【管理栄養士監修】「すだち」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/12/08
「すだち」は徳島を代表する柑橘系果実です。さわやかな香りやスッキリとした味が特徴となっております。今回は、すだちの種類や栄養素とその効能・効果、すだちを使ったレシピを紹介します。
すだちの種類
すだちとは、徳島県を代表する果物です。果肉よりも果汁の酸味や果皮の香りが多く使われるすだちは、ゆずやかぼずなどといっしょに「香酸柑橘」と呼ばれます。
大きさ、種の有無、枝のトゲなどに違いがあり、トゲが短く玉ぞろいのよい「徳島1号」や、トゲが小さくて少なく果汁が豊富な「本田系」などの種類があります。
サイズは直径4cm、重さ20~40gほどのゴルフボール大で、上品な風味と強い酸味があり、刺身、焼き魚、豆腐料理などによく使われます。ハウス栽培も含めて通年出回りますが、旬は露地栽培の8月から9月ごろとされています。
すだちのカロリーと栄養素
すだちは、果汁100gあたり20kcalと低く、ミネラルやビタミンなどのさまざまな栄養素を含んでいます。柑橘類と言われたら、ビタミンCやクエン酸を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
ここからは、すだちの栄養素についてご紹介していきます。
すだちの栄養素1:ビタミンC
ビタミンCは、皮膚、血管、関節などをつなぐ働きのあるコラーゲンの生成を補助したり、シミやそばかすの原因となるメラニン色素の過剰生成を抑制するなど、肌環境を整えてくれる栄養素です。
また、抗酸化作用もあり、有害な活性酸素から体を守る働きをすることから、細胞の老化や生活習慣病などの予防効果が期待できます。ビタミンCは水溶性なので体内から失われやすく、ストレスや喫煙によって消費量が増えるので、毎日意識してとる必要があります。
すだちの栄養素2:カリウム
カリウムは、過剰に摂取したナトリウムを体外へ排出する働きがあり、血圧を調整したり骨密度を増加させるなど、生命を維持する上で欠かすことのできない栄養素です。ナトリウムとカリウムをバランスよくとることで、高血圧やむくみを予防・改善したり、筋肉の働きを正常に保つ働きがあると言われています。
とくに、近年の食生活の変化によるやナトリウムの過剰摂取により、カリウムの摂取は重要視されています。
すだちの栄養素3:カルシウム
カルシウムは、骨や歯の構成成分で、健康な体づくりには欠かせない栄養素です。カルシウムを上手に摂取すると、骨粗しょう症の予防、精神を安定させるなどの効果が期待できます。
とくに発育期の子ども、妊婦、高齢者は、カルシウム不足により骨の発育障害や成長不良などを引き起こすこともあるので、毎日積極的にとる必要があります。
すだちの栄養素4:クエン酸
クエン酸は、細胞内のミトコンドリアの中で、クエン酸回路というエネルギーを生み出す反応に関わる成分の1つであり、エネルギー代謝を活性化させ、疲れのもとである乳酸を分解してくれます。そのため、疲労回復や筋肉痛などに効果が期待できます。
すだちには、レモンより1.5倍も多くクエン酸が含まれていて、酸味の元となっています。
すだちの栄養素5:マグネシウム
マグネシウムは、骨や歯の健康維持や細胞のカリウム濃度を調節する働きでのある栄養素です。ほかにも、神経の興奮を抑えたり、体内の酵素反応やエネルギー産生にも関わっています。
生活習慣病などの際に細胞内のマグネシウム濃度の低下が見られるほか、摂取量が不足すると骨粗しょう症などのリスクも高まると言われています。
すだちはダイエットに効果がある?
すだちは1個あたりのカロリーが低く、クエン酸やビタミンCを多く含んでいます。クエン酸は新陳代謝の促進、ビタミンCは余分な脂肪の分解に役立つカルニチンの材料となります。
しかし、ビタミンCは光や熱、酸素などに不安定で、調理や加工の過程で減少しやすいのですが、果汁をそのまま絞って使う場合はビタミンCを失わずに摂取することができます。
以下で紹介する「すだちをつかったおすすめレシピ」を参考に、クエン酸とビタミンCを多く含むすだちをダイエットに取り入れてみてはいかがでしょうか。
すだちを使ったおすすめのレシピ
ここまで、すだちの栄養素やその効能について紹介してきましたが、栄養価の高いすだちをどのように使えばいいのでしょうか。
使い方はさまざまですが、焼き魚などに絞って果汁をかけたり、皮をすりおろしてつけ汁やワサビに加えるとよいでしょう。
今回は、焼き魚に絞る以外のすだちを使ったレシピを紹介します。
すだちのおすすめレシピ1:スダチジュース
今回紹介するすだちジュースは、すだちのさわやかな香りを生かしたドリンクです。炭酸割りもおすすめです。
簡単に10分程度でできるので、いそがしい人にもおすすめです。すだちに含まれるクエン酸は、不足しがちなカルシウムや鉄の吸収を高めたり、疲労回復効果が期待できるので、ぜひ飲んでみてはいかがでしょうか。
すだちのおすすめレシピ2:スダチしらすご飯
次は、すだちしらすご飯です。しらすご飯にすだちの果汁を加えることにより、さわやかな香りとほどよい酸味で、食欲が沸く、さっぱりと食べやすいご飯になります。また、酸味が加わることで、しらすの塩気が引き立ち、薄味でも味を感じやすくなる減塩効果も狙えます。
いつもの「しらすご飯」じゃ物足りない、もう一工夫ほしいというかたにおすすめのレシピです。ぜひ、ひと手間加えてみてはいかがでしょうか。
すだちのおすすめレシピ3:せん切りの大根サラダ
最後にせん切りの大根サラダを紹介します。サラダにかけるドレッシングに、しょうゆとすだちが使われています。
すだちは酢の代わりとして使うこともでき、すだちの香りいっぱいのさっぱりとした味わいのサラダを楽しむことができます。違う野菜や、ほかの料理に応用してみるのもいいでしょう。
すだちをおいしく食べよう!
すだちの種類や、すだちの栄養素とその効能・効果、すだちを使ったレシピをご紹介しました。すだちを料理や飲み物などに取り入れることで、美肌効果やダイエット効果が期待できます。
今回紹介したレシピ以外にもすだちを使ったレシピやすだち湯(すだちを入れたお風呂)などの使い方もありますので、気になるかたはぜひ調べてみてはいかがでしょうか。
監修者ミニコラム:すだちの香り成分に注目!優雅な香りに秘められた驚くべきパワーとは?
すだちの香りは、ゆずやかぼすと比べると、優雅で清々しい香りが特徴とされています。
その香りを生かし、和食のあらゆる料理に添えるだけでなく、サラダやカルパッチョなどの洋風料理にも使える汎用性があります。
香りはとくに果皮に多く、その正体はポリフェノールの「スダチチン」「デメトキシスダチチン」という特有成分なのだとか。
以前は、果汁が主に利用されて果皮が廃棄されていたのですが、特産地である徳島県の糖尿病死亡率の深刻化に伴い、すだちの香り成分の研究が進められました。その結果、抗炎症作用や内臓脂肪の蓄積抑制などに効果があることがわかったのです!
すだちを使うときは、すりおろしたり薄切りにして皮も活用しましょう!