で脂身がとろけることから「トロ」と呼ばれるようになった腹側の身が大好物という人も多いのでは?
そんなトロが、江戸時代は無価値だったとか!?当時は「シビ」という名で、同じ音の死日に繋がり不吉とされたり、保冷や輸送技術が発達していないことから、傷みやすくて不味いことから、魚の格づけでは最下位同然だったという記録も。
とくに日持ちしないトロは、魚好きの猫さえ素通りすることから「猫またぎ」とも呼ばれ、捨てるか畑に撒くか、といった扱いだったと言われています。
近代になって日本人の嗜好が「あっさり→こってり」へ変わったことで、トロの価値は一変!今では赤身の倍以上の値がつくようになったのです。