霧と雲は何が違うの?霧が出る日は何に注意すればいい??気象予報士が解説
2023/10/29
冷え込んだ朝や夜に現れる霧。
ぼんやり白く見える霧は、なんだか雲と似ている気がしますよね。
霧と雲は、何が違うのでしょうか。また、霧はなんだか幻想的できれいですが、注意すべきこともあるのでしょうか。
今回は、気象予報士・防災士・野菜ソムリエとして活躍する植松愛実さんに、誰かに教えたくなる霧と雲にまつわる豆知識を教えてもらいます!
霧はどうしてできるの?
霧は、地面付近の空気が冷やされることによって、空気中の水蒸気が細かい水の粒になることで発生します。
朝や夜に地面が冷える際、もともとそこにあった空気中の水蒸気が凝結して発生するほか、冷たくなった地面に別の場所から暖かい空気が風で運ばれてきて、その温度差で霧が発生することもあります。
いずれにしても、「冷えること」と「空気中に水蒸気があること」の2つが必要。
真冬になると空気が乾燥しすぎて冷えても霧にならないことがあるので、秋(同様に春も)は霧ができやすい時期と言えます。
また、秋の中でも特に、雨が降ったあとに冷え込むような気象条件が揃うと、濃い霧が発生しやすいくなります。
霧と雲は何が違うの?
雲は、空気中の水蒸気が冷やされて細かい水や氷の粒になったものです。
こうやって聞くと、霧とほとんど変わらないことに気づきます。
じつは、霧と雲の違いは「見る人のいる場所」だけです。
水蒸気が水の粒になって白っぽくなっている部分よりも下にいる人にとっては「雲」、白っぽくなっている真っ只中にいる人にとっては「霧」になります。
ちなみに、高い山の上などにいる人からすると、白っぽい部分よりも自分のほうが上にいて見下ろす形になり、これを「雲海」と呼びます。
霧が出るときは何に注意すべき?
濃い霧が出ると、交通機関に影響が出ることがあります。
霧で視界が悪くなることによって鉄道に遅れや運休が出る場合がありますし、道路でも主要道を中心に速度制限が行われることも。
空の便は、大きな空港だと霧が発生していても離着陸ができる機器が整備されていますが、それでもあまりに濃い霧の場合は飛行機の発着が制限されます。
しかも、霧が出やすいのは冷え込む時間帯、つまり朝ですから、朝の通勤・通学への影響が大きくなるのです。
特に霧が出やすい今の時期は、雨が降った翌朝に冷えることが予想されている場合、交通に影響が出ることをあらかじめ想定しておくと朝の支度をあせらずに済みそうです。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。
編集/サンキュ!編集部