【管理栄養士監修】「しじみ」の主な栄養素とカロリーまとめ!ダイエットに効果がある?
2020/11/15
味噌汁の定番具材の1つであるしじみは、肝臓によいともいわれています。この記事では、しじみに含まれる栄養素やカロリー、おすすめのレシピについて紹介します。しじみにはどのような健康効果があるのか知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
しじみの種類
しじみのうち日本に生息するのは「ヤマトシジミ」、「セタシジミ」、「マシジミ」の3種類です。
琵琶湖に生息するセタシジミと、水田周辺の小川に生息するマシジミは、環境の変化などで激減してしまい、日本で流通しているしじみのほとんどはヤマトシジミです。
同じ貝類であるあさりも、しじみと同様に味噌汁の具などでよく料理に使われます。両者は生息域が異なり、大きさや外観、味の特徴、含まれている栄養成分値にも大きな違いがあります。
しじみのカロリーと栄養素
生のしじみ100gあたりのエネルギーは64kcalです。
さまざまな栄養素が含まれており、生のしじみ100gには、カルシウムが240mg、鉄が8.3mg、カリウムが83mg、リンが120mgといったミネラルや、68.4μgのビタミンB12が含まれます。
またしじみは、アミノ酸の一種であるオルニチンが含まれる食品。オルニチンは、二日酔いや疲労回復に効果を発揮するといわれ、あさりにはほとんど含まれていません。
しじみの栄養素
・カルシウム
・鉄分
・カリウム
・リン
・ビタミンB12
しじみの栄養素1:カルシウム
カルシウムは、主に骨や歯を構成していて、筋肉の収縮や神経興奮の抑制、血液凝固にも関わるなど、健康な体づくりには欠かせない栄養素です。カルシウムを上手に摂取すると、骨粗しょう症の予防や、精神を安定させるなどの効能が期待できます。
特に発育期の子ども、妊婦、高齢者は、カルシウム不足により骨の発育障害や成長不良などを引き起こす可能性もあるので、積極的に摂取していきたい栄養素といえるでしょう。
しじみの栄養素2:鉄分
鉄分は血液中のヘモグロビンを構成し、全身の細胞へ酸素を運搬する重要な役割を果たしている栄養素です。
鉄分が欠乏すると、体が重い、息が切れる、顔色が悪い、疲れやすいといった症状の貧血を起こす場合があります。
鉄分は日本人にとって欠乏しやすい栄養素であり、月経、妊娠、授乳の有無に応じて、男性よりも女性の方が推奨量が多くなるため、特に女性は鉄分を積極的に摂るようにしましょう。
しじみの栄養素3:カリウム
カリウムは細胞の状態や血圧を調節しながら、常に一定した良い体の状態を維持する役割のある栄養素です。
ナトリウムの体外への排出を促進することから、高血圧を防ぐ役割や、むくみを解消する役割があるともいわれています。近年の食生活の変化やナトリウムの過剰摂取などにより、カリウムの摂取は重要視されています。
また、カリウムはカルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるともいわれているため、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。
しじみの栄養素4:リン
リンは骨や歯を構成するほか、さまざまな代謝反応に関わる重要な働きをする栄養素です。
リン脂質として細胞膜を構成したり、DNAやRNAといった核酸・リンタンパク質などの重要な成分の構成要素になったり、心臓・腎臓の機能の維持や神経伝達に関わったりと、多くの役割を果たしています。
リンは加工食品などに食品添加物として含まれることも多く、カルシウムの体内への吸収を妨げるため、過剰摂取には十分気をつけましょう。
しじみの栄養素5:ビタミンB12
ビタミンB12は赤いビタミンとも呼ばれており、神経や脳の機能を正常に保つ働きがあります。また、ビタミンB12は葉酸とともに正常な赤血球を作り出す働きがあります。さらに睡眠のリズムを整える効果があるといわれています。
ビタミンB12が欠乏すると、貧血や、脊髄・脳の白質障害、末梢神経障害を引き起こす可能性があります。
しじみはダイエットに効果がある?
しじみはダイエット効果を得られる可能性があります。
しじみに含まれる必須アミノ酸の働きによって、成長ホルモンの分泌が促され、代謝がよくなり、脂肪燃焼効果が期待できるといいます。さらにしじみ自体のカロリーも低いため、味噌汁などにして食べることで、ダイエットの助けになる場合があります。
また、しじみに含まれるオルニチンは、肝臓で有害な毒素を無害にする重要な役割を果たしたり、筋肉の合成や運動による疲労の軽減にも効果が期待できます。
ほかにも、貧血予防や睡眠の質の改善に役立つ栄養素も含まれていることから、しじみは健康を支えてくれる食品といえるでしょう。
しじみを使ったおすすめのレシピ
さまざまな効果が期待できるしじみは、積極的に食べたい食品といえます。生のしじみはスーパーでも手に入りますが、新鮮なものを見分けるポイントは貝殻につやがあるかどうか。しっかりチェックして選ぶとよいでしょう。
調理時は砂抜きをしてから、乾燥しないようにラップをかけて冷蔵庫に入れましょう。また、冷凍保存も可能で、冷凍したしじみは生のものと比較して、旨み成分がアップするともいわれています。
ここで、しじみを使ったおすすめのレシピを3つ紹介します。
しじみのおすすめレシピ1:身しじみの炊いたん
「炊いたん」とは「味をつけて煮たもの」をさし、しじみとにんじん、しょうがを甘辛く煮つめた一品が、身しじみの炊いたんです。
常備菜として冷蔵庫で1週間ほど保存できるため、多めに作ってもよいでしょう。凝縮されたしじみの旨みを堪能できる、おすすめのレシピです。
しじみのおすすめレシピ2:しじみ汁のレシピ
しじみ汁は、砂抜きしたしじみと昆布を火にかけてじっくり出汁をとり、しじみの旨みを存分に味わえるおすましにしたものです。
しじみの出汁が体に染み入る、ほっとする味のおすましは、お酒を飲んだ後や翌日にもおすすめです。
しじみのおすすめレシピ3:しじみの炊き込みご飯
しじみとしょうが、調味料を入れてお米を炊けば、しじみの旨みたっぷりの美味しい炊き込みご飯が出来上がります。
見た目もきれいで香りもよく、一口食べるとしじみの奥深い上品な風味が広がります。ついお箸がすすんでおかわりしたくなるでしょう。
しじみを美味しく食べよう!
しじみにはさまざまな栄養が含まれており、体に嬉しい効果をもたらしてくれます。
しじみをより手軽に味わいたい方は、砂抜きされて冷凍やレトルトのパックになった状態で売られているしじみや、即席のしじみの味噌汁を活用するのもおすすめです。これらを常備しておけばいつでも簡単に食べられて、忙しい方でも生活にしじみを取り入れられます。
紹介したレシピもぜひ参考にし、美味しいしじみを食べて心も体も元気に過ごしましょう。
監修者ミニコラム:しじみ汁の「身」は食べるべきか残すべきか?
小さなしじみがたっぷり入った味噌汁やすまし汁。ふだん、殻から身を外して食べていますか?取り外しにくいから残す人もいるかもしれませんね。
マナー的には、身を食べても残しても、どちらでもOK!とされています。ただし、栄養的には身も食べることをおすすめします。
水溶性のビタミンやミネラルは、汁へ多く流れ出てしまいますが、
・タンパク質
・カルシウム
・鉄
・オルニチン
などの栄養素は身に残っているからです。細かい作業にはなりますが、食事に時間をかけることで、満腹感を得られやすくなるメリットも期待できますよ!