【管理栄養士監修】「わさび」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2021/01/24
この記事では、「わさび」の栄養素や効能について記載しています。わさびは食材の旨味を引き立てる薬味としてだけではなく、美容や健康にも効能を発揮する食材といわれています。わさびを使ったレシピも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
わさびの種類
わさびにはいくつか種類があります。一般的にイメージされることが多いのは、山や渓流で育つ「沢わさび」です。それに対して、畑で育つ「畑わさび」は安価で育てやすいといわれています。
さらに、ホースラディシュとも呼ばれる、ローストビーフの付け合わせなどに使われるヨーロッパで栽培されている「西洋わさび」もあります。それを粉末にした、西洋わさび粉と洋がらし粉を混ぜて加工した「粉わさび」や、水分を加えた「練りわさび」もあります。
日本原産のわさびは、西洋わさびと区別するために、本わさびと呼ばれることがあります。
わさびのカロリーと栄養素
生のわさび100gあたり88kcalと、ヘルシーな食材です。
炭水化物が多く18.4g、たんぱく質は5.6g、脂質は0.2g含まれ、ビタミンの中では、ビタミンKとビタミンCが多く含まれており、赤血球をつくり出すために必要な葉酸も50μg含まれています。
このように、多種多様な栄養素を持ち合わせたわさびは、さまざまな健康効果も期待できるでしょう。
わさびの栄養素
・カリウム
・カルシウム
・ビタミンK
・ビタミンC
・アリルイソチオシアネート
わさびの栄養素1:カリウム
カリウムは、細胞の状態や血圧を調節しながら常に一定した良い体の状態を維持する役割のある栄養素です。生のわさび100gあたり、カリウムが500mg含まれます。
カリウムは、体内のナトリウムを排出する効果があり、高血圧やむくみを予防・改善したり、筋肉の働きを正常に保つ働きがあるといわれています。
また、カリウムはカルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるともいわれているため、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。
わさびの栄養素2:カルシウム
カルシウムは、骨や歯の構成成分で、健康な体づくりには欠かせない栄養素です。生のわさび100gあたり、カルシウムが100mg含まれています。
カルシウムを上手に摂取すると、骨粗しょう症の予防や、精神を安定させるなどの効能が期待できます。特に発育期の子ども、妊婦、高齢者は、カルシウム不足により骨の発育障害や成長不良などを引き起こす可能性があるため、積極的に摂取していきたい栄養素といえるでしょう。
わさびの栄養素3:ビタミンK
ビタミンKは、血液を凝固させて止血する効能があることから、止血のビタミンとも呼ばれています。生のわさび100gあたり、49μgのビタミンKが含まれています。
また、骨にカルシウムが沈着するのを助けて、骨からのカルシウムの流出を防ぐ働きもあるため、骨の健康のためにも欠かせない栄養素といえるでしょう。さらに、動脈の石灰化を抑制する作用も期待されています。
わさびの栄養素4:ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの生成を補助したり、メラニン色素の過剰生成を抑制するなど、肌環境を整えてくれるといわれている栄養素の1つです。生のわさび100gあたりにビタミンCが75mg含まれています。
また、ビタミンCには抗酸化作用もあり、有害な活性酸素から体を守って、細胞の老化や動脈硬化、心疾患などを予防を防ぐ効果があるといわれています。紫外線が強くなる時期や、日差しを浴びる機会が多い人は、積極的に摂りたい栄養素です。
わさびの栄養素5:アリルイソチオシアネート
アリルイソチオシアネートとは、すりおろしたわさびに含まれる辛み成分のことです。わさび独特の鼻にツンとくる辛みは、このアリルイソチオシアネートの揮発性によるものです。
この成分には抗菌作用があり、食中毒菌などの微生物の増殖を抑えて、食あたりを防ぐ効果があります。寿司や刺身といった生ものにわさびを添えるのは、生臭さを抑えて魚の旨味を引き立てるためだけではなく、抗菌作用も理由の1つだといえるでしょう。
わさびはダイエットに効果がある?
わさびには、ダイエット中に気になるむくみを予防・改善する効果があるカリウムが含まれています。さらに、肌の健康維持を助ける働きがあり、糖質、脂質、タンパク質をエネルギーに変える時に必要となるビタミンB1やビタミンB2も含まれています。
生のわさびと比べると、一般的に家庭で使われることの多いチューブ入りの練りわさびは、加工によって失われる栄養が多くありますが、ビタミンB1とビタミンB2については、練りわさびにも同じくらい含まれているといえます。
ですが、一度にたくさん食べることができない食材なので、健康維持の一環として上手に取り入れていくといいでしょう。
わさびを使ったおすすめのレシピ
わさびにはさまざまな栄養が含まれています。わさび独特の香り成分や辛み成分には、抗菌作用があるだけでなく、抗酸化作用や食欲を掻き立てるなどの作用もあるといわれています。
とはいえ、わさびを薬味以外の用途で料理に使用することはあまりないでしょう。どのようなアレンジができるのか、下記のレシピを参考に毎日の献立に上手にわさびを取り入れましょう。
なお、こちらで紹介するレシピは一般的に使われることの多いチューブタイプの練わさびを使用したレシピです。
しかし、チューブタイプの練わさびは加工されているため前述したビタミンK、ビタミンCは失われ、カリウム、カルシウムも4割減少していますのでご注意ください。
わさびのおすすめレシピ1:アボカドトマトのにんにくわさび醤油
たった5分でつくれてしまう簡単レシピです。急な来客のおもてなしや、もう一品が決まらない時にパパッとつくれるので覚えておくと便利です。
まろやかな味わいのアボカドとトマトの酸味、そこに醤油とわさびのピリッとした辛みが加わった一品です。お酒のおともにもおすすめです。
わさびのおすすめレシピ2:キュウリのワサビマヨ
こちらも短時間でつくれる一品です。マヨネーズにヨーグルトとわさびを加えた和え物です。爽やかな味わいであっさりといただけます。
ほかの食材と味付けがかぶる心配もなく、箸休めに一皿あるとうれしい副菜です。
わさびのおすすめレシピ3:きのことわさびの和風スパゲッティのレシピ
わさびとスパゲッティを組み合わせたレシピです。
数種類のきのこを使うスパゲッティで、フライパンを使うことなくできるので、洗い物も少なくて済みます。わさびの香りが食欲を刺激してくる一品です。お好みで、オイルや他の食材を加えてもおいしいでしょう。
わさびをおいしく食べよう!
わさびは日本古来のスパイスです。辛さが気になる場合は、加熱すると辛みが飛んで、わさびの上品な風味を楽しめるでしょう。きれいな緑色の見た目とわさびの風味は、料理に爽やかさを与えてくれます。
ご紹介した通り、わさびはさまざまな栄養が含まれる食材です。少量ずつでも、日々の食事に積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
監修者ミニコラム:わさびは溶いちゃダメ?わさびと醤油の関係とは?
もともと、日本と台湾のみでつくられていたというわさび。
今や日本食ブームの広がりから、世界中で親しまれる調味料となり、イギリス、オーストラリア、カナダなどでも高級食材として栽培されるようになっているのです。そんなわさびを広めたのは、「寿司」や「そば」といった料理たち。
みなさんは、それらに添えられたわさび、どのようにして食べていますか?
最初に、醤油やつゆの中に入れて混ぜてしまっているのなら、醤油に含まれる成分でわさびの香りが消臭され、せっかくの風味が弱まってしまうのだとか……。
もちろん、辛みを和らげて食べやすくしたり、わさびの持つほんのりとした甘みが感じられるというメリットもあるので、どちらの食べ方も楽しんでみては?