【管理栄養士監修】「生姜」の主な栄養素とカロリーまとめ!ダイエットに効果がある?
2020/11/18
生姜の種類や旬についてやカロリーと主な栄養素とその特徴・効能を説明しています。また、生姜に含まれる特有の成分、「ジンゲロール」や「ショウガオール」の特徴とその働きによるダイエット効果について記載しました。最後にはおすすめの生姜レシピも紹介しました。
生姜の種類
生姜は根茎重量により「大生姜」「中生姜」「小生姜」という3つの品種に分類されます。さらに収穫後の状態により、「新生姜」や「古(ひね)生姜」「根生姜」などと呼び名が変わります。
生姜の旬は初夏から晩秋にかけてで、その時期に採れてすぐに店頭に並ぶものは新生姜と呼ばれ、さらに新生姜を早採りして葉がついたままのものは葉生姜と呼ばれます。1年を通して出回っているのは、新生姜を貯蔵したもので、古生姜や根生姜と呼んで区別されています。
生姜のカロリーと栄養素
一般的に「根生姜」と呼ばれる、生の生姜100gあたりのカロリーは30kcalで、主な栄養成分はミネラルと食物繊維です。
具体的には、カリウムが270mg、カルシウムが12mg、マグネシウムが27mg、リンが25mg、食物繊維2.1gが含まれています。
生姜の栄養素
・カリウム
・カルシウム
・マグネシウム
・リン
・食物繊維
生姜の栄養素1:カリウム
カリウムは人体に必要なミネラルの1種で、細胞の浸透圧の調整などの働きをする栄養素です。過剰に摂取したナトリウムを体外へ排泄する成分で、生命を維持する上で欠かすことのできない栄養素です。
ナトリウムとカリウムをバランスよくとることで、高血圧やむくみを予防・改善したり、筋肉の働きを正常に保つ働きがあると言われています。
生姜の栄養素2:カルシウム
カルシウムは人体に多く含まれるミネラルであり、骨や歯を形成する栄養素です。カルシウムを上手に摂取すると、骨粗しょう症の予防、精神を安定させるなどの効能が期待できます。
私たちの体の中でも、常に骨の中にカルシウムは蓄えられており、カルシウムが不足すると骨からカルシウムを放出し、体中に補うと言われています。
生姜の栄養素3:マグネシウム
マグネシウムは人体に必要なミネラルの1種で、骨を形成するほか体内のさまざまな代謝を助ける働きを持つ栄養素です。さまざまな酵素を活性化する働きがあり、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整にも役立つと言われています。
マグネシウムにはイライラを緩和する効果も期待できるので、食事の際は積極的に摂取するようにしましょう。
生姜の栄養素4:リン
リンは人体に必要なミネラルの1つで骨や歯を形成したり、全身の細胞に存在しpHバランスや浸透圧の調整などさまざまな働きに関わる栄養素です。
85%は骨や歯に存在し、残りの15%は細胞膜や核酸の構成要素として体内の細胞に存在するほか、エネルギーの発生にも関わっています。
リンは食品中に多く含まれており、通常は不足することはありません。多くとりすぎるとカルシウムの吸収を阻害すると言われているため注意が必要です。
生姜の栄養素5:食物繊維
食物繊維は食べ物の中に含まれ、人の消化酵素で消化できない物質で、整腸作用など身体の中で有用な働きをすることが注目されている栄養素です。
生姜には、水に溶けない性質を持った不溶性食物繊維のほうが多く含まれ、腸の蠕動(ぜんどう)運動を盛んにし、食べたものが消化管を通過する時間を短縮させる作用があります。
また、消化管内で水分を吸収して大きく膨らむので、腸を刺激し便秘対策になるとも言われています。
生姜はダイエットに効果がある?
生姜には、辛味成分の「ジンゲロール」と「ショウガオール」が含まれています。
ジンゲロールは生の生姜に多く含まれ、強い殺菌力や手足などの末梢部分を温める働きがあり、加熱や乾燥によってショウガオールへ変化します。ショウガオールは血流をよくして、身体のすみずみまで血液を行き渡らせ、体を深部から温める働きがあります。これらの成分によって、冷えを改善して新陳代謝を高め、体脂肪の燃焼をサポートする効果が期待できます。
生姜を使ったおすすめのレシピ
生姜に含まれる辛味成分だけでなく、400種以上もある香り成分にも、免疫力を高め、消化吸収能力も向上させるなど、さまざまな効能があると言われています。
民間療法にも使用されてきたとされる身近な生姜を、皆さんもふだんの食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
生姜のおすすめレシピ1:豚肉のしょうが焼き
定番料理の豚のしょうが焼きは子どもも食べやすく、簡単に調理ができます。
豚肉はビタミンB1を多く含み、疲労回復効果が高いと言われています。身体を温めたり、胃の調子を整える成分を含む生姜と組み合わせることで、疲れた身体を元気にしてくれるスタミナメニューです。
生姜のおすすめレシピ2:鰯(いわし)の生姜煮・煮付けのレシピ
鰯の生姜煮・煮付けは鮮度のいい鰯と料理酒・生姜を効かせてつくるごはんにぴったりのおかずです。冷蔵で3日、冷凍では1カ月ほどが保存できる目安です。
生姜の香り成分であるジンゲロールとシネオールは、魚のくさみの元と結合して臭いを消す効果もあると言われています。
生姜のおすすめレシピ3:ショウガアイス
ショウガアイスは清涼感のある香りが特徴の生姜とバニラアイスを合わせたサッパリとしたアイスです。
夏は食欲不振になりがちですが、生姜のさわやかな香りが食欲をそそり、胃液の分泌を促します。また生姜独特の辛味は唾液の分泌を促し、消化吸収を助けてくれると言われています。
生姜をおいしく食べよう!
生姜は漢方処方や民間療法にも広く使われており、消化や新陳代謝の促進、身体を温めることによる血流促進など身体に多くの効用が期待できる食材です。
使い切れないときは1回分ずつカットしたり、すりおろして保存袋に密閉して冷凍すると、使いやすくなり、長く保存できるようになります。
生姜は料理やお菓子づくりに使用されているように、さまざまな調理法や食べ方で楽しむことができるので、ふだんの食事に上手に取り入れてみましょう。
監修者ミニコラム:狙う効果でしょうがの調理方法は変えるべき!正しく覚えたいしょうがの食べ方とは?
文中でも触れたしょうがに含まれる「ジンゲロール」と「ショウガオール」ですが、体を温める効果には大きな違いがあります。
■ジンゲロール:体の末端の血管を広げて、手先足先を温める。即効性は高いが持続時間は短く、発汗も促すので、結果的に体の熱を冷ます。
■ショウガオール:胃腸などを刺激し、新陳代謝による熱を発生させ、芯から温める。時間はかかるが、持続時間が長く、結果的に体の熱を上げる。
夏場は薬味など、生のしょうがで「ジンゲロール」をとり入れて、体のほてりを冷ますのが向いており、寒気を感じるようなときは、加熱したしょうがで「ショウガオール」をとり入れるのが◎。
80~100℃の加熱で増えやすくなる「ショウガオール」は、温かいうちにとり入れることもポイントです!