「片付けたはずなのに、すぐ散らかる…」
それは、収納スペースに“余白”が足りていないからかもしれません。
一見スッキリ整って見える収納でも、ぎゅうぎゅうに詰め込んだ状態では「使いやすさ」「管理のしやすさ」が大きく損なわれます。
今回は、収納に余白が必要な理由と、どのくらいの余白を持つと良いのかを整理収納アドバイザーであるライター持田友里恵が解説します。
1. “使うたびに崩れる”収納になっていませんか?
引き出しや棚にものをギチギチに詰め込んでいると、1つ取り出すだけで周りのものが崩れてしまうことがあります。
例えば……
・服をパンパンに詰めた引き出し → 一枚取るとぐちゃぐちゃに
・重ねて収納したタッパー → 下の1つを取るのが面倒で使わなくなる
・本棚の本をピッタリ並べすぎ → 一冊抜くだけでズレる
こうなると「戻すのが面倒」になり、結果として“出しっぱなし”が増える原因に繋がってしまいます。
2. ものの詰め込みすぎは“管理しづらさ”の元
収納に余裕がない状態では、中身の把握がしにくくなります。
「どこに何があるか覚えていない」「同じものを買ってしまう」など、管理が破綻しやすいのが特徴です。
【NG例】
・パントリーの奥に賞味期限切れの食材
・タンスの奥に数年着ていない服
・雑多な文具がごちゃごちゃに詰まった引き出し
「しまえるからOK」ではなく、「しまったあと管理できるか」がポイントです。
3. 理想の“余白割合”は収納全体の7〜8割
では、収納にどれくらいの余白があると良いのでしょうか?
整理収納アドバイザーとしておすすめするのは、収納スペースの7〜8割程度に抑えること!
つまり、2〜3割はあえて空けておくイメージです。
【例】
・引き出しなら、ものの上に指が入るくらいのすき間を作る
・食器棚なら、ワンアクションで出し入れできる程度のゆとりを残す
・衣類収納なら、立てて並べたときに上に2〜3cmの空間があるとベスト
この余白があることで、「取り出しやすさ」「戻しやすさ」「見直しのしやすさ」が一気に向上します。
4. 余白を保つための工夫
余白を保つためには、**定期的な見直しと“増やしすぎない意識”**が不可欠です。
【おすすめの習慣】
・1つ増えたら1つ減らす(ワンイン・ワンアウト)
・季節ごとに収納の中をチェックし、「今使っていないもの」を取り除く
・買う前に「置く場所があるか?」を確認する
また、収納グッズを増やす前に「中身を見直す」ことも忘れずに。収納ケースが増えると、スペースに対する“見かけの整い感”が出てしまいがちですが、中がパンパンなら逆効果です。
「収納の完成度」は“空きスペース”で決まります!
収納というと、「ぴったり収めて満足!」というイメージがあるかもしれません。
でも、本当に快適なのは、「出し入れしやすく、管理しやすい」収納です。
そのためには、あえて入れすぎないこと=余白を残すことが何より大切。
・ものは収納の7〜8割までに
・使いやすさや戻しやすさを意識した配置に
・「余白=整っている証拠」と考える
ぜひあなたの収納にも“余白”というやさしさを取り入れてみてくださいね。
■執筆/持田友里恵
整理収納アドバイザー。片付けられない主婦から片付けのプロに!“片付け=自分を大切にすること”という信念のもと、片付けの工夫や仕組みをInstagram(@yurimochi.home)で発信中。
編集/サンキュ!編集部