【管理栄養士監修】「あけび」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2021/02/08
あけびは、ほんのり甘い果肉とほろ苦さのある果皮を食用とする果実です。あけびは、ただおいしいだけでなく、栄養面でも優れています。また、ダイエットをサポートしてくれる効果も期待できる食材でもあるので、おいしくあけびを食べる方法をぜひ知っておきましょう。
あけびの種類
あけびは厚い果皮の中に、黒い無数の小さな種と乳白色のゼリー状の果肉が入っています。果皮が割れてくると、熟して食べ頃となります。あけびの主な種類には、あけび、ミツバアケビ、ゴヨウアケビ、白アケビがあります。
日本の山間部などで9~10月頃に自生していますが、最近では栽培も増えてきています。あけびの果肉はほんのりとした甘みがあり、果皮にはほろ苦さがあるのが特徴です。生産量1位の山形県では、郷土料理としてあけびの果皮がよく食べられています。
あけびのカロリーと栄養素
あけびの果肉のカロリーは100gあたり82kcal、果皮は34kcalとなっています。
また、あけびはさまざまな栄養素を含んでおり、ビタミンCやカリウム、カルシウム、食物繊維、マグネシウムなどがあります。ここからは、これらの栄養素について詳しくご紹介していきます。
あけびの栄養素
・ビタミンC
・カリウム
・カルシウム
・食物繊維
・マグネシウム
あけびの栄養素1:ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの生成を補助したり、メラニン色素の過剰生成を抑制するなどの肌環境を整えてくれると言われている栄養素の1つです。そのため、肌に良いとされる定番の栄養素として知られているでしょう。
ビタミンCを多く含む果物といえば、レモンのような柑橘系のイメージを強く持つ人が多いでしょう。しかし、あけびにもとくに果肉にビタミンCが多く含まれています。
あけびの栄養素2:カリウム
カリウムは、過剰に摂取したナトリウムを体外へ排泄する働きがあり、細胞の状態や血圧を調節し、常に一定した良い体の状態を維持する上で欠かすことのできない栄養素です。高血圧を防いだり、むくみを解消する効果が期待できます。
WHO(世界保健機構)からは、成人の血圧と心血管疾患、脳卒中、冠動脈性心疾患などの生活習慣病のリスクを減らすために、カリウムの摂取量を増やすことが強く推奨されています。
あけびの栄養素3:カルシウム
カルシウムは、骨や歯の構成成分で、健康な体づくりには欠かせない栄養素です。
不足すると発育障害や骨粗しょう症の原因となるため、とくに発育期の子どもや妊娠中・授乳期の女性、高齢者は積極的に摂取するようにしましょう。
骨に適度な負荷がかかることで、骨をつくる細胞が活発になって強い骨がつくられる性質があるため、カルシウムを摂ると同時に、適度な運動を取り入れることも大切です。
あけびの栄養素4:食物繊維
食物繊維は腸の消化吸収を助ける働きがあり、腸内環境を整えてくれる栄養素です。
食物繊維には、働きの異なる水溶性と不溶性の2種類があります。どちらもバランスよく摂取することで効果的に働くとされ、便の量を増やして便秘を防ぐだけでなく、心筋梗塞、糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防効果も期待できます。
あけびの栄養素5:マグネシウム
マグネシウムは骨や歯を形成するために必要な栄養です。
マグネシウムはミネラルのひとつで、骨や歯の健康維持や細胞のカリウム濃度を調節する働きで知られています。生活習慣病などの際に細胞内のマグネシウム濃度の低下が見られるほか、摂取量が不足すると骨粗しょう症などのリスクも高まると言われています。
あけびはダイエットに効果がある?
あけびには、腸内環境を整えてくれる食物繊維や、むくみを解消するカリウムなどの栄養素が含まれており、カロリーもそれほど高くはありません。そのため、あけびにダイエットをサポートしてくれる効果を期待することができます。
ただし、食べすぎてしまうと糖分の過剰摂取に繋がるため、食事とのバランスを取りながら適度に食べるようにしましょう。
おすすめのあけびの食べ方
あけびの熟した果肉は生食でおいしく食べることができます。また、厚い果皮も加熱調理をして食べることができます。肉詰め、炒め物、天ぷら、素揚げ、漬物などでおいしく食べることができます。
あけびの若芽も春の山菜として、茹でて水にさらしてアク抜きをすれば食べることができます。おひたしや和え物、みそ汁の具などに良いでしょう。
このように、あけびは食べる部分が多いことも特徴の1つです。
あけびをおいしく食べよう!
あけびの果肉には、ほんのり甘みがあり生食ができ、ほろ苦い果皮は加熱調理をするとおいしく食べることができます。また、さまざまな栄養素が含まれており、適量を取り入れることでダイエットをサポートする効果も期待できます。
種といっしょになっている果肉は、ザルを使ってこすことで簡単に取り分けることができるので、そのままだけでなく、ムースやシャーベットなどのデザートとして楽しむこともできます。また、果皮の苦さが気になる場合は、塩もみや下茹でして水でさらすと和らげることができます。
ぜひ、自分好みの食べ方で、あけびをおいしく味わってみてください。
監修者ミニコラム:食べたことがない人も食べた気になれる?あけびの味や食感は、何に近いのか?
野山が近い環境で育った人であれば、自生しているあけびを採って口にしたことがある人もいるのでは?
あけびは、種類により紫や褐色の果皮をしていて、紫色のものはツヤのないナスに見えたり、褐色のものは土つきのさつまいものように見えることも。
果皮の食感とは、ナスより少し歯ごたえがあるくらいと例えられることがあります。甘さはあまり期待できませんが、さつまいものようなほんのりとした味を感じることもあるようです。
果肉には酸味がなく、ナシを薄めたようなさっぱりとした優しい甘さが特徴です。
トロっとしたゼリー状の食感が、完熟した柿に似ていると感じることも。
流通量が少なく貴重ですが、ぜひ一度は実物を味わってみては?