【管理栄養士監修】「さんま(秋刀魚)」の主な栄養素とカロリーまとめ!ダイエットに効果がある?
2020/11/14
秋になると食べたくなるさんまは、おいしいだけでなくさまざまな栄養が含まれており、体によい効果をもたらしてくれることをご存知でしょうか。この記事では、さんまに含まれている栄養素やカロリー、おすすめのレシピについてもご紹介します。
さんまの種類
日本の秋の味覚として親しまれているさんまには、5つの種類があります。
日本人がよく食べているのは、主に北太平洋に生息している「サンマ」です。ほかにも、生息している地域の違う「ハシナガサンマ」、「ニシサンマ」、「太平洋ミニサンマ」、「大西洋ミニサンマ」が存在します。
栄養面を考慮すると、熱に弱い栄養素を多く含むさんまは加熱せず生で食べるのがおすすめですが、焼いた場合は皮や内臓まで食べやすくなります。また、缶詰に加工されたさんまの場合は、骨まで丸ごと食べられ、水に溶け出しやすい栄養素もいっしょに摂ることができます。
さんまのカロリーと栄養素
さんまのカロリーは、皮つきの生の状態で100gあたり318kcalです。
栄養素の面では、生の皮つきさんま100gには、ナトリウムが140mg、カリウムが200mg、リンが180mg、鉄が1.4mg、カルシウムが28mg含まれます。
また、さんまには中性脂肪やコレステロールを下げる効果があるとされている、EPA(IPA、エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸も含まれています。
さんまの栄養素
・ナトリウム
・カリウム
・リン
・鉄分
・カルシウム
さんまの栄養素1:ナトリウム
ナトリウムは、体内の水分量を調節することや、神経・筋肉の働きに重要な役割を担っています。
ふだんの生活でナトリウムは不足しにくいですが、大量の汗や、おう吐・下痢などが起こると多量のナトリウムが失われるため、補給することが必要です。しかし、ナトリウムの過剰摂取は、さまざまな生活習慣病をまねく可能性があるため注意しましょう。
さんまの栄養素2:カリウム
カリウムは、過剰に摂取したナトリウムを体外へ排泄することで体内のバランスを保ち、生命を維持する上で欠かすことのできない栄養素です。
近年の食生活の変化やナトリウムの過剰摂取などにより、カリウムの摂取は重要視されています。ナトリウムとカリウムをバランスよく摂ることで、高血圧やむくみを予防・改善したり、筋肉の働きを正常に保つ働きがあるといわれています。
さらに、カリウムはカルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるともいわれているため、骨粗しょう症の予防効果にも期待できます。
さんまの栄養素3:リン
リンは骨や歯を構成するほか、さまざまな代謝反応に関わる重要な働きをする栄養素です。
リン脂質として細胞膜を構成したり、DNAやRNAといった核酸・リンタンパク質などの重要な成分の構成要素になったり、心臓・腎臓の機能の維持や神経伝達に関わったりと、多くの役割を果たしています。
リンは加工食品などに食品添加物として含まれることも多く、カルシウムの体内への吸収を妨げるため、過剰摂取には十分気をつけましょう。
さんまの栄養素4:鉄分
鉄分は血液中のヘモグロビンの構成要素となり、体中の細胞へ酸素を運搬するという重要な働きをしています。
鉄分が欠乏すると、貧血や運動・認知機能の低下を起こす場合があります。月経、妊娠、授乳の有無に応じて、男性よりも女性の方が推奨量が多くなるため、とくに女性は鉄分を積極的に摂るようにしましょう。
さんまの栄養素5:カルシウム
カルシウムは、骨や歯の構成成分で、健康な体づくりには欠かせない栄養素です。 カルシウムを上手に摂取すると、骨粗しょう症の予防や、精神を安定させるなどの効能が期待できます。
とくに発育期の子ども、妊婦、高齢者は、カルシウム不足により骨の発育障害や成長不良などを引き起こすこともあるので、積極的に摂取していきたい栄養素といえるでしょう。
さんまはダイエットに効果がある?
さんまには、中性脂肪やコレステロールを下げる効果があるとされているEPAなどの不飽和脂肪酸が含まれているため、ダイエット効果が期待できるでしょう。また、必須アミノ酸のヒスチジンが含まれており、食欲抑制と脂肪分解促進の作用があるといわれています。
不飽和脂肪酸は、加熱によって分解や酸化されやすいので、効果を期待する場合には調理方法に注意しましょう。加熱せずに食べられる刺身が理想的です。
さんまを使ったおすすめのレシピ
さまざまな栄養が含まれるさんまは、積極的に食べたい魚であるといえます。
さんまの食べ方というと、代表的なものとして塩焼きや刺身が思い浮かぶでしょう。蒲焼きや南蛮漬けも定番です。
ここからは、さんまを使ったおすすめのレシピを3つ紹介します。
さんまのおすすめレシピ1:さんまの竜田揚げ風
さんまの竜田揚げ風とは、味を染み込ませたさんまを、多めの油で揚げ焼きにした料理です。
冷蔵庫で適切に保存することで、5日間日持ちするため、つくり置きをしてお弁当のおかずに入れてもよいでしょう。揚げ物よりも後片づけが楽に済むため、いそがしいかたにもおすすめのレシピです。
さんまのおすすめレシピ2:さんまと薬味の混ぜご飯(さんまご飯)のレシピ
炊き立てのご飯にさんまと薬味を混ぜれば、シンプルでもおいしいさんまご飯ができあがります。
具材を混ぜ込むだけという、簡単ですぐ試してみたくなるレシピです。さらに、塩焼きされたさんまを購入してくれば、手間も時間もかかりません。
薬味は生姜とねぎを基本としますが、お好みでみょうがや大葉、白いりごまなどを加えてもおいしく味わえます。
さんまのおすすめレシピ3:サンマサンド
サンマサンドは、トルコのサバサンドをアレンジした一品で、その名のとおりさんまをサンドイッチにしたものです。
こんがり焼いたさんまを野菜とともにソフトバゲットではさめば、見た目もおしゃれなサンドイッチが簡単に完成します。洋風の味つけに、レモンを添えていただきましょう。
いつものさんま料理とはまた違った味わいが楽しめるため、さんまが好きなら一度は試してみたいおすすめのレシピです。
さんまをおいしく食べよう!
栄養価の高いさんまをよりおいしくいただくために、選び方や調理の仕方について知っておくとよいでしょう。
新鮮なさんまは、おなかが硬い、黒目のまわりが透明で濁っていない、尻尾を持ったときに刀のように真っ直ぐに立つなどといった特徴があります。また、厚みがあるものの方がより脂がのっています。
「秋刀魚」という漢字からも分かるように、さんまは秋が旬です。脂がのった旬のさんまを存分に味わいましょう。
監修者ミニコラム:さんまの栄養が一番高いのはいつ?
日本近海で獲れるさんまは、プランクトンや甲殻類を餌とし、北太平洋に生息。夏場に栄養を蓄え、秋になると産卵のために日本列島に沿って南下する習性があります。
長距離の回遊で栄養が消費されるため、九州沖まで南下したものより北方で採れたさんまの方が脂のりが多いのだとか。北海道では8月頃からさんま漁が始まりますが、道東沖の海域に多く生息する脂肪分を多く含んだプランクトンを食べることで、9月頃のさんまが特に脂のりが増えるというデータも(8月対比:5%増!)。
脂がのり切る前のさんまは「刺身」に、脂が落ちてくる晩秋に南部で獲れるさんまは「丸干し」などで美味しく食べることができます。
時期に応じた食べ方で楽しんで下さいね!