【管理栄養士監修】「アジ」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/11/19
比較的安く、さまざまな調理方法で食べられるアジ。今回は、アジの主な栄養素とおすすめのレシピをご紹介します。初夏から旬を迎えるアジをおいしく食べましょう。
アジの種類
アジといえば「マアジ(真鯵)」が一般的。日本各地の沿岸で獲れる魚で、大きさによって刺身や揚げ物、塩焼きなどさまざまな食べ方があります。
味の良さや希少性などから高級食材として扱われる「シマアジ(縞鯵)」は、刺身で食べられることが多いです。体に黄色い横縞模様があることなどが名前の由来とされています。
また、クサヤと呼ばれる干物や、カツオのように削り節に加工されることが多い「ムロアジ(室鯵)」もあります。日本で獲れるアジには、メアジやマルアジなどのさらに多くの種類があり、種類によっておいしい食べ方が異なります。
アジのカロリーと栄養素
生のマアジ100gあたりのエネルギーは、126kcalです。また、アジにはさまざまな栄養素が含まれているのが特徴です。
生のマアジ100gあたり、ナトリウムが130mg、カリウムが360mg、ビタミンDが8.9μg、ビタミンB12が7.1μg、脂肪酸は3.37g含まれています。
このように、多種多様な栄養素を持ち合わせたアジは、さまざまな健康効果も期待できるでしょう。
アジの栄養素
・ナトリウム
・カリウム
・ビタミンD
・ビタミンB12
・脂肪酸
アジの栄養素1:ナトリウム
ナトリウムは、体内の水分量を調節したり、神経や筋肉の働きに重要な役割を担っています。
通常の生活でナトリウムが不足する可能性は低いです。しかし、大量の汗やおう吐・下痢などにより、多量のナトリウムが失われる場合には、補給をする必要があります。
ただし、ナトリウムの過剰摂取は、さまざまな生活習慣病をまねく可能性があるため、とくにナトリウムが含まれている塩分の摂りすぎには注意が必要です。
アジの栄養素2:カリウム
カリウムは細胞の状態や血圧を調節しながら、常に一定したよい体の状態を維持する役割があります。また、過剰に摂取したナトリウムを体外へ排泄する成分でもあり、生命を維持するうえで欠かすことのできない栄養素です。
高血圧を防ぐ役割や、むくみを解消役割があるといわれています。さらにカリウムは、カルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるともいわれているため、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。
アジの栄養素3:ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収を助けて骨や歯を丈夫にし、免疫力を高めるなどの働きがあるといわれています。
血液や筋肉中に存在しているカルシウムは、筋肉の収縮や、神経伝達に関わる働きをしており、ビタミンDはその血液や筋肉中のカルシウム濃度を調節してくれる、重要な役割をしています。
アジの栄養素4:ビタミンB12
ビタミンB12は、赤いビタミンとも呼ばれており、神経や脳の機能を正常に保つ働きがあります。また、ビタミンB12は正常な赤血球をつくり出す働きがあります。
ビタミンB12が不足すると、貧血や神経障害などを引き起こす恐れがあります。
アジの栄養素5:脂肪酸
脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられ、不飽和脂肪酸はさらに一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。とくに青魚には、多価不飽和脂肪酸であるDHAやEPAが多く含まれています。
DHAとEPAには、中性脂肪やコレステロールを下げる効果などがあるとされています。また、EPAは、血栓ができるのを防いで血液の流れを改善する効果が期待できます。
肉食が多い欧米食では、飽和脂肪酸が過剰になりやすい傾向がありますが、魚食を取り入れた日本食は脂肪酸の摂取バランスがよいと言われています。
アジはダイエットに効果ある?
アジにはDHAとEPAが含まれています。
DHAとEPAには、血流を改善したり、中性脂肪やコレステロールを低下させるなどの効果が期待できることから、ダイエットに役立つと言えます。
EPAやDHAを効率よく摂取するには、生で食べるのがおすすめです。
アジを使ったおすすめのレシピ
比較的安く手に入り、うまみのある旬のアジは刺身や寿司などの生でも人気です。ほどよく脂がのっているためパサつきにくく、焼く・揚げるなど、さまざまな加熱料理にも合うのが特徴です。
ジャンルや調理方法はさまざまで、飽きることなく食べられるでしょう。塩焼きしかできない、ほかの調理法がわからない、そんな人におすすめのレシピを紹介します。
アジのおすすめレシピ1:あじのカレーソテー
簡単にできて、カレーの香りが食欲をそそります。魚が苦手な子どもにもカレーの風味があるので食べやすいでしょうし、お弁当のおかずにもピッタリです。アジのほかにも、鮭やサバ、かじきやほっけなどさまざまな魚でつくれるので、いろいろな魚でアレンジしてみるのも楽しいでしょう。
アジのおすすめレシピ2:アジフライのレシピ
アジの調理法の定番でスーパーにも並びますが、家で食べる揚げたてのアジフライは、総菜売り場とはまた違う格別なおいしさでしょう。
アジフライをおいしく仕上げるためには、塩を振ってから置いておく時間がポイントです。
また、いっしょに添えるものによってもおいしさがアップします。例えば、キャベツの千切りに大葉を少し混ぜると、大葉によって香りもよくなり、アジフライをいっそう引き立ててくれます。
アジのおすすめレシピ3:アジのカルパッチョ
刺身用のアジを使えば、簡単につくれます。味つけがシンプルなので、アジそのもののおいしさを味わえるでしょう。
さまざまな栄養を含むアジを簡単においしく食べられるため、あと一品おかずが欲しいときなどにも役立ちます。
また、アジといっしょに玉ねぎなどの野菜も取れて、一品でたくさんの栄養を摂取できるでしょう。
アジをおいしく食べよう!
比較的安く手に入るマアジは、食卓でもお馴染みの魚です。マアジは年間を通して獲れ、地域によって産卵期が異なるため、獲れる時期や場所によって脂のりが異なりますが、一般的には漁獲量が増える4~7月が旬とされています。
とくに、幅広い調理法で食べられるマアジなどは、うまみや脂のコクを活かしてシンプルに食べるのもよし、フライや天ぷらにして食べるのもよし、風味豊かなたれや香味野菜と合わせてご飯のおかずにしても、お酒がすすむおつまみにしてもよいでしょう。
目が澄んでいるもの、エラが鮮やかな紅色のもの、ヒレがぴんと張っているものなどを目安に新鮮なアジを選んで、いろいろな調理法に挑戦してみましょう。
監修者ミニコラム:どれだけ知っていますか?アジの地域ブランドの数々を紹介!
「関(せき)アジ」と言えば、関サバと並ぶ大分で水揚げされる高級ブランドなので、知っている人も多いはず。同じ海域でも、水揚げ場所が対岸の愛媛になると「岬(はな)アジ」と呼び名が変わります。
他にも、漁獲方法/漁獲後の扱い方/脂のりなどによって選別され……
千葉:黄金アジ
神奈川:走水アジ、下根アジ
山口:瀬付きアジ」
長崎:ゴンアジ、旬(とき)アジ、玄アジ、恵アジ、野母ん(のもん)アジ
宮崎:北浦灘アジ、めいつ美々アジ
鹿児島:勇(いさみ)アジ
といった名前なども。なかでも、脂のりが10%以上という島根の「どんちっちアジ」は、旬になるとトロに匹敵するとか。見かけたら、食べ比べを楽しんでみては?