【管理栄養士監修】「黒米」の主な栄養素とカロリーまとめ!ダイエットに効果がある?
2021/02/05
栄養豊富なスーパーフードとして注目されている黒米ですが、ダイエットや美容にはどんな効果があるのでしょうか。この記事では、黒米に含まれる栄養素と効能、またそれらを美味しく効果的に取り入れるためのレシピもご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
黒米の種類
黒米とは、玄米の状態で黒い色をしており、稲の原種に近いことから古代米と呼ばれています。黒米には、もち米系の品種である「朝紫」(アサムラサキ)、うるち米系の「おくのむらさき」、「さよむらさき」などがあります。
また白米と混ぜて炊くのが一般的で、表皮の色が溶けだして炊き上がりが紫色になることから、紫黒米や紫米とも呼ばれます。
黒米のカロリーと栄養素
炊飯後の黒米のカロリーは、100g当たり155kcalです。おもな栄養素には、100g当たり炭水化物32.2g・たんぱく質3.6g・脂質1.4g・灰分0.6gなどがあげられます。
灰分とはカリウム、鉄、マグネシウムなどの無機質成分(ミネラル)のことを言います。また、果皮・種皮部分の黒紫色は、アントシアニンというフラボノイド(ポリフェノール)の一種である色素成分です。
黒米の栄養素
・炭水化物(糖質)
・カリウム
・マグネシウム
・ナイアシン
・アントシアニン
黒米の栄養素1:炭水化物(糖質)
炭水化物は、消化されない食物繊維とそのほかの糖質に分けられます。糖質はブドウ糖に分解され、血液を通して各細胞に運ばれます。エネルギー源として働くだけでなく、疲労回復や体温維持にも必要な栄養素です。
また、糖質が分解されてできるブドウ糖は脳のエネルギー源として利用され、頭がすっきりとした状態で日々の作業ができるようになるといわれています。
黒米の栄養素2:カリウム
カリウムは細胞の状態や血圧を調節しながら、常に一定した良い体の状態を維持する役割のある栄養素です。ナトリウムの体外への排出を促進することから、高血圧を防いだり、むくみを解消する役割があります。近年の食生活の変化やナトリウムの過剰摂取などにより、カリウムの摂取は重要視されています。
また、カルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるため、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。
WHO(世界保健機構)のガイドラインでは、成人の血圧と心血管疾患、脳卒中、冠動脈性心疾患などの生活習慣病のリスクを減らすために、カリウムの摂取量を増やすことが強く推奨されています。
黒米の栄養素3:マグネシウム
カルシウムの場合、ほとんどが骨に存在していることは知られていますが、マグネシウムもその50%が骨に含まれています。体内に不足すると骨から遊離し、神経の興奮を抑えたり、エネルギー生産の補助、血圧維持などの重要な役割に利用されます。
マグネシウムはさまざまな酵素の働きをサポートしてくれたり、たんぱく質の合成や骨の形成に欠かせない栄養素でもあります。また、イライラを緩和する効果も期待できるので、食事の際は積極的に摂取するようにしましょう。
黒米の栄養素4:ナイアシン
ナイアシンは、体内で酸化還元酵素の補酵素の構成成分として働き、糖質、脂質、タンパク質からエネルギーを生産するときに必要な栄養素です。また、皮膚や粘膜の健康を保つ働きもあります。
生体中に最も多量に存在する水溶性ビタミンであり、欠乏すると皮膚炎や下痢、精神神経障害などを引き起こすと言われています。
黒米の栄養素5:アントシアニン
アントシアニンはフラボノイド(ポリフェノール)の一種で、花や果実などに広く分布する色素成分です。安全性や安定性に優れているため、食品用の天然色素として使用されています。
近年では、抗酸化作用(老化防止)・がん予防効果・視機能改善作用などを持つ機能性物質としても注目されています。
黒米はダイエットに効果がある?
黒米は白米に比べ、体の代謝に欠かせないミネラル類やビタミンB群などが豊富に含まれています。他にも、腸内環境を整えて、糖質の吸収を抑えたり、コレステロールの排出を促してくれる食物繊維も含まれています。
こういったことからも、ダイエットのサポートに役立つ食材と言えます。いつもの食事に、黒米を取り入れてみてはいかがでしょうか。
黒米を使ったおすすめのレシピ
黒米は、ご飯として取り入れるだけでなく、さまざまな料理にアレンジすることもできます。
ここからは、黒米を使ったおすすめレシピを3つ、ご紹介いたします。毎日の食卓に、栄養豊富な黒米を美味しく効果的に取り入れるために、参考にしてみてはいかがでしょうか。
黒米のおすすめレシピ1:黒米サラダ
数種類の色の異なる野菜の彩りと黒米の黒色のコントラストが華やかな、パーティーなどにもお勧めのサラダです。りんご酢のやさしい酸味のドレッシングがさわやかで、さっぱりとした口当たりです。
いつものサラダにボリュームが加わるだけでなく、黒米の食感も楽しめる一品です。
黒米のおすすめレシピ2:黒米スープ
具だくさんな洋風のスープに、黒米のプチプチとした食感とアサリの香りが食欲をそそります。
レシピにはタンパク質を含む食材も使われているので、寒い日の朝食にもお勧めな栄養満点のスープです。
黒米のおすすめレシピ3:黒米ハンバーグ
だし汁を使った和風だしと大根おろしで、さっぱりと食べられハンバーグになっています。
お米が入っているので食べ応えがあって腹持ちもよく、育ち盛りのお子さんにもきっと満足してもらえるでしょう。
黒米をおいしく食べよう!
近年、スーパーフードとして人気が出てきた黒米は、栄養価が高いのはもちろんのこと、その美容効果にも注目が集まっています。また、調理方法も比較的簡単で、毎日の食事に取り入れやすいという点も魅力です。
今回ご紹介したレシピ以外にも、和食・洋食・デザートなど、工夫次第でまだまだ美味しいアレンジレシピが可能です。
最近はスーパーのお米コーナーでも手軽に手に入れられるようになった黒米で、美味しく健康的な生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。
監修者ミニコラム:ご飯の色も自由自在!黒米ごはんが美味しくなる3つのポイント
黒米は、精米してしまうと色素を含んだ表皮が取り除かれるて白米になることから、玄米と同じように扱う必要があります。美味しく炊くためのポイントは以下の3つ!
【1】浸水時間は長めに
時期によりますが、1時間半以上が目安。
【2】少し水加減を多めに
黒米の容量×倍の水を追加するとふっくら◎
【3】洗う場合はサッと手短かに
色素が流れ出てしまうので注意!
黒米だけを炊くこともできますが、米1合:黒米1合でも同じくらいの黒っぽい色に仕上がります。濃い紫色であれば黒米大匙2杯、ピンク色であれば小匙1杯を目安に加えてくださいね。
また、黒米にはモチモチ感のあるもち米種と、そうではないうるち米種があるので、その違いも楽しんでみては?