日の短くなるスピードが違う!「秋の日はつるべ落とし」のワケを気象予報士が解説
2023/09/11
昼と夜の長さが同じになる秋分(2023年は9月23日)をすぎると、次第に昼のほうが夜より短くなっていきます。
でも秋って、なんとなく急に日が暮れるのが早くなるように感じませんか?
今回は、気象予報士・防災士・野菜ソムリエとして活躍する植松愛実さんに、「秋の日はつるべ落とし」のワケを解説してもらいます。
昼の時間は“急速に”短くなる
夏から冬にかけて昼の時間は次第に短くなっていきますが、毎日同じずつだけ短くなるわけではありません。
たとえば東京では、夏至をすぎたばかりの7月には1カ月間で15分しか昼の時間が変化しませんが、秋分を迎える9月には1カ月間で40分以上も短くなります。
つまり、夏と比べて秋は、じつに3倍近いスピードで日が短くなっていくのです。
この原因には、地球が自転しながら公転していることなど複雑なメカニズムが関わっているのですが、おそらく昔の人も、秋になると急速に昼が短くなっていくことを理屈抜きで実感していたことでしょう。
そのため、「秋の日はつるべ落とし」という言い回しが存在するのですね。
明るそうで明るくない「薄暮」の時間帯
急速に日没が早くなる秋、一番気をつけたい時間帯は日没よりも前にやってきます。
日が暮れる1時間くらい前から、完全に明るいわけでも完全に暗いわけでもない、「薄暮」と呼ばれる時間帯が始まります。
この時間帯は、なんとなく明るそうに見えて油断しがちですが、実際には思っているほど前が見えていないので、交通事故が起きやすい時間帯です。
車の運転者から歩行者が見えづらいのはもちろん、自転車同士でも衝突などの事故が起きやすく、大人も子どもも注意が必要。
慣れた道でも油断大敵です。
秋のレジャーはとくに注意!
秋の運転は日常生活でももちろん注意が必要ですが、より気をつけたいのが休日のおでかけです。
行楽シーズンの秋、都市部から山沿いへアウトドアや紅葉狩りなどででかける人が多くなりますが、山の陰になりやすい場所では日没よりもずっと早い時間から視界が悪くなっていきます。
自分自身で運転する際も注意が必要ですし、歩いているときも自分がドライバーから見えていない可能性を考えておく必要があります。
できれば山沿いへのおでかけは、「日没までに帰る」のではなく、より余裕を持って計画しておきましょう。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。
編集/サンキュ!編集部