【管理栄養士監修】「びわ」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?

2020/11/16

甘くてジューシーな「びわ」はさまざまな栄養素を含み、ダイエット効果も期待できるといわれています。現在はハウス栽培も進み、旬よりも早い時期から流通しているものもあります。今回は、びわのおいしい食べ方や栄養素をご紹介します。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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びわの種類

メドラーの多くの果物。
Aleksandra Kaiudina/gettyimages

「びわ」は、バラ科・ビワ属の果物です。その種類には茂木や田中、長崎早生などがあります。

長崎県や千葉県などが主な産地で、初夏が旬です。家庭でも栽培できる果物で、さまざまな栄養が含まれています。

びわのカロリーと栄養素

popovaphoto/gettyimages

生のびわのカロリーは、100gあたり40Kcalです。

主な栄養素として、生のびわ100gあたりカリウムは160mg、β-カロテンは510μg、食物繊維総量は1.6g、葉酸は9μg含まれています。

カロリーが低くてさまざまな栄養をとれることから、栄養摂取だけではなく、ダイエットにも向いている食材だといえるでしょう。

びわの栄養素
・カリウム
・β-カロテン
・食物繊維
・ポリフェノール
・葉酸

びわの栄養素1:カリウム

カリウムは、細胞の外液に存在しているナトリウムとのバランスを保つことで、体内の状態を正常に保つ働きがあるとされています。生命を維持する上で欠かすことのできない栄養素です。

ナトリウムの体外への排出を促進することから、高血圧を防ぐ役割や、むくみを解消する役割があるといわれています。また、カリウムはカルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるともいわれているため、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。

びわの栄養素2:β-カロテン

β-カロテンは、人体の免疫機能を正常に維持するために必要不可欠な栄養素です。

β-カロテンには抗酸化作用があり、活性酸素から細胞を守ることで、がんの予防効果が期待されています。また、体内では必要に応じてビタミンAに変換されることで、肌の健康を維持して、美肌効果も期待できるといわれています。

びわの栄養素3:食物繊維

食物繊維は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれるので腸の健康を保ってくれる栄養素となっています。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。これらはそれぞれ効果が異なっていて、バランスよく摂取することで、効果的に働くとされています。

食物繊維を多く含む食品には、糖の吸収を抑えてコレステロールを吸着・排出し、満腹感が長続きするというメリットがあるといわれています。

びわの栄養素4:ポリフェノール

ポリフェノールは、もともと植物が紫外線や昆虫などから身を守るために作りだされた色素や香り成分などのことです。びわの皮や種の近くに多く含まれています。

抗酸化作用を持っていて、体に取り入れることで、活性酸素を減らして肌や血管などを健康に保ち、生活習慣病や老化を防ぐ働きがあります。また、脂肪の蓄積を抑える効果も期待できます。

びわの栄養素5:葉酸

葉酸は、タンパク質や細胞を作るのに必要な、DNAなどの核酸を合成する栄養素です。ビタミンB12と共に血液を作る造血作用があり、赤血球の細胞形成を助ける役割があります。

妊娠を望んでいたり、妊娠中の人が葉酸を摂取すべきといわれる理由は、葉酸は細胞分裂が活発な胎児の発育を助ける効果があるとされているため、授乳中も含めて必要量が増加します。

また、貧血や動脈硬化の予防効果があるともいわれています。

びわはダイエットに効果がある?

inaquim/gettyimages

びわは食物繊維を含むため、糖の吸収を抑えたり、腸内環境を整えて老廃物を排出しやすくしてくれます。また、むくみを解消する役割があるとされるカリウムや、脂肪の蓄積を抑えてくれるポリフェノールも含んでいます。そのため、ダイエットの効果が期待できるでしょう。

甘みが強い果物であるため、少量でも満足感が得られるでしょう。

びわを使ったおすすめのレシピ

さまざまな栄養を含むフルーツであるびわは、生で食べてもおいしいですが、おしゃれなデザートにも調理可能です。

ここからは、デザート2種と果実酒のレシピをご紹介します。すべて自宅でできる工程のため、試してみてはいかがでしょうか。

びわのおすすめレシピ1:ビワのコンポート

出典:E・レシピ

びわの形をそのまま活かしたコンポートは、さらに甘みが際立ちます。煮汁にアマレットを加えるだけで、グンと味に深みが出ます。

生で食べきれないときには、コンポートにすることで日持ちもするため、便利な一品です。

びわのおすすめレシピ2:ビワとマスカットの白ワインとミントの香り

出典:E・レシピ

白ワインとミントの香りで、さわやかな大人のデザートになります。

見栄えが良く、急な来客にも対応できるおしゃれなレシピです。調理時間も短くて済むため、試してみてはいかがでしょうか。

びわのおすすめレシピ3:おまけレシピ・ビワ酒

出典:E・レシピ

びわ酒は、風味が豊かで贅沢なお酒です。完成までに少し時間はかかりますが、難しい工程は特にありません。長い期間つけることで、うまみが凝縮されてやみつきになる飲み物です。

きっちりフタをして、冷暗所に保存しましょう。

びわをおいしく食べよう!

Oleksandr Kiriuchkov/gettyimages

新鮮なびわを見分けるポイントは、全体が鮮やかなオレンジ色に染まっていて、左右対称に身がふっくらしていることです。また、表面にうぶ毛やブルーム(白い粉)、ヘタがしっかりとついていることも確認しましょう。

びわは、あまり日持ちがしないので食べきれないときは、ぜひ上記のレシピを活用して長い期間びわを楽しんでみましょう。

監修者ミニコラム:びわに含まれる「ビタミンB17」の正体とは?

びわは、梅・桃・杏などと同じバラ科に属し、ある共通する成分を含んでいます。「アミグダリン」という名で、「ガンに良い」と聞いたことがある人もいるのでは?

健康維持に役立つと考えられて「ビタミンB17」と呼ばれたのですが、必須栄養素でない/欠乏症が見られないことから、現在はビタミンとして否定されています。

逆に、大量摂取で体内に青酸を発生させ、中毒症状が懸念されるように…。農林水産省は、種を粉末加工した食品に注意喚起をしています。

少量であれば影響はないため、国内では医薬品としての使用が認められています。また、種ごと漬けた果実酒の飲用や熟した果肉の食用も問題にはなりません。

有益な情報だけに振り回されず、安全に利用してくださいね!

※参考にしたサイト

 
 

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