【管理栄養士監修】「クレソン」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/11/13
肉料理によく添えられているクレソンは、野菜のなかでも栄養価が高いといわれています。つけ合わせとしてだけではなく、さまざまな料理にして味わえることを、ご存じでないかたも多いのではないでしょうか。この記事では、クレソンの栄養や効能、おすすめのレシピについてご紹介します。
クレソンの種類
クレソンは、特有の辛みやほろ苦さを持つ野菜で、洋食などの肉料理のつけ合わせとしてよく使われます。一般的なクレソンのほか「サラダクレソン」や「ヤソゼリ」と呼ばれるものも存在します。
クレソンのカロリーと栄養素
クレソンは、可食部100gあたり15kcalで、低カロリーでありながら栄養価が高いと言われています。
生のクレソン100gには、ビタミンC26mg・カリウム330mg・βカロテン2700μg・葉酸150μg・カルシウム110mgが含まれており、エネルギー100kcalあたりに含まれる栄養素の量を表す栄養素密度が高いことで評価されています。
クレソンの栄養素
・ビタミンC
・カリウム
・βカロテン
・葉酸
・カルシウム
クレソンの栄養素1:ビタミンC
ビタミンCは水溶性なので、毎日意識して取りたい栄養素です。ビタミンCは皮膚や軟骨を構成するためのタンパク質・コラーゲンの生成に必要なビタミンです。
ビタミンCは、細胞と細胞をつなぐ役割のあるコラーゲンというタンパク質の生成に必要な栄養素です。それによって、骨、関節、皮膚、血管などの健康を維持してくれます。
また、抗酸化作用もあり、有害な活性酸素の働きを抑え、動脈硬化や心疾患などの生活習慣病の予防も期待できます。
ほかには、クレソンにも含まれている鉄分の吸収を促進したり、メラニン色素の生成を抑え、シミ、そばかす、日焼けなどを防いで肌環境を整えてくれます。ビタミンCは、水溶性で体外に排出されやすい栄養素なので、こまめに補給するといいでしょう。
クレソンの栄養素2:カリウム
カリウムは加工されていない野菜、果物、いも類などに多く含まれている栄養素で、細胞の浸透圧の維持や、水分の保持といった重要な働きをしています。
塩分を過剰に摂取すると、血圧が上昇する場合がありますが、その分カリウムを多く摂ればナトリウムの尿中への排泄を促し、血圧の上昇を抑制してくれると言われています。
カリウムは水に溶けだすため、サッと水洗いしてサラダなどで生食にしたり、煮汁ごと食べられる料理で摂るのがおすすめです。
クレソンの栄養素3:βーカロテン
β-カロテンは、抗酸化作用があり、活性酸素から細胞を守ることで、がんの予防効果が期待されています。また、体内では必要に応じてビタミンAに変換されることで、肌の健康を維持して、美肌効果も期待できると言われています。
β-カロテンは、色鮮やかな緑黄色野菜や海藻類などに多く含まれ、人体の免疫機能を正常に維持するために必要不可欠な栄養素です。
クレソンの栄養素4:葉酸
水溶性ビタミンの1種である葉酸は、造血作用があり、ビタミンB12とともに全身の細胞へ酸素を運ぶ赤血球の生産を助ける栄養素です。また、細胞の生産や再生を助ける働きもあります。
葉酸が欠乏すると、巨赤芽球性貧血や、動脈硬化を起こす場合があります。また胎児の神経管閉鎖障害の原因にもなりえるため、妊娠中や妊娠を計画している女性は、十分な量の葉酸を摂ることが望ましいです。
成長期の子どもも、体の発育のためにより多くの葉酸を必要とすると言われています。
クレソンの栄養素5:カルシウム
カルシウムは、骨・歯の構成成分になり、体内に体重の1~2%ほど存在しているといわれる栄養素です。その99%は骨・歯などの硬組織に、1%は血液・筋肉・神経などの軟組織にも存在しています。
カルシウムが欠乏すると、骨粗鬆症のほか、発育障害や成長不良、高血圧、動脈硬化なども招く場合があります。十分な量のカルシウムを摂取することは、生涯を通じた健康づくりにとても重要です。ビタミンDやクエン酸などといっしょに摂ることで、吸収を促進すると言われています。
クレソンはダイエットに効果がある?
クレソンを食べることで、ダイエットに効果を発揮する場合があります。
クレソンにはシニグリンという苦味成分が含まれ、刻んだりよく噛むことで辛味成分へ変わります。ワサビや大根にも含まれているシニグリンの効能として、血行を促進し代謝を上げてくれると言われています。
シニグリンには消化を促進する作用もあり、肉料理などにクレソンが添えられているのは、理にかなっていると言えます。ただし、高温や長時間の加熱に弱いので、効率よく摂りたいのであれば生食や短時間の加熱調理がおすすめです。
また、シニグリンは胃腸への刺激が強いと言われているので、一度に大量に食べず、少しずつ食事に加えるようにしましょう。
クレソンを使ったおすすめのレシピ
栄養価の高いクレソンは、健康のためにぜひ積極的に食べたい野菜です。つけ合わせとしてだけではなく、クレソンを主役にした料理や、サラダなどにして食べましょう。
生で食べた方が栄養を効率よく摂れはしますが、加熱すると辛味が弱まり、より食べやすくなると言われています。カリウム、葉酸、ビタミンCなどの水溶性の栄養素は、水に溶け出して失われやすいため、水洗いも軽めにするとよいでしょう。
ここで、クレソンを使ったおすすめのレシピを3つ紹介します。
クレソンのおすすめレシピ1:クレソンと新たまのみそ汁
クレソンは洋食のイメージが強いかもしれませんが、和風に調理してもおいしくいただけ、いつもの食卓に取り入れることができます。
クレソンの苦みと新玉ねぎのみずみずしさが、春を感じさせる一品です。クレソンは火を止めてから加えても、余熱ですぐに火が通るため、短時間でみそ汁ができあがります。
クレソンのおすすめレシピ2:クレソンのチャーハン
クレソンは、中華風にチャーハンにしてもおいしく味わえます。
さっと簡単につくれ、ランチにもぴったりのレシピです。ほろ苦いクレソンが入ったチャーハンはクセになる味で、お箸がすすむでしょう。
クレソンのおすすめレシピ3:クレソンのポタージュ
クレソンのポタージュは、クレソンとほかの野菜をスープ状に仕上げた、まろやかな味わいが楽しめる料理です。クレソンのグリーンが鮮やかで、食卓をおしゃれに彩ってくれます。
乳製品と組み合わせることで苦みを和らげてくれるで、クレソンの栄養をおいしく摂ることができます。クリーミーなポタージュは、クレソンの苦みが苦手な人にもおすすめなレシピです。
クレソンをおいしく食べよう!
体にうれしい効果をもたらしてくれる栄養素を含んだクレソンを、ぜひ食生活に取り入れて、健康にすごしましょう。苦みやクセが気になるかたも、調理法の工夫でおいしく食べられるでしょう。
クレソンをスーパーなどで購入するときは、葉は大きくて色が濃く、みずみずしくつやのあるものを選ぶとよいでしょう。また繁殖力の強いクレソンは、庭やベランダなどでプランターを使って簡単に栽培できるため、自宅で育ててみるのもおすすめです。
監修者ミニコラム:苦みや辛みを抑えて「クレソン」を食べやすくする方法3選!
栄養たっぷりのクレソンですが、どうしても香りや味が苦手で手を付けない人もいるのでは?
クレソンに含まれる「シニグリン」という有効成分、これはクレソンの細胞が壊されるほど辛味の元となる「イソチオシアネート」へ変わります。大根おろしと同じ原理で、調理時に細かく刻んだり、激しく粉砕するほど辛くなるというわけ。
<食べやすくする方法>
1.手で大きくちぎって時間を置いてから食べる
2.水に15分くらいさらす
3.加熱する
揮発しやすく、水に溶けて、熱で分解されやすい「イソチオシアネート」の性質を利用することで食べやすさUP!というわけです。これらの方法を加減して食べられるくらいの味に調整し、少しでも有効成分を取り入れてみてくださいね。