【まるでドラマみたい】本当にあった”サレ妻”の痛快復讐エピソード
2023/01/28
夫に浮気をされてしまった妻を意味する言葉として、近年広く使われるようになった”サレ妻”。今回は、「恋人・夫婦仲相談所」の所長を務める三松真由美さんに、本当にあったサレ妻の痛快復讐エピソードを教えてもらいました。
「まるでドラマみたい」なサレ妻たちの復讐劇
サレ妻たちは夫に対してどんな復讐を行っているのか?夫婦仲相談所を運営する中で、定期的にテレビ局から「エピソードを取材させてください」と言われるテーマです。
筆者が取材で伝えるエピソードは、当事者の了承を得たうえで特定されぬようアレンジはしていますが、すべて本当にあったもの。さまざまな事例を伝えると「まるでドラマみたいですね」と番組ディレクターに言われることもしばしばです。
つまり、事実はドラマよりドラマチックということです。
今回は、そんな数あるサレ妻の復讐エピソードの中から、いざというときに参考になりそうな(?)ものをご紹介しましょう。
ある日突然、夫がスマホを手放さなくなって……
さやかさん(30代)が夫の浮気に気づいたのは半年前。今までリビングに放置しがちだったスマホを、夫が家の中でも肌身離さず持ち歩くようになったことがきっかけでした。大学時代から5年以上つきあって結婚した夫の癖は知り尽くしているというさやかさん。
「夫が嘘をついたり、後ろめたいことがあったりするときはしきりに髪を触る癖があるんです。スマホに着信のバイブレータ音が連続して鳴るときに彼の様子をうかがうと、左手でしきりに髪を触りながらスマホを眺めている。絶対怪しいとピンときました」
何とかして夫のスマホから浮気の証拠を見つけたいと思っていたさやかさんに、ある日チャンスが訪れます。夫の両親の金婚式祝いを夫の兄夫婦たちと行ったレストランで、手持ちのスマホで集合写真を撮ることになったのです。夫とさやかさんが、かわるがわるカメラマンになって撮影をしている間に、夫のスマホをさやかさんが手にするタイミングがきました。
「あ、間違ってロックしちゃった!パスコードって何?」
わざと画面を閉じて、さりげなくパスコードを聞き出そうとするさやかさん。それに対して「ああ、じゃあ俺が……」と、集団を離れてさやかさんの方に歩きかけた夫。
しかし「もう!さやかさんにお任せすればいいじゃないの、早くしてよ!」と、イライラとした声をあげたのは気の短い姑。その勢いに押されて「あ、じゃあ……」と夫は仕方なくパスコードを口にしました。
「いつも短気で嫌な姑だと思っていたのですが、このときばかりは彼女が女神に見えました。もちろんパスコードはしっかりその場で暗記しました」
夫と不倫相手の旅行に母といっしょに“先乗り”
その晩、夫の入浴中にカバンの中にしまってあったスマホをひらき、浮気相手とのLINEを発見。2人が来月、温泉旅行を計画していることがわかりました。
「翌朝には夫のスマホのパスコ―ドはしっかり変更されていて、もう見られなくなっていたのですが、2人の温泉旅行の日付と行先は撮影しておいたので、この旅行を私の復讐の決行日にしようと決めました。そして温泉旅行の3週間前になると、夫は私に『出張に行くことになった』と伝えてきました。どうやら不倫相手との温泉旅行は予定通り実施らしいので、私も同じ日に実家の母と旅行に出かけることにしました。行先はもちろん夫と同じ旅館です」
さやかさんの夫の不倫旅行先は、1日数組しか予約を取らないこぢんまりとした温泉旅館。さやかさんは事情を母に話して協力してもらうことに。
親子で一緒にその旅館に行き、チェックイン開始の15時からフロント前のソファーでコーヒーを飲みながら、夫が来るのを今か今かと待ち構えていました。
待つこと2時間。17時に宿の前にタクシーが止まり、夫と見知らぬ女性が下りてきました。旅館の仲居さんの出迎えを受け、彼女と手をつないで入口の扉から入ってきた夫は、フロント前のソファーを見て思わず「あっ」と声を上げました。
それと同時に、さやかさんの隣に座っていた母も「あら、健太郎さん?」と大きな声を上げます。
「あら、お客様同士でお知り合いでしたか?」と夫に微笑みかける仲居さんと凍りつく夫。ヤバそうな気配を感じて、慌ててつないだ手を離した不倫相手。
さやかさんはゆっくりとソファーから立ち上がり、夫の方に歩み寄りました。
「ええ、この方はよく知っています。でもお連れの方は初めてお目にかかります」
母は「きっとご接待旅行ね」と意地悪そうな顔でほほえみました。
食事は部屋食の旅館だったので、そのあと2人に館内で会うことはありませんでしたが、さやかさんは十分目的を果たせたと言います。
「言葉を失った夫と不倫相手を見て、心の中でガッツポーズをしました。きっと館内で私たちに会うことを恐れて、ずっと部屋にこもっていたのではないかと思います。あとから旅館の人に聞いたら、朝食もキャンセルして、8時前にチェックアウトして行ったようです。ぐずぐずしていると、チェックアウト時にまた私がフロント前に居座っているんじゃないかと心配だったのでしょうね。2人の温泉旅行を台無しにすることができて気分がスカッとしたし、母にも私の状況をわかってもらえました。実家を味方につけることができたのでよかったです。気分すっきり、おいしい食事と露天風呂を心ゆくまで楽しんできました」
パートナーの浮気、夫婦仲の再生を望むなら冷静に対処を
その後さやかさんは、夫と話し合い、謝罪を受け入れ、夫婦仲を再生させました。夫の裏切りに対して、冷静に対処したさやかさんにサレ妻のお手本大賞をさしあげたいと筆者は伝えました。
夫の浮気が発覚するとたいがいの妻は、動揺し、怒りをぶつけたり、泣きわめいたりします。その気持はわかります。しかし、復讐したいのであればまず平常心を取り戻し、水面下で対策を練るのが一番賢いやり方です。また、筆者が知る限りしっかりとお灸をすえたほうが、その後もとのさやにおさまる可能性は高いです。
しっかりとお灸をすえたら、その後は犯してしまった過ちについて掘り起こさないことも大切。
そして筆者がサレ妻の皆さんに一番伝えたいことは「なぜ夫が妻以外の異性に目がくらんだか」の理由を考えてみてくださいということです。パートナーの浮気は、夫婦関係における最大の危機。しかし、話し合いによって乗り越えることで、夫婦仲がバージョンアップされるのは間違いありません。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。