【管理栄養士監修】「ふき」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/12/07
ふきは、古くから日本で食べられてきた山菜です。さまざまな栄養素を含み、低カロリーでダイエット食材としてもおすすめでしょう。今回は、ふきの種類や含まれる栄養素とその効果、おすすめのレシピをご紹介します。
ふきの種類
スーパーで見かけるふきには、主に3種類「愛知早生ふき」「野ぶき」「水ふき」「秋田ふき」があります。一般に売られているふきの大半は愛知早生ふきで、その名の通り愛知県の名産品です。
野ぶきは自生する野菜のふきで「山ぶき」とも呼ばれ、苦みが少ない水ふきは京都などで生産されることから「京ふき」などのいくつかの呼び名を持っています。
ふきのカロリーと栄養素
生のふき100gあたり11kcalで、低カロリーといえるでしょう。水分が多く、カリウムなどの栄養素を含みます。
また、ゆでたふきは100gあたり8kcalです。ゆでたブロッコリー100gあたり30kcalのため、約4分の1のカロリーです。
ふきの栄養素
・カリウム
・葉酸
・食物繊維
・ポリフェノール
・カルシウム
ふきの栄養素1:カリウム
カリウムは細胞の状態や血圧を調節しながら、一定したよい体の状態を維持する役割のある栄養素です。また、過剰に摂取したナトリウムを体外へ排泄する成分でもあります。そのため、高血圧を防ぐ役割や、むくみを解消する役割があるといわれています。
さらにカリウムは、カルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるともいわれているため、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。
ふきの栄養素2:葉酸
葉酸は、体内での細胞の分裂や成長に影響し、とくに妊娠を望んでいる人や妊娠・授乳中の人に必要な栄養素です。胎児が正常に発育するための重要な働きをするといわれています。
葉酸には、赤血球の形成を助ける造血作用もあるので、造血のビタミンとも呼ばれます。また、貧血や動脈硬化の予防効果があるともいわれています。
ふきの栄養素3:食物繊維
食物繊維は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれるので腸の健康を保ってくれる栄養素となっています。糖の吸収を抑えてコレステロールを吸着・排出し、満腹感が長続きするというメリットがあるといわれています。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。これらはそれぞれ効果が異なっていて、バランスよく摂取することで、効果的に働くとされています。
ふきの栄養素4:ポリフェノール
ポリフェノールは、もともと植物が紫外線や昆虫などから身を守るためにつくりだされた色素や香り成分のことです。ふきには、クロロゲン酸やフキノール酸などのポリフェノールが含まれ、苦みやえぐみの元になっています。
抗酸化作用を持っていて、体に取り入れることで、活性酸素を減らして肌や血管などを健康に保ち、生活習慣病や老化を防ぐ働きがあります。
必須栄養素ではありませんが、健康や若々しさを保つためにぜひ摂取したい栄養素でしょう。
ふきの栄養素5:カルシウム
カルシウムは、骨や歯の構成成分で、健康な体づくりには欠かせない栄養素です。カルシウムを上手に摂取すると、骨粗しょう症の予防、精神を安定させるなどの効能が期待できます。
とくに発育期の子ども、妊婦、高齢者は、カルシウム不足により骨の発育障害や成長不良などを引き起こす可能性があるため、積極的に摂取していきたい栄養素といえるでしょう。
ふきはダイエットに効果がある?
ふきに含まれている食物繊維は、糖の吸収を抑えたり、腸内環境を整えて老廃物を排出しやすくしてくれます。また、むくみを解消しやすくするカリウムが含まれています。そのため、ダイエットの効果が期待できるでしょう。
また、ふきはカロリーが低く、ダイエット食材としておすすめだといえます。
ふきを使ったおすすめのレシピ
ふきにはアクが含まれるため、そのまま調理すると苦みやえぐみが強く残ってしまいます。そのため食べる際には、ほどよく、アク抜きをして料理に活用しましょう。
ふきはお浸しをはじめ、炊き込みご飯、きんぴらなど、料理のバリエーションはさまざまです。好みに合わせた調理法で、楽しんで食べてみてください。
今回はふきを使ったおすすめのレシピを3つご紹介します。
ふきのおすすめレシピ1:ふきの炊き込みご飯
ふきがたっぷり入った炊き込みご飯です。鶏肉や椎茸のうま味が加わって、バランスのよい味わいが楽しめます。
作り方も簡単で、食べ応えのある一品に仕上がります。ふきは、事前に下ごしらえをしておくと数日間保存できるため、いつでも料理に使えて便利です。
ふきのおすすめレシピ2:フキのきんぴら
ふきの苦みと豚バラ肉がよく合うレシピです。
特別な調味料は必要なく、調理時間は15分で完成します。ご飯のおかずにもぴったりで、あと一品欲しいときにおすすめです。またお弁当に入れても喜ばれるでしょう。
ふきのおすすめレシピ3:フキのマリネ
ふきは和食だけでなく、オリーブオイルと合わせて洋風にしてもおいしく食べられます。
材料をマリネ液に漬けこむだけの簡単レシピです。翌日のほうが、味がしっかり染みておすすめです。副菜としてさっぱり食べられるでしょう。
ふきをおいしく食べよう!
ハウス栽培のふきはアクや苦みが少ないとされ、夏を除いて通年手に入りますが、本来の旬は3~5月ごろとされています。
ふきには、独特な苦みのあるポリフェノールを始め、さまざまな栄養素が含まれており、低カロリーでいろいろな料理に活用できます。ほろ苦さとシャキシャキとした食感を持つふきを食べて、心も体も元気にすごしましょう。
監修者ミニコラム:「ふき」として食べているのは茎じゃない?春にお役立ちのふきの魅力をご紹介!
「ふき」は、たけのこのように地下茎を伸ばして増えます。茎は土の中にあるため、地上に伸びて葉に繋がる細い部分は、茎でなく葉柄(ようへい)と呼ばれる葉の一部なのです。
ふきは葉柄だけでなく、その先の葉も食用が可能。ただし、葉の方がアクが強いと言われているので、茹でた後に葉柄よりも長く水に浸しておくことが下処理のポイントです。葉柄と同じように、佃煮、炒め物、煮物などに利用できます(苦みを和らげたい場合は、油を使った調理が効果的◎)。
アクの元は抗酸化作用を持つポリフェノールで、アレルギーにも効果が期待できる成分がふきには含まれているとか!
アクの抜き過ぎに注意しつつ、春の憂鬱対策に積極的に取り入れてみては?