【管理栄養士監修】「ビール」のカロリーは高い?炭水化物量と飲むときのコツを紹介
2021/06/18
この記事では「ビール」のカロリーについて解説していきます。また、ダイエット中などカロリーがとくに気になるときに取り入れたい飲み方などについてもご紹介します。
なお、文中のカロリー値は文末に載せた参考データを元にしています(一部、参考データを元に独自計算をしている場合もあります)。
ビールを飲むと太りやすい?
アルコール飲料のなかでも定番といえるビールですが、カロリーや炭水化物量が多く太りやすい印象があります。しかし、具体的な数値や太りやすいといわれる原因をご存知でないかたもいるのではないでしょうか。
ダイエット中やカロリーが気になるかたでも、健康的にビールとつき合っていくことはむずかしくありません。ビールへの理解を深め、飲む際のコツを覚えて、カロリーや炭水化物量をコントロールしましょう。
ビールのカロリー
350ml缶のビールのカロリーは、1缶354gあたり142kcalです。500ml缶(504g)では、202kcalとなります。なお、材料や製法などによってカロリーの値は変動します。
ビール1杯あたりのカロリーは、ごはん1膳(160g)269kcal と比べると低いですが摂取量には気をつける必要があるでしょう。
ビールの炭水化物量は?
350ml缶のビールの炭水化物量は、1缶354gあたり10.97gです。炭水化物は糖質と食物繊維の合計ですが、食物繊維がほとんど含まれていないビールは糖質の摂りすぎになりやすく、肥満の原因になる可能性があります。
また、アルコール飲料はカロリー摂取量以前に、飲みすぎは健康によくありません。ビールを飲む際は、適度な飲酒量も意識しましょう。
適度な飲酒量は1日あたり平均純アルコール20g程度とされており、摂取量の目安はビールの中瓶(504g)1本程度となります。女性の場合は、男性の1/2~2/3程度に留めることが推奨されています。
ビールを飲むと太るといわれる原因
ビールのカロリーや炭水化物量だけを見ると、摂取量にさえ気をつければそれほど太りやすいとは感じない可能性があります。それでは、ほかにどのような要因があるのでしょうか。
ここでは、ビールを飲むと太るといわれる原因について紹介していきます。
食欲が増す
ビールを飲みながらだと、たくさん食べてしまうという経験があるかたは多いでしょう。ビールには、食欲増進効果があるといわれています。
ビールに含まれる炭酸ガスや、香りや苦味のもとであるホップは、胃壁を刺激するとされています。また、ホルモンの一種であるガストリンの分泌が促進されることにより、胃液の分泌が増加しやすくなるでしょう。
そのため、ビールを飲むときには食欲が増して、いつも以上に食べてしまう可能性があります。
おつまみが高カロリーになりやすい
一般的にビールのおつまみとして提供される料理は味の濃いものが多いです。唐揚げやポテトフライといった揚げ物や締めのラーメンなど、ビールを始めとするお酒を飲む場合は、塩辛いものや脂っこいものが食べたくなるものです。
しかし、食塩や脂肪は食欲を高める効果があるため、過剰に摂取するとカロリーの摂りすぎにつながります。ふだんから薄味の料理に慣れておくようにしましょう。
プリン体が含まれると太る?
ビールのプリン体は350mlあたり12~25mgで、同じ醸造酒のワインや日本酒と比べて含有量が多いです。プリン体自体が肥満を起こすのではありませんが、太り気味のかたは尿酸値が高くなっていることが多いので、プリン体の影響を受けやすいといえます。
プリン体は細胞を構成する成分で、体内で代謝されると尿酸になります。尿酸が多くなりすぎると高尿酸血症や痛風、腎臓障害などを引き起こす可能性があります。
アルコールを摂ることでプリン体の血中濃度が高まりやすいため、ビールを日常的に飲む人はプリン体の摂取量だけでなく、休肝日を設けたり適正量を守るようにしましょう。
ビールを飲むときのコツ
お風呂あがりや暑い日の夜など、どうしてもビールを飲みたくなることはあるでしょう。前述したとおり、食欲増進効果やいっしょに食べるおつまみにより、ビールを飲み続けることは太る原因になる可能性があります。
ここからは、ビールを飲むときのコツを紹介していきます。飲むときのコツを押さえて、上手にビールと付き合っていきましょう。
食物繊維が多いおつまみを選ぶ
おつまみを食べる際には、食物繊維が含まれる料理を選びましょう。
食物繊維には整腸効果があるとされています。また、糖質の吸収を抑える働きがあるため、余った糖質が体脂肪として蓄えられるのを減らす効果も期待できるでしょう。さらに、食後の血糖値の上昇を緩やかにする働きもあるとされています。
高カロリーな揚げ物料理を注文する代わりに、食物繊維やビタミンが多く含まれている野菜、海藻、きのこ、枝豆などの食材を使った酢の物やお浸しといったシンプルで低カロリーな料理をおつまみに、ビールを飲むよう心がけましょう。
水分をとる
アルコールは利尿作用があり、水分をとらないと脱水状態に陥る可能性があります。脱水によってミネラルも失われるため、野菜などのカリウムを多く含むおつまみを積極的にとり入れ、就寝前には経口補水液を選択することもおすすめです。
脱水状態になると二日酔いなどの体調不良の原因になるので、同量よりもやや多めの水分補給を意識しながら、ビールを飲むように心がけましょう。
ビールと同時に水を飲むのがむずかしい場合は、飲酒後には必ず水を飲むようにしましょう。
糖質が低いビールを選ぶ
できるだけ糖質を摂りたくない方は、糖質カット・オフビールを試してみましょう。以前は、糖質カットビールは通常のビールと異なり、味が劣るといわれていたようですが、最近ではよりおいしく飲める糖質カット・オフビールが増えているようです。
ただし、糖質カット・オフであっても飲みすぎやおつまみの内容には注意しましょう。
ビールのカロリーや飲み方について理解しよう!
ビールに含まれるカロリーや炭水化物量、飲む際のコツについて紹介してきました。ビールに限らず過剰にアルコールを摂取することは、体にとってよくありません。1日に摂取してよい分量を正しく理解し、ビールを楽しみましょう。
飲み会などでついつい飲みすぎてしまう場合は、おつまみを変えたりすることでカロリーを抑えることは可能です。糖質を少しでも減らしたいというかたは、糖質カット・オフのビールもおすすめでしょう。
長く楽しくお酒とつき合っていくために、ビールへの理解を深めましょう。