【管理栄養士監修】「抹茶」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめの調理方法は?
2021/02/04
抹茶は風味や味がよいだけでなく、栄養の面でも優れています。また、抹茶の栄養素のなかには、ダイエットをサポートしてくれるものも含まれています。抹茶を効果的に取り入れるためにも、いろいろな飲み方や使い方などがあることを知っておきましょう。
抹茶の種類
抹茶の原料となる茶葉を碾茶(てんちゃ)と呼び、その品種には、「さみどり」、「あさひ」、「やぶきた」などがあります。茶の樹から収穫した生葉を蒸して乾燥し、茎や葉脈の部分を取り除き、柔らかく味のよい部分だけを石臼で挽いたものが抹茶になります。
旨味があり、よい香りがして、苦みや渋みが少ない抹茶は、品質がよいとされています。
抹茶のカロリーと栄養素
抹茶はお茶なので、それほどカロリーは高くないと思っている人がいます。しかし抹茶は100gで324kcalあり、意外と高カロリーです。
ただし、抹茶1杯に使う量は2~4g程度なので、飲料として飲む分にはカロリーのとりすぎの心配はないでしょう。多くの栄養素が含まれているので、抹茶を日頃から飲むようにしておくことで、いろいろな健康効果を期待することができるでしょう。
抹茶の栄養素
・カリウム
・食物繊維
・β−カロテン
・ビタミンK
・葉酸
抹茶の栄養素1:カリウム
カリウムは、体内のナトリウムの排出を促す働きがあります。そのため、血圧の低下や脳卒中の予防などに効果を期待することができ、塩分の高い食事をする際に抹茶を飲むことはおすすめです。また、カリウムの摂取は骨密度の増加につながるとも言われています。
なお、WHO(世界保健機構)のガイドラインでは、成人の血圧と心血管疾患、脳卒中、冠動脈性心疾患などの生活習慣病のリスクを減らすために、カリウムの摂取量を増やすことが強く推奨されています。
抹茶の栄養素2:食物繊維
抹茶は粉末ですが、もとは茶葉(碾茶)です。そのため、食物繊維も非常に多く含まれています。食物繊維は腸の消化吸収を助ける働きがあり、腸内環境を整えてくれる栄養素です。
便の量を増やして便秘を防いだり、心筋梗塞、糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防に役立つことから、食物繊維の積極的な摂取が推奨されています。
ただし、食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、これらはそれぞれ効果が異なっているので、両方をバランスよく摂取することで効率よく働くと言われています。
抹茶の栄養素3:β−カロテン
β-カロテンは、抗酸化作用があり、活性酸素から細胞を守ることで、がんの予防効果が期待されています。
また、体内では必要に応じてビタミンAに変換されることで、肌の健康を維持して、美肌効果も期待できると言われています。
抹茶の栄養素4:ビタミンK
ビタミンKは、血液を凝固させ止血する効能があることから、止血のビタミンとも呼ばれています。
また、骨にカルシウムが沈着するのを助け、骨からのカルシウムの流出を防ぐ働きがあり、丈夫な骨づくりに欠かせない役割を果たします。
抹茶の栄養素5:葉酸
葉酸は、DNAなどのタンパク質の生合成を促し、細胞の生産や再生を助ける働きがあります。とくに、胎児の成長な発育に関わることから、妊娠を望む人や妊娠中の人には必要量が増加します。
また、ビタミンB12とともに、赤血球の生産に役立つため、「造血のビタミン」とも呼ばれています。動脈硬化の原因であるコレステロールを低下させる効果があるとされ、虚血性疾患の予防を期待することもできます。
抹茶はダイエットに効果がある?
抹茶には、油の吸収を抑えたりエネルギーとして脂肪の代謝を促すカテキンや、腸内環境を整えたり糖質の吸収を抑えてくれる食物繊維などが含まれています。これらは、ダイエットのサポートに役立ちます。
ただし、抹茶そのものではなく抹茶味のスイーツには、材料に多くの糖質や脂質が含まれており、その効果は期待できないので注意しましょう。
抹茶を使ったおすすめのレシピ
抹茶にはいろいろな栄養素が含まれ、ダイエットをサポートしてくれるものもあります。そのため、抹茶は日頃から意識して飲むようにするとよいでしょう。
しかし、抹茶を毎日飲むことは意外と大変です。そのため、継続して抹茶をとり続けていくためにも、いろいろな料理に活用していきましょう。
抹茶のおすすめレシピ1:チリメンジャコの抹茶おろし和え
一工夫するだけでいつもの大根おろしと違った風味を味わえます。手軽につくれるので、時間がない時やさっぱりとしたものが食べたいときなどにも、手軽に栄養を追加できるのでおすすめです。
ぜひ、いつもの食卓に一品加えてみてはいかがでしょうか。
抹茶のおすすめレシピ2:抹茶チョコラテ
抹茶はそのままでもおいしく飲むことができますが、ほかの飲み物に加えることで、よりおいしくすることができます。
家でミルクを泡立てることができれば、お店で出されるような抹茶ラテをつくることもできます。また、ホワイトチョコと抹茶の相性がよいので、ホワイトチョコのラテに抹茶を加えることがおすすめです。
抹茶のおすすめレシピ3:抹茶のフィナンシェ
抹茶はその香りのよさや、ほどよい甘味と苦味があることから、お菓子にもよく使われます。フィナンシェやクッキーのような焼き菓子にすれば、抹茶の香りを楽しめます。
ほかにも、シフォンケーキやマフィンなどに加えるのもおすすめです。また、仕上げに彩りとして抹茶をふりかけてもよいでしょう。
抹茶をおいしく食べよう!
抹茶はただ香りや味がよいだけでなく、いろいろな栄養素が多く含まれています。また、その栄養にはダイエットをサポートしてくれるものも含まれているので、意識して取り入れたい食材です。
そのまま飲むだけでなく、お菓子つくりに使ったり、ほかの飲み物に加えたりなど、いろいろな工夫をしてみてください。
監修者ミニコラム:抹茶は日本のスーパーフード! カテキン以外にもある健康成分とは?
昔は上流階級だけの贅沢な嗜好品だった抹茶。薬用として利用されていた時代もあるのだとか。
抹茶は、茶葉を煎じて抽出液を飲む緑茶などと異なり、茶葉も丸ごととることができます。茶葉の15%にカテキンなどのポリフェノールが含まれ、脂溶性ビタミンや食物繊維のほか、テアニン、カフェイン、サポニンなどの成分が含まれています。
・テアニン…精神をリラックスさせたり睡眠の質を高める。
・カフェイン…脳を覚醒させ、疲労や眠気を軽減して集中力を高める。(テアニンが働きを適度に緩めてくれます)
・サポニン…泡立ちの元となる成分、抗炎症作用や抗菌作用。
抹茶2g=コーヒー150ml相当のカフェインが含まれているので、飲む参考にしてくださいね!